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第35話 約束


『魂の帰り道のルートは一人一人オーダーメイド。
みんなそれぞれ。』

そろそろ寒さで布団から出るのが億劫になってきた頃、まだその離れがたい温もりに包まったまま、スマホで開いたパイロットにこの文章を見つけて、胸の奥に込み上げてくるものを感じた。

そうなの。一人一人違うの!

何故だかわからないけど知っているこの感覚は、今は思い出すことができない懐かしい故郷への帰り道の切符のようで、恋しさが絡んであたたかく切ない。

そんな感覚に浸っていた次の瞬間、そのブログでかつて紹介されていたアーティストの曲が、頭の中で勝手に自動再生されてきた。一度思い浮かべてしまったら堪らなく聴きたくなり、音楽アプリを起動させ、最新購入履歴からその曲をピックアップする。

『ようやく見つけた僕の希望
二人で必ず辿り着こう
まだ誰も知らないあの場所へ帰ろう』

大天使ミカエルのサインを持つ韓国のバンドの男性ボーカルが、優しい声と巧みな日本語でこんな内容の歌詞を歌う。目を閉じてその歌に耳を傾けていると、さらにビジョンが浮かんできた。

ストレッチャーに乗ったお爺さんが一人、病院のリハビリルームに運ばれてきた。お爺さんはある一点を指差している。
そのシワシワの指先を目で辿ると不動さんが立っていた。そこで今度は、改めて不動さんに意識を向ける。

「やっぱり、あなたがそうなの?」

すると何故だか不動さんもまた、空中の一点を指差した。けど、そこには何もない。

「不動さん、何を差しているの?そこに何があるの?」

返事がないことを疑問に思い目の前まで行ってみると、指を差したポーズのままで彼は完全に固まっていた。
顔の目の前で手をヒラヒラと上下させ、私の存在をアピールしてみたけど、時が止まってしまったみたいに不動さんはそれ以上動かない。私のこともまったく認識できていないようだった。
そこで今度は、示された空間そのものに意識を集中させてみた。するとそこに……

粒子が密度を増すように、一人の男性が現れた。後ろを向いて立っている。

「この人?」
もう一度振り返って聞いてみようにも、やはり不動さんはさっきの状態のままで固まっていた。

一瞬だけどうしようかと迷い、結局思い切って、その男の人の肩を軽くトントンと叩いてみた。
背が高い人だな……。

ゆっくりと、その人がこちらに振り向いた。
どんな顔をしているのか表情はほとんどわからないけど、それでもしっかりと見つめ合った。感情は完璧に凪いでいて、「無」に近いほどまっさらで何もない。そしてお互いに、どちらからともなく両手を取り合った。

すると、繋いだ両手の内側の、二人のお腹のあたりから、徐々に星空が広がってきた!

宇宙空間は瞬く間に広がって、私たち二人も飲み込まれてしまう。そしてやがては私たち自身も宇宙と同化して境界線がなくなり、自分そのものもなくなり、宇宙も、この彼も、完全に一体となり溶けてしまった……。

私は……私とこの彼は、個の区別もなく宇宙のすべてだった。宇宙は、「私そのもの」だった。
たくさんの星が浮かぶ宇宙そのものが私たちで、私とその人はひとつなる宇宙だった。
私は、宇宙だった……。

ビジョンが落ち着いて、意識がこちらに戻ってきた。
気づかないうちにいつの間にか、頬から涙が伝っていた。枕の一部が濡れていた。



written by ひみ

⭐︎⭐︎⭐︎

実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説(笑)、ぜひお楽しみください。

⭐︎⭐︎⭐︎

統合の最後は、彼に対して喜怒哀楽などない。
喜びやときめきも、ない。
在りて在る、
自己愛と、自分への絶対的信頼。
だけどそれらももはや、どっしりした芯のようで、
敢えて感じるようなものでもない。

(読んでるエゴ諸君よ、怖がらなくていいからね。
エゴにとって、経験したことがないことは
怖くて当たり前。
だけどぜっったいに大丈夫だからね😊
突き進んでおいで笑)

それと近々アメブロで、このときの曲を紹介予定!
そちらもよろしくね。


今までのお話はこちら

36話はこちら


※それから、高次元からのメッセージ。
4月の段階では私とけーこが「お前ら遅い!!」と言われていたんですが、

現在私がみなさんに「遅い」と言わされ焦っています。
本当に、時間がないよ!!
近々エネルギーがガラッと変わってしまう。
篩い分け(ふるいわけ)の時、地球はあなたの行動の星。
meetooセッション、とにかく利用してとのことです。

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