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第57話 記録と記憶


体育祭や校外学習といったいくつかのイベントごとでさえ、今年は私に無慈悲だった。去年はあんなに話せたのに、子供の担任から外れるというだけで、こうも関係性が薄くなってしまうものなのか……。

偶然スサナル先生に会ってから、約ひと月も経ってしまった。その時に彼から借りた本たちも未だに私の手元にあった。「またお喋りが盛り上がったりしないかな」などとバッタリ会えることを期待をしつつ、読み終わった日から紙袋に入れて持ち運んではいたけれど、なかなか返す機会に恵まれずにいた。

「僕は本なら何でも読みます。読書に関しては本当に、雑食、雑読なんですよ。」
そう言いながら今回貸してくれたのは、龍神譚(たん)から派生していくシリーズ物のファンタジー。池や湖の龍の怒りを生贄の娘が鎮めていく、日本人には馴染み深い昔話がベースに織り込まれたものだった。

前作と今作に張られた伏線を、先生も見破ったりしたのかな。そんなことを考えながら本の表紙を眺めていたら、パールホワイトの箔押しの龍の鱗に訴えかけられ、先日見た夢の顛末を思い出した。

…………


家のリビングのカーテンを開けると、いつもの雑然とした庭の代わりに立派な日本庭園が広がっていた。本来であれば、隣地との境界線の植栽があるだろう場所には、一本の松の木が聳え(そびえ)立っていた。
その松の根本には小さな白蛇が丸まっていて、私の姿を認めると、地面に近い空中で“でんぐり返し”のように前転を始めた。蛇は一回り大きくった。再びくるんくるんと回転すると、その度ごとに体が大きくなっていく。色つき綿あめのようなパステルカラーの空の下、松の木くらいのサイズとなった大蛇の鱗からはキラキラとプリズムが放たれていて、なんとも不思議な光景だった。

数日後、けーこに電話でこの夢を話したら、その途端にスピーカーの向こうから叫び声があがった。
「ひみ、それだ。龍が揃った!」

なんでも彼女はここのところしばらく、赤龍(せきりゅう)である「火トカゲ」や「サラマンダー」を調べ“させられていた”らしい。

「ひみあのね。
富士山の龍神を祀る神社の赤と白の龍が、それで揃った。ひみの夢では蛇だったかもしれないけど、そいつの正体は龍なんだ。そんでその、赤と白の龍は火と水で対になってて、これから螺旋状にまぐわっていくの。
それがまだ何を意味するのか、そこまでは今んとこわからないけど。」

紅白の龍、火と水、富士山の神社……。
赤と白で富士というなら、イワナガヒメとコノハナサクヤヒメの姉妹のことを指すのだろうか……。

今となってしまっては、あらゆる二極のはじまりの、遥か昔のスタート地点がいつからだったかまで知る術はない。私たちがそれを思い出すためには、あまりに記憶が曖昧すぎて、あまりに記録が膨大すぎた。

とはいえこの双龍がいよいよ姿を現し始めたということはつまり、この「記録」の答え合わせができるようになるまでも、もうそんなに遠くないということでもあった。

二つの龍が、目覚めの時を待っていた。



written by ひみ

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実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説(笑)、ぜひお楽しみください。

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昨日のけーこの記事、なんじゃ!?笑
きついわー、まったく悪魔だわ笑
(あえてリンク貼らないよ。)

でもあれはね、ツインレイいいなー自由な生活いいなー羨ましいなーって思ってるのに、
「やらない言い訳探してない?」ってことなの。
「meetooのセッションて何やるの?よし、わかったらやろう。あたまで理解してから申し込もう。そうしよう。」………

私たち今までも、相談されたからアドバイスしても、それでもやらないって人たち見てきたんだよ。
人は、体が先にできて脳は後からできるって知ってる?
「理解したら行動しよう」って、人体無理なのよ。
「行動しないと理解できない」ようにしか作られていないの。
まずやってからじゃないと(体)、やる気スイッチ(脳)って入らない“作り”にそもそもなってるの。
やってはじめて、あたまが理解するの。

どうしてけーこがあそこまで言って「ケツ叩かなきゃいけないか」。
耳が痛いことを言ってくれる深い愛を知りなさい!笑

ひみさんやけーこさんみたいになりたいですって言ってくれた方ありがとう。(けどそれ誰の何のためのセリフだい?)
そんなこと考えるよりも、がむしゃらに勇気出して会いにきてくれた方ありがとう。
両者の違いに優劣はつけないけど。
「風の時代」は完璧に理解するのを待ってる時間などないと、散々発信してるけど。

どれほどドキドキ緊張しながら申し込んでくれてるのか手に取るようにわかるから、来てくれたら、あなた方のこと、私たちが全力で受け止める!
それはもう、meetooはじめた時から私たち二人、あなた方が思ってる以上に本気で腹括ってるんだよ。
そのために今meetooがあるよ!
meetooとは処方。来てくれない人には、私たちも「あなたにはこれが必要です」ってわからない。
熱なの?怪我なの?痛みなの?
症状を見せてもらわないうちに、処方箋は出せないの。

やるのは、変わるのは、あなたを幸せにできるのは、
あなたしかいないんだよ。

2025/1追記:
あのねぇこの赤と白の龍、この先読めばわかるほどには大きく展開したから当時こんな風に書かされていたけどね。
24年の年末から、またちょっと「双龍、謎解きシーズン2」が動き出しちゃってるっぽいんだよね。
ね、統合にキリなんてないんだよ。やらないと進まないだけの話よ。そこ自覚しないとみんなやべぇやべぇ。(シーズン2、記事化まではしないよ、念のため。)

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今までのお話はこちら

番外編 スサナルとあきら1はこちら

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