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高野山の宿坊に泊まるひとり旅(2日目)
家のことは全部放り出して、ひとり旅に出たい〜!…そんな思いが高じて、高野山にやってきました。想定外の大雪に慌てた1日目の様子はこちら。
***
高野山2日目。
宿泊した清浄心院では、6時30分からの朝勤行に参加できる。霊牌堂に集まり、お坊さんがお経を唱える後ろに座る。けっこう長く、体感的には30分〜1時間近くあったような…。
その後に朝食。もちろん精進料理。
部屋に戻ってから昨夜の写経の続き。
残ってる部分は、
般若心経
右為 報恩謝徳 世界平和
願意
と薄く書いてあって、その後に住所氏名などが続く。
「願意」の下には自分の願い事を書くみたいで「心願成就」に決めた。けど、その前の行には「右為」の下に「報恩謝徳」「世界平和」と2つある。
もしかして、もう1つ書いていい?と「商売繁盛」も追加してみる。
・・・
!!あぁぁ〜!!
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「繁」の字、間違えた!!
繁盛はんじょう…と思いながら書いたら混ざってもうた。
悩んだ挙げ句、取り消し線を引いて書き直した。
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家に帰ってから調べたところによると、願意は1つに絞るべきだったみたい。
こんなところに欲深さが現れてしまった。
チェックアウト時に写経を渡すと、自分で納めますか…と、霊牌堂に連れて行ってくれて、阿弥陀様の前に奉納。お坊さんが短いお経を唱えてくれた。
さて、いよいよ奥之院へ。
清浄心院は、高野山に51ある宿坊のなかで一番奥之院に近い宿坊。すぐ近くに奥之院の入口にあたる一の橋がある。
一礼してから一の橋を渡り参道へ。
10時前の早めの時間なので、参拝者はまばら。
立ち並ぶ高い杉の木立から落ちてくる粉雪に朝の陽光がキラキラと反射して、なんとも言えず神々しい。
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参道の両側には墓所、供養塔、石碑などがたくさん。
織田信長や石田三成など有名戦国武将の墓所、グリコやPanasonicなどの企業のお墓もある。
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聞いた話によると、弘法大師さまの近くに体の一部を置いておくと、死後も弘法大師さまが面倒を見てくれるとのこと。なので、いつどこでどんな死に方をするか分からない戦国武将たちは生前に墓を建て、髪や爪といった体の一部をそこに入れておき、これで死後も大丈夫と安心して戦に向かえたのだとか。
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化粧地蔵、姿見の井戸(のぞきこんで自分の姿が映らなければ3年以内に死ぬとの言い伝え…もちろん、のぞかずに通り過ぎてきた)、覚鑁坂(かくばんざか。ここで転ぶと寿命が3年もたないとの言い伝え…もちろん、転ばないように一歩一歩慎重に歩いた)、中の橋などを経て、御廟橋(ごびょうばし)に到着。
御廟橋から向こうは、さらに神聖な霊域になるので撮影は禁止。
弘法大師さまは今から1,200年前、世界平和と人々の幸せを祈るため高野山の地下に入り、そのまま今なお瞑想を続けていると信じられている。
その弘法大師さまがいらっしゃるところに御廟があって、本来ならその御廟の拝殿として燈籠堂があるんだけど、この燈籠堂が改修工事中(令和7年8月頃まで)で、中に入れなかったのが残念。
それでも御廟前まで行ける別の経路が案内されていたので、そちらからお参り。
奥之院参拝のあとはお昼ご飯。
ことぶき食堂で食べたジューシーな鶏唐揚げやプリプリの海老がおいしかった。
動物性タンパク質のありがたみに感謝。
メニューには精進料理もあった。
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そのあとは再び清浄心院に戻り、13時から護摩行体験。
護摩木(1本1,000円)に願い事を書いて炎の中に直接入れる。清浄心院の宿泊者は護摩木をいただける。
私が参加した回には、お遍路さんの衣装を着た団体さんも含め全部で60名ぐらいいた。お坊さんの背中を静かに見つめること約30分、ようやく炎が見えてきた(タイトル画像)。しばらくしてから、みんなで順番に護摩木を投げ入れ、合掌。
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これで高野山でやりたかったことは、ほぼ全部できた!
あとは、お土産。
家族へは、開運グッズを1人ひとりに。そして和歌山といえば那智黒(和歌山の祖父母宅には必ず缶入りの那智黒があった)。あと、私が生麩まんじゅう大好きなので、麩善の笹巻きあんぷを購入。
はぁ〜…楽しかった〜…
***
結婚以来、初めての宿泊ひとり旅でしたが、これ以上ないぐらい満喫しました。
反省点は、終始なんとなく浮わついていた点。写経も間違えるし…。神聖な場所なのだから、もっと落ち着いて過ごしたほうが良かったんじゃないか…などと今になって思います。
留守にしてた間、夫は洗濯、長男は風呂掃除、次男は晩ご飯…と、家事を分担してくれてたみたい。
快くひとり旅に送り出してくれた家族にも感謝です。
何十年ぶりかのひとり旅でしたが、家のことも仕事のことも忘れて過ごせた、ものすごく貴重な時間でした!!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。