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「厳しいけど自分の力で研究できるよ」の意味
「まともな指導をしてくれないので、自分でなんとかするしかない」の意味です。
いろんな研究室を渡り歩いていると、いろんな事情を見聞きすることがあります。時と場所は伏せますが、ある研究室に入った学生に、「なんで、もっと強く止めてくれなかったんですか!こんな研究室だったら、入るんじゃなかった!」と、2回ほど言われたことがあります。違う研究室で別々の学生にです。どこまで本気で言ったのかは、わかりませんが。
「研究室の選び方の罠」で、「進学希望者を選ぶ際に真剣な研究室主催者は、進学希望者を研究室メンバーと面談させ意見を聞くはず」「「学生が忙しくて進学希望者と話す時間がなかった」り、「研究室メンバーがいない」時間を指定したりした場合、研究室メンバーと話されるとまずい事情があるとみて間違いありません」とも書きましたが、進学希望者を研究室メンバーと面談させたからと言って、まともな研究室であるとも限りません。すでに研究室にいるメンバーは、生存バイアスがかかっていたり、研究室の文化に染まって(洗脳されて)いたりする場合もあるので、注意が必要です。脅すようですが、筆者が知る限り、日本の研究室の半分くらいは比較的まともです。
研究室訪問の際、進学希望者は「どのような研究室ですか?」とメンバーに尋ねると思います。研究室メンバーは「本当はオススメできないんだけどな」と思いながらも、新しい学生が入ってこないと研究室内の仕事が回らなかったり、いつまでも一番下っ端だったりするので、奥歯に物の挟まった言い方をするか、嘘は言わずに実情を婉曲的に伝えようとします。
モノは「言いよう」なので、表現によって悪い事も良い事のように言うことができます。他の例をいくつか挙げましょう。
きめ細やかな指導→事細かに管理される
卒業した学生は、みな伸びている→卒業できなかった学生も多数いる
研究の自由度が高い→指導者はノーアイデア・ノープラン
学生といっしょに学んでいきたい→知識・指導力がないので学生の能力任せ
自力で問題解決できる能力を育む→能力がない学生は振り落とす
その研究室が自分にあっているかどうかは、進学希望者の能力と性格しだいです。実際に研究室に入ってみないと、外側からは実情はわからないことが多いです。ですが、その研究室を選んだ責任を最終的に取るのは「あなた」です。いくら良い事を言われたとしても、「悪く言うと〇〇ということか」と裏の意味を考えて覚悟しておきましょう。
参考までに、搾取的企業の求人プレーズ言い換えパターン一覧をのせておきます。あなたの研究室選びが上手くいくことをお祈りしています。
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