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にっぽんSAKE紀行 #283, 284 葛城(梅乃宿)、 泉佐野(庄の郷)
東京からの日帰り日本酒の旅、今回は関西国際空港からスタートです。
関西空港でJRの関空快速に乗って二駅目の日根野で下車。
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駅から歩くこと15分。荘の郷を醸す、北庄司酒造さんに到着。
お酒の名前は平安時代は荘園だったこの土地にちなんでいるそうです。
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蔵見学は10名以上ということで、ひとりのワタクシは直売店へ直行。。
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見ると、庄の郷ではないお酒が。。「上神谷(にわだに)」
堺市の山あいに天照大神が鳳凰に姿を変えて降臨したという伝承のある土地で、不耕起栽培の山田錦を使って醸したというお酒です。これは買わねば!
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日根野に戻って、JRの天王寺→近鉄大阪阿部野橋で、尺土に向かいます。
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尺度で御所(ごせ)行きに乗り換え。このルートは以前、油長酒造(風の森)を訪ねた時に使いましたので、今回が2回目です。
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最初の駅、近鉄新庄で降りて、炎天下を歩くこと約30分。ようやく、梅乃宿酒造の新しい蔵が見えてきました。葛城山をバックに威容を誇ってます。
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こちらでは事前に蔵見学の予約をしていました。日本酒の製造過程をガラス越しに見られるようになっています。この施設ができたのが今月で、仕込みは10月からなので10月以降に来れば、仕込みの様子を見ることができます。また再来年度からは四季仕込みを予定しているそうなので、そうなれば通年拝見できますね。
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びっくりしたのは、麹室がガラス張りになっていること。しかも目の前で!ガラス張りの麹室は他でも見たことがありますが、これだけ近いところはなかったと思います。種切りのシーンなんかを直に見られたらラッキーですよね。
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見学の後は、お待ちかねの試飲タイム。お酒の解説を聞きながら、これだけ利かせていただきました。。
どれもうまい。。
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甲乙つけがたいお酒ばかりでしたが、悩んだ末に雄町の純米大吟醸をチョイス。見学のお土産に桝と利き猪口をいただいて、ご機嫌で蔵を後にしました。
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さて、梅乃宿の見学を終えて次に向かったのが、當麻寺(たいまでら)。中将姫の伝説で有名ですね。
中将姫物語(あらすじ)
奈良時代、貴族の娘として生まれた中将姫は、美しく清らかな心をもつ女性であった。しかし実母の死後、継母(ままはは)に疎(うと)まれ山中で殺害されそうになる。純粋な中将姫は助けられ山中で育つが、偶然父と再会し都に戻る。その後中将姫は當麻寺で出家。極楽浄土への思いを募らせていると、阿弥陀如来と観音菩薩の化身が現れ、蓮糸で當麻曼荼羅を織りあげ中将姫に極楽の姿を示す。そして中将姫は29歳のとき阿弥陀の来迎を受け無事極楽へ往生する。(国立奈良博物館のHPより)
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ところが、暑さの中をたくさん歩いたのとお酒の影響で、もう動けません。。。なんとか、御本尊にお線香をあげるだけでお参り終了。
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帰りがけに、名物の中将餅を買おうと思ったのですが、7月末までおやすみとのこと、残念。。。
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暑さにうだってしまったので、近鉄電車で阿部野橋に戻って、コメダ珈琲でしばし休憩。。。
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元気が回復したところで、本日最後の目的地、「松宮」さんに伺いました。
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この日は直前まで午後の貸切だったそうですが、ワタクシの滞在中は他のお客さんはいらっしゃらず、ご主人と色々とお話することができました。(ラッキー)
お酒は好みだけ言って、お任せにします。
まず最初は、長野は伊那の斬九郎 特別純米酒 芳醇辛口 美山錦。
やはり、その日の口開けはスッキリしたものがいいですね。スパッと斬れる味わい。。
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突き出しも凝ってますね〜。手の込んだお料理と日本酒って、月島の味泉や四谷三丁目の萬屋 おかげさん あたりから本格的になったと思いますが、良いお店が増えましたね!
味のバリエーションが豊かで、食べているだけで、次のお酒を呼んでます。。
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二杯目は悦凱陣 純米吟醸 青ボトル 山田錦。瓶を見た瞬間に、なんだかわかる自分がちょっと怖い。。
ご主人と金毘羅さんの話がはずみます。
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椀ものには、土用の丑が近いこともあってウナギをいただきました。うなぎの脂と出汁のうまみがすごい。。
続いては、お造り。かぼちゃに載せた刺身を醤油の実とわさびでいただきます。。綺麗な色合いが味を引き立てますね。
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お酒も忘れていません。少しボリュームのあるお酒をリクエストして出していただいたのが、月夜見 特別純米酒 参宮 雄町。
三重の名張のお酒だそう。。初めてのお酒です。まだまだ知らないお酒があります。。。
名張から而今で話が盛り上がります。。(月夜見さん、すみません)
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いよいよ料理も終盤。焼き物は鱧とイサキ(だったような。。)(すみません、もうちょっと料理をメモしておけばよかった。)
そして、酢の物は冷凍ミニトマトのビシソワーズ風ジュレ掛け(すみません、すみません。。細かいところを忘れてしまった。)
もう、見て美味しく、食べて美味しく。。もうこれ以上は書けないので、気になる方はお店に行ってください。
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最後に炊き込みご飯をいただいたのですが、もう写真を撮ることも中身の説明も忘れるくらいの桃源郷。。。
それでもしっかり日本酒をオーダー。最後はしっかりしたお酒が欲しいとお願いして、出ました! 不動 純米原酒 古酒2002
ここで千葉のお酒に出会うとはちょっと意外。ナイスチョイスです。
お酒は定期的にご主人が試飲して選ばれてるとのこと。選ぶ時もブラインドで、ブランドに影響されないようにしているとのこと。これはお酒のバリエーションを見ても納得です。
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ということで、結局予定の時間ギリギリまで話が弾んでしまい、天王寺まで走る羽目になりました。。
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いかがでしたか、東京から関西空港を起点にした大阪と奈良の旅。。炎天下のてくてく歩きはチャレンジでしたが、しっかりご褒美をいただいた感じになりました。