第161話 誰にわかってほしかったの?
集合意識の闇に飲まれるとは一体どういう状態か。
よく小学生の理科で行われる豆電球の実験を思い浮かべてみてほしい。用意するのは最低限、豆電球と乾電池と、それから導線とスイッチ。これらを直流に組み合わせ、スイッチを繋ぎ合わせると電球が点くという簡単な仕組み。
そしてこの時、豆電球があなたで、乾電池が、あなたが持っている四次元の闇だとすると。
浄化スイッチにフォーカスすることによって、四次元から出てきた闇が、電球の点灯というエネルギーに変換されて昇華されていく。それに伴って電池残量は目減りし、やがては闇が軽くなっていく。その時の電球の大きさは、どれほどの闇を引き受けられるかといったあなたのキャパということになるだろう。
ところが集合意識にアクセスすることとは、この乾電池の代わりに車のバッテリーのような大容量の闇からちっぽけな豆電球に電流を通すことに似ていて、しかもその出力は容赦ない。イメージ上の話として、小さな乾電池とは圧も量も桁違いだということがわかってもらえると思う。
その時ハイヤーセルフという異次元変圧器が組み込まれてそれが正常に作動すれば、たとえ豆電球であっても潰れてしまうことはない。けれどももし、それが機能していないとすれば……
尽きることなき集合意識に無防備にアクセスしてしまうと、肉体的には薬を飲んでも効かないほどの激しい頭痛や嘔吐、発熱、湿疹、骨や内臓の痛みなどに襲いかかられ、感情面でも眠気と共に、出口のない無気力感はじめ闇感情に陥る羽目になる。
このころ、朝起きると時々地球の意識に自らアクセスしていた私は、日によっては彼女の愛に触れ、交流し、会話ができる日もあることを喜んでいたのに、中には繋がった瞬間にドバッと闇が押し寄せて、一瞬で頭痛が始まり慌てて蓋を閉じるなどという日もまたあった。
セッションの冒頭、「地球自身の闇に繋がってしまうのは私が未熟なせいなのか」と宇宙子さんに聞いてみると、「ひみさん、もうそんなことやってるの?」と派手に笑われた末に、その答えを教えてくれた。
「今、彼女自身がアセンションのためにとても不安定だから、それはひみさんの問題ではなくて地球自体の問題のほうが大きいんだと思いますよ。地球全体が転換期でどうしようもないんだと思う……。」
そんな雑談を経たその日のセッションのテーマは、ヤマタ先生と癒着しているトカゲに焦点を当てていくことに決定した。
最初にこの愛すべきレプティリアンとヤマタ先生との憑依が洗面所で同時に現れた時、私が先生のことをトカゲ人間だと思い込んだ理由はこの“癒着”にこそある。
通常の人間の持つ能力を超え、力を供えた霊体、霊障としてヤマタ先生が私の前に立ち現れたのは、彼ら二人が共通の闇を持っていたことからシンパシーが発生し、憑依体としてもハイブリッド化していたことが原因のようだった。
トカゲの持つ深い闇を視ていくと、『淋しさ』といった感情が真っ先にあがってくる。その上でこの爬虫類に向かって続けて質問をしていった。
「あなたが淋しさをわかってほしいのは、誰に対して?」
頑なに、口を真一文字に結んでいる。
「あなたのお母さんに対して?それともお父さん?友達?好きな人?
誰に気づいてほしかったの?」
……二分、三分と時が過ぎる。一体他に誰がいるのだろうと、懸命に思いを巡らせる。
「うーん。あなたが誰に対して淋しさをわかってほしいかわからないわ。けど、もしも誰かに聞いてほしいというなら、私にあなたの淋しさを教えてくれないかな。」
そう言った瞬間、ふわーっと“この子”の心が融解していくのがわかった。そして続く宇宙子さんの言葉に、納得したのと共に恥ずかしさを覚えた。
「そう。“ひみさんに”、わかってほしかったんですよね。」
だけどその意外すぎる言葉に対して、次は疑問が湧いてくる。果たして私とレプティリアンとの間に、個人的な繋がりなどあるのだろうか、と。
それを少しずつ紐解いていくと、なるほど、この子のセッションが今日まで持ち越しになったのは、私の宇宙意識がある程度開いてからじゃないと駄目だったのだということがわかった。
……
ここからは、セッション時の内容のみならず、その後私が拾った情報で補完しながら少し書いていきたいと思う。
また、これはごく普通の人間だと思っていた自分がそうではなかった話でもある。ただ、あなたにもその可能性はある。受け入れ難きを一蹴(いっしゅう)するのは簡単だけど、自分のルーツを探る意味でも多角的視点を持って読んでみてほしい。
(参考)
第124話 『ヒカリトカゲと』
written by ひみ
⭐︎⭐︎⭐︎
実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説(笑)、ぜひお楽しみください。
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つづく笑
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←今までのお話はこちら
→第162話 アヌンナキとレプティリアン