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「みんなのどうぶつ園」で誰かをケアする姿に癒される
土曜日19時は日本テレビ系列の「I LOVE みんなのどうぶつ園」をよく見る。この番組は「天才!志村どうぶつ園」の後継であり、その名のとおり動物を取り扱ったバラエティ番組。土曜夜に老若男女が安心して見られる内容といえよう。そんな中でも
・サンシャイン池崎による保護猫預かりボランティア
・相葉ちゃんの保護犬トリミング企画
上記2本が放送されるときは"当たり回"と言っていい。逆にその企画がないときは「えー。今日は池崎の保護猫やらないの」といったローテンションな会話が我が家ではなされる。
先日、2月5日に放送された2時間スペシャルではこの企画を余すことなく放送してくれたので、本当の意味でスペシャル回だった。それに加え赤井英和一家の保護犬預かりボランティア企画まで始まり、「こ、こんな一気にいいんですか‼︎」と幸せ貯金の残高が一気に減るような興奮に見舞われた。
サンシャイン池崎が保護猫を預かるのはもう4匹目に突入しており、人気のコーナーであることがうかがえる。池崎氏の猫好き芸人としての活躍はすでに有名かもしれないが、彼が飼う風神と雷神(以下:風ちゃん/雷ちゃん)という2匹の猫たちも元は保護猫だ。引き取った先の保護施設には今も新しい飼い主を待つ猫たちがたくさんいる。そんな猫たちが人に馴れるよう、預かりボランティアを行なっているのだ。
まず池崎の芸風を思い出して欲しいのだが、タンクトップ姿で絶叫してその場を沸かせるというものだった。しかし家の中に置いた定点カメラに映るその姿は、とことん地味で普通。声は一切張らず、猫を愛で、話しかけ、餌をやり、漫画を持って飲み屋に行くこともあれば、ゲーム配信をした後はエゴサをしたりする(生真面目さが伝わる)。その様子は淡々としたナレーションで"ただの猫好きおじさん”として語られ、その飾らなさは企画というより誰かの私生活をVlogとして眺めている感覚に近い。
(現在は豆大福という子猫を預かっている。とてもかわいい)
先住猫の風ちゃん雷ちゃんもとてもいい子たちで、撮影スタッフや芸人仲間が来訪しても全く物怖じしないようだし、新しい猫が来ても教育したりじゃれたりしながら自然と環境に慣れさせていく。池崎も預かり猫がなかなか慣れず、シャーっと牙をむかれても、絶対に無理強いはしない。猫のペースに合わせ「もうちょっとっすかねー」とか言いながら近づいてくるのを待つ。ここに、この企画を見ていて癒される理由がある気がする。
相葉ちゃんの保護犬トリミング企画では、多頭飼育崩壊などで伸びきってしまったり、汚れてしまった犬の毛を、トリマーさん指導のもと相葉ちゃん自身の手で綺麗にシャンプーしてカットもしてあげる(!)のだが、相葉ちゃんの犬に対するいたわり方、優しい声のトーンには、泣きたくなるような優しい気持ちにさせられる。「ごめんね、嫌だよね」「大丈夫、怖くないよ」「かわいくしてあげるからね」。
このコーナーに犬好きゲストとして福士蒼汰くんが登場した回は、イケメン俳優代表というイメージからは予測できないほどキャラクターが変わった猫なで声(犬だが)を発しており、思わず笑ってしまった。(裏声で「あら〜〜〜!!かわいいね〜〜〜〜」というようなやつ、マスクをしているため、喋ったのが福士くんの声だと思わなかった)。俳優の佐野勇斗さんが保護犬・ウォンカと共同生活する企画もあるが、緊張してトイレがなかなかできなかったウォンカがやっとできたとき、粗相してしまったものの、佐野さんはペットカメラから見守り、心から嬉しそうにしていたし、ウォンカがびっくりしないように、床と同化しようと近くで寝そべったりする。
セルフケアとかケア労働といった言葉をよく聞くようになったおかげで見えるものがたくさん増えた気がするが、動物のお世話をするのも他者へのケアのひとつと言えるだろうか。動物たちのペースをできるだけ尊重し、ナチュラルに思いやりを持って接する姿はひとを癒す効果があるのだ。
過去の放送回ではドッグトレーナーの学校に通っていたこともあるというロッチの中岡が保護犬と過ごしたり、ハムスターの“はむはむ”を溺愛するマヂラブ・野田がはむはむの為に専用テーマパークをクリエイターに作ってもらったりしていた(確か25万円ぐらいかかっていた)。雨の中で段ボールに入れられた子猫を拾うヤンキーはかつての少女漫画の定石だったが、さらにその先の、責任感と慈しみを持って動物をお世話する姿ーーー「I LOVE みんなのどうぶつ園」を通じて、いわゆる男らしい姿とはまた違う、その人の新しい魅力を知るのだ。
ただ他の企画で、動物との距離感に疑問を呈する声が視聴者から上がっているのを見たことがあるので、番組の内容全てを手放しに賞賛できる訳ではないことも付け加えておきたい。
また、赤井さん宅の保護犬企画に対しては、犬の観察というより、赤井さん観察日記になりそうな気配がぷんぷんしていて、それはそれですごく楽しみ。