第56話 灰色模様
あきらのスサナルロスは激しかった。
“ママみ”が強いしまTのことはあの子もすっかり気に入っていたけど、それでも今までと比べると、だいぶ元気がないことが多くなった。
何の慰めのためなのか、ある時はテーブルに突っ伏して、ある時はリハビリルームのベッドの上で、果ては階段の途中に寝そべってまで、あきらは架空のダイイングメッセージを書き続けた。
『犯人は ス サ……』
うつ伏せの姿勢のまま指先でそこまで書くと、必ずバタッと倒れ込んで、それから想いに耽るようにしばらく動かなくなる。
手すさびとして昇華させながらも、自分の心が浮かないのは「スサナル先生に原因がある」と、この子は暗に訴えていた。そしてまたこの落ち込みぶりは私の気持ちも代弁してくれているようで、毎回あきらがため息と共にこの憂さ晴らしを始めると、見ている私の胸の奥にもズキズキと痛みが広がった。
新学年に上がった途端にもう一つ別の意味合いからも、私もまったく彼に会えなくなってしまった。
最初の数週間は、それでも校舎内のどこかにいるのではと期待しながら登下校に付き添っていたのだが、そもそもエレベーターに乗ること自体を控えなければならない事態が発生した。いつから把握されていたのか、4階から玄関ホールに向かうために西階段を降りる途中で、毎朝のようにヤマタ先生に待ち伏せされるようになってしまったのだ。
さすがに「誰から」とまでは伝えられなかったが、色々と支障が出てしまうのを避けるため、あきらには、「毎朝ある先生に待ち伏せをうけて困っている」と正直に話をした。ハセベの時に似たような思いを経験したことから、「自分にもひみの気持ちがわかるよ。」と、この子はすぐに状況に理解を示してくれた。
「介助なしで一人でエレベーターに乗ってたって、今まで誰かに咎められたことなんかないから大丈夫だよ。」
そうしてその翌朝からは、建物内には入らずに、昇降口までの見送りとなった。
怒りが湧いた。憎悪が湧いた。
新学期に配られた職員紹介プリントによって、よりによってヤマタ先生の下の名前に私と同じ漢字が使われているとわかったことで、追い討ちをかけられ更に深く傷ついた。この先生のただならぬ執念に、うすら気持ち悪ささえ感じた。
ヤマタ先生に遭遇しないために校舎に入れなくなった上、この人によって、自分がスサナル先生と引き離されたのだと思うと心の底から悲しかった。彼に会いたい気持ちの全部を削がれてしまうだけの、嫌悪のほうがまさっていた。
色彩という色彩が世界からすべて奪われてしまい、心が幽閉されたように感じて、自然と悔し涙が出た。
written by ひみ
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実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説(笑)、ぜひお楽しみください。
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この時あきらはね、「犯人はスサごっこ」をすることで、この子なりに保ってたんだよね。
4月のクラス替えから、結局夏休みに入る頃までずーっとやってたかな……。最後のほうではお約束ネタとして、二人で笑えてたからよかったけどね。
当時から、あきらもあきらでスサナル先生に対して色々と強い想いがあったんだよね。
表面上は、たかが担任。でもそれ以上の愛着を感じていたのは、あきらにとっての「もう一人の私(ひみ)」ってことを、あの子自身がちゃんと拾っていたからなんだよね。
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←今までのお話はこちら
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↓今回の新月も非常に強力でした。
私の中でも、ツインレイとは本当に究極の愛なのだとさらに実感する大きなブレイクスルーがありました。
次回の何万年先まで統合を取っておくのもその人の楽しみ方だとは思いますが、今回の地球でツインレイに出会い、この究極の愛を体験したいという方には、まだまだmeetooにお手伝いできることがあります。
それは同時にハイヤーセルフたちにとっても悲願ですが、あなたの許可なくして統合への道は拓けません。
(また、残された時間にあまり猶予はありません。)
余計なお世話かもしれませんが、これは是非皆さんにも味わっていただきたいほどの、二極を超えた愛です。ですが残念ながら、気合いと思考で行き着こうとしても絶対に無理です。エゴと癒着したイマジネーションでは限度があります。また、申し訳ないけど自力では正直かなり浅いところまでしか行けません。(自力でブロックをこじ開けられる方はほとんどいませんし、まずブロックそのものに気づきません。)
meetooに来てみてください。そして、今まで愛だと思っていたものを遥かに超える深い愛の統合を、今世で是非叶えてください。