
認知症と母について Vol.2
Vol.1でフォローしてくださった方、ありがとうございます!
続きです。今回は博多弁の語りで書いてみます。日本酒ちょっと飲んでしまったけん(笑)。
振り返り
認知症の異変に最初に気が付いたときのシーン、鮮明に覚えとってね。
実家の近くを姉の車で移動中に、三人で会話しとったら母がその日の行動をまるっと忘れとってね。はっとして、姉と顔を見合わせてしまった。明らかにこの忘れ方はおかしいけん。どきどきしたと。だって、父も認知症で家族のことさえわからんくなっとったし、まさか母も・・とね。
母はそのとき70歳だったと思う。まだ若いし、何でも一人でできるっちゃけど、別の事情(また後日書くけんね)があってデイサービスに通っとったと。その施設の利用者第一号というご縁やった。
施設の人に母の異変を相談したら、〇〇美さんが認知症?!そんなわけないやん、って一笑された。でもなんでそこを忘れると?という明らかにおかしな忘れ方やったとよ。家族だからこそわかるっちゃねって実感した。
当時、物忘れ外来は今ほどになくって、脳神経外科に行ったっちゃけど、最初は診断に至らず、半年後に診断されることになった。
姉も私も、進行をおさえたくて、認知症であることや、忘れたことを思い起こしてもらおうと必死に問いただてしまっとった。それは更なる母のストレスを生んでしまう、よくない対応だったことは、今はよくわかる。
私たち姉妹は母が認知症であることを受け入れられんかったしね。
だから、認知症になりたてのころは、不安の炎に油を注いだ状態で母は烈火のごとく怒り、暴言をはいて、ほんとなかなか大変な時期やったかも。東京から帰省していた私に、二度と帰ってこんでいいって稲妻のように身震いするほど激怒されたこともあったなあ。
結局ね、認知症であることはその後の10年以上の中で、一度も母は認めてないと。こわくて直視しないのかもしれんけど、認知症の進行が遅かったのは、それも1つとしてよいことだと思うっちゃん。忘れていることを思い知らせる必要なんてないよね。
さすがに、ここ最近はあまりの記憶レスに、「私おかしっちゃないかいな、どんどん忘れる」と母が不安がるけん、そのときは、「大丈夫、随分前から忘れとうよ、今始まったことやないけん、心配ないない」と言って大笑いしてる。
グループホームへの入所
10年以上お世話になっているデイサービスは、お泊りも快適らしくて、自分の家みたいと言うっちゃんね。ずっと慣れ親しんどうよね。本当にありがたい。でもね、デイサービスからグループホームに入所となると結構な心のハードルがあると。同じ建物の階が違うだけっちゃけどね。
母がもっと元気で色々判断できてた時期に、2階、3階には行きたくない、部屋が狭すぎていやとはっきり聞いたけんね。でも一昨日姉と電話して状況がわかり私ももう変化のときなんだと思えた。最後心配なことを確認したくて、昨日、施設に電話したらご担当が外出中で、まずは母がどう思うか聞いておこうと思ってね、電話で話をしたら、「絶対いや、もういや、このままがいい、もう何もせんで、死んでもいいけん」って悲痛な声で言われたと。そんな嫌がる母を無理矢理なんてできない、どうしようって動揺したよ。
そのあとで、施設の方と話をしたと。もうね、ぎりぎりですよって言われた。母の状態も姉の負担もね。
「熱が出たら規則でどうしても家に帰ってもらうしかなくて、お姉さんも仕事あるしぎりぎりですよ、これからどんどん増えますよ。自分も〇〇美さんにはできる限り今の状態を続けるのがいいと思ってましたが、身体が急に悪くなっているし、突然予期せぬ上の階の空きが出て、今を逃すと次はいつかわからないし、ラストチャンスかもと思う。私も後悔したくない。うちでは看取りまでやりますから。〇〇美さんは病院にいったらもう大変。絶対やめた方がいい」と。
私の帰省時には自宅に泊まって過ごしたいと言ったら、どんどんかえってきてくださいと言ってくださった。もう泣けるよ。本当に母のことを心底思ってくれたから噴出している言葉であるのが伝わったけん。
わたし、少し勘違いしててね、上の階に行ったら閉鎖的になるのかと思っとったんやけど、お食事や寝る時以外は、1階のデイサービスに自由に合流してもよいんだって。施設の在宅医の先生がとても良い先生だとも言ってくれた。漢方にも理解がある先生らしい。今、腹水の治療に漢方医にかかってて、効果はまだわからないけどもうちょっと続けたいけんね。それで、一旦全部これでいいんだなって思えたと。
姉に話したら、母に直接言わんほうがいいよ、施設でうまく言ってくれるよと。姉もグループホームで働いているからね。グループホームっていいとよ。そんな悪くないとよっとも教えてくれた。姉は私が納得することも大事に考えててくれたと。ずっと負担が大きかった姉の想いやりのある気持ちが有難かった。
おそらくあと1-2週間で入所になると思う。認知症のある方は、変化が特に苦手。私に人とっては、認知症のある母というよりも、どうなっても母だから、つい普通に意見聞きたいと思うんやけど、母を不安にするだけやったね。単に、1階に寝てるのを、上の階で寝られるよ、でいいもんね。実際そうやしね。
そう、とにかくスムーズに母の不安がなく、入所なんて重たく考えなくていいとよ。上の階に移るだけ。だめだったらまた考えるし。
3月には一度帰省して、お部屋の様子もみて、在宅医にも会って考えをお伝えしたいと思う。
わたし、しつこいので、まだまだ母の身体は回復すると思ってる。これまで何度も乗り越えてきたもん。またきっともう一度は一拍旅行もいけるよ。
また続き、ここに報告させていただきます。