帰化申請をした話
帰化申請をすると決めてから約2ヶ月、行政書士の先生付き添いのもと、法務局へ行ってきた。法務局の国籍課へ行くと、そこには病院のようにカーテンで仕切られた相談ブースが複数あり、相談員が忙しく対応をしている。
待合スペースには順番待ちをしている親子と、赤ちゃんをあやしながら家族を待つおじいちゃんの姿があった。それぞれ事情を抱えてここにいるわけだが、相談員からすれば毎日次々とやってくる外国人の書類を精査する、単なる作業なのだろう。
すぐに私の番が来て、狭いブースに案内された(個人的にはスペースの使い方に無駄がなくて好き)。行政書士の先生はさっそく書類の山をリュックから取り出し、相談員に渡した。
行政書士の先生も相談員の方も、手慣れた様子で次々と書類の確認を進めていく。私はただただ呆然と自分の生い立ちや身分に関する様々な書類の山を眺めていた。これは到底一人で集めて整理できる書類の数ではない。この世に私に関する書類がこんなにも存在するなんて、なんだか圧倒されてしまった。
あっという間に書類の確認と申請手続きが終わり、今後の流れについて説明を受けた。相談ブースに呼ばれてからここまで約30分。改めて20万円を支払ってでも、行政書士の先生にお願いする価値はあったと感じた。
最後に先生が細かくスケジュールの話をしてくれた。日本人配偶者がいると圧倒的に早く完了するらしいのだが、離婚をした私にそう言われても致し方ない。気長に待つことにする。
先生とはなぜかグータッチをして(笑) 私は晴れやかな気持ちで法務局を後にした。あれほど謎の葛藤があった帰化申請が、今は嘘のように安堵感に包まれている。