大人の目を見なくなった息子…
「お母さん…!!ちょっと来てください。」
稽古中、息子の剣道の先生にいきなり呼ばれた。
体育館の端に急ぐ。
開口一番、
「息子さん、何か障害があるんですか?」
今、自分の心を落ち着かせるために、noteを書いています。
これで何回目だろう…。
剣道の先生が言いたいことは、わかっている…。
私の友達にも、学童の先生にも同じ事を言われた。
5月に起こった出来事以来、息子は大人の目を見なくなってしまった。
大人が息子と対話をしても、その大人の目を息子は見ない。
どうして大人の目を見ないのか
息子に聞いた。
それは、
大人が信用できない、
そして、怖いからだそうだ。
きっかけは、息子と同級生の近所の女の子のお母さんが小学校にした電話だった。
電話の内容は、
下校途中に、1年生の息子が、5年生の男の子の手を噛んでツバを吐いたという内容だった。
この女の子の母親が、自分が見たわけではないが、帰宅した子どもから話を聞いて電話をしたという。
この電話の直後、いきなりの家庭訪問が始まった。
息子の担任から、息子の行為に対する謝罪を、5年生の男の子の家にするように言われた。
その日の夜に、私は、その5年生の家に行き、謝罪をした…。
謝罪をしたが、何か腑に落ちない…。
1年生の息子が、コロナ禍でほとんど学校にも行けず、学校にも登校班の子達にも慣れていない状況下で、息子自身の意思でこんなことを本当にしたのだろうか?
いくらわんぱくな息子でも、自分より大きな身体をした5年生にそんなことを自ら進んでするとは思えない…。
息子に何度も聞いてみたが、うつむいて無言だった。
家庭訪問の数日後、担任から電話があった。
「今日の登校班会で、みんなの前で○○君を謝らせましたので。」 (○○君とは、息子のこと)
確かに息子の行為は問題があったことは間違いないが、何か一方的に決められすぎている感じで恐怖を覚えた。
この事が原因なのかどうかはわからないが、同時期に地域の子ども会から嫌がらせを受けた。
田舎の村社会で、同調圧力が半端ない。
私達親子に降りかかった災難は、
問題児というレッテルだった。
レッテルをはられたことにより、息子は大人の目を見なくなった。
それから1ヶ月半後…。
登校班の3年生のしっかりした女の子から、話を聞くこととなる。
息子は5年生の男の子に下校途中に後ろから激しく押されたり、蹴られたりされていたそうだ。
そして、「悔しかったら噛んでみろ!!」と言われていたらしい。
この事を知って、校長に手紙を書いた。
3年生の女の子から聞いた事や、息子が大人の目を見なくなった事、5年生の男の子からも息子に謝ってほしいと伝えた。
本来であれば、担任に連絡するのだろうが、今まで何回か担任と別件で話をしたことがあったが、いつも一方的でよく確認もせずに物事を断定したり、こちらがAのことについて言っているのに、Dのことについての返答をしたりされて、うまくかみ合わないし、ピントが合わないためである。
私が伝えたいことを理解して貰えるのが難しいのではないかとも思ったため。
校長からの返答は、3年生の女の子から聞いた内容は、もうすでに聞いて、解決済である。
息子に対しても、5年生の男の子から謝ったという事だった。
衝撃的だった。
それならば、どうして、学校はそのことを私と息子には教えてくれなかったのだろう…。
息子には、登校班会でみんなの前で謝らせて、私は学校の指示で5年生の男の子の家に謝罪をした。
確かに、手を噛んでツバを吐いたことは悪いことであり、謝ることは当然である。
が、しかし、その後のことを何も連絡してこなかった学校…。
謝罪するように指示だけしておいて、その後にわかった事については、いっさい連絡なし。
フェアではない…。
無性に腹がたった。
そして、息子に何度聞いても、
「絶対に謝ってもらっていない」
と暗い顔で言う。
どうしても5年生の男子から謝ってほしい。
5年生の家にも知らせてほしい。
そんな想いから、再び、校長に電話をした。
「息子にもう一度聞きましたが、やはり謝ってもらっていないそうです。」と、私。
校長、「もう、勘弁してもらえませんか!」
その返答に凍りついた…。
それ以降、未だに、まだこの事件を忘れられない日々を送っている。
そんな悶々とした日々のなか、先週、息子が頭に怪我をする事がおきた…。
学校でクワを振り回していた子のクワの刃が、息子の頭を直撃…。
出血しているにも関わらず、息子は小学校では先生に伝えることはできなかった…。
学校の後、そのまま学童に行って、学童の先生にようやく伝えることができた…。
小学校で、変な遠慮をした息子…。
この事から、あの事件の、
「謝ってもらってない」
ことを確かめようと思った。
もう小学校は、あてにはならない。
直接、5年生の男子の家に行って訳を話した。
祖母が対応して下さった。
「明日の夜までに、必ず父親から電話をさせます。」
とのことで、誠意ある対応をしていただいた。
相手方が指定してきた夜まで、電話を待っていた…。
でも、結局、電話はなかった…。
気持ちをおさえることができず、翌朝、もう一度、5年生の男子の家に行った。
大人は誰もいないようで、5年生の男子と話すことができた。
息子に対しては、
「謝っていない」
とのことだった…。
息子に対して謝ってほしいと、この5年生に伝える気力は、もう私にはなかった…。
疲れ切っていた…。
学校に嘘をつかれたり、いい加減な対応をされたこと、地域の村社会の偏見、5年生の男子の家から電話がなかったこと…。
よく確認もせずに、子どもの言っていることを鵜呑みにして学校へ通報したオバサン…。
学校と地域に失望している…。