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めえこ / ame
2022年9月14日 06:57
満月の夜。 少女は艶のあるチーク材で作られた机の引き出しの中から、一通の手紙を取り出した。黄ばんだ色をしたその手紙は月の明かりに照らされ、より一層不気味さを増している。 宛先に書かれている住所に見覚えはなく、少女は不安に思いながらも出かける準備をした。 「宵町月乃一丁目?」 しばらくすると黒い雲が月を覆い、雨が降り出してきた。 少女は傘も持たずに、宛先の住所を調べるため郵便局へと