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ヘルステック・デジタル技術関連ニュースまとめ 2024#7(2/12〜2/18)

この1週間に弊社Facebookページ等で紹介したヘルステック・研究・産業、ロボット・AI等デジタル技術関連ニュースをまとめて紹介します。
※ 記事のリンクが切れている場合は記事名で検索していただくとヒットする場合があります。
※ 過去のまとめはこちらのマガジンに。


今週の個人的注目トピックは

  • 診療報酬改定関連
    2月14日の中医協総会で出た改正案関連で、プログラム医療機器等指導管理料90点、導入期加算 50 点や大腸内視鏡診断支援AIがC2で60点加算など、デジタル医療の診療報酬についてのニュースがSNS等でも見られました。日本でのSaMD・DTx関連ビジネス戦略において保険償還は非常に大きな問題です。

  • Apple Vision ProとSora
    新技術という面ではジョリーグッドがVision Pro向けイマーシブ医療サービスを3月公開予定というのと、OpenAIが動画生成AI「Sora」を発表したのが大きなトピックでしょうか。

  • 認知症・要介護疾患関連AI
    認知症・うつ病・フレイルの早期検知・診断支援AI関連の取り組みがAIで目立ちました。




・医療AI

多すぎる「ChatGPTの誤診」が医療分野において意味すること | Forbes JAPAN 公式サイト (2024.02.13)

LLMを診断に使うことについて。
デジタルバイオマーカが確立したものじゃなければハルシネーションのようなものは出るでしょう。利用する側の問題だと思います。
AIはとても優秀なツールです。まずは文書作成補助などから活用を。

AI放射線治療計画支援サービスの社会実装を目指すアイラト株式会社がシードラウンド8000万円の資金調達を実施 (2024.02.13)

IMRTの治療計画の自動化・短時間化するAIサービス。東北大発スタートアップです。

2024年の米国における医療AI事情 (2024.02.14)

投資は活発、規制によるガバナンス形成も進み、ロビー活動も活発化。

FRONTEOと塩野義製薬、認知症・うつ病の診断支援 AIプログラム事業に関する戦略的業務提携契約を締結 (2024.02.14)

FRONTEOの自然言語処理AI技術を活用した、認知症・うつ病診断支援AI・医療機器の開発と実装を目指すそうです。

大腸内視鏡診断支援AI「EndoBRAIN-EYE®」が診療報酬の加算対象に (2014.02.14)

当然ながら今週は診療報酬関連のニュースが相次いでいます。
C2(新機能・新技術)で60点加算の方向性。

国立循環器病研究センターとNoel、Ridgelinezが共同でAIモーションセンシング技術を用いた認知症高齢者の歩容特徴を検出するアルゴリズムの開発と 社会実装に向けた取り組みを開始 (2024.02.15)

認知症診断・検知AIの開発が活性化しています。こちらは歩容分析。

国立循環器病研究センターとリージョナルデータコア「電力使用量データを用いた要介護リスクの早期発見に向けたスクリーニングAIの開発と展開」に向けた取り組みを開始 (2024.02.15)

https://www.ncvc.go.jp/pr/release/pr_41852/

こちらも軽度認知障害・フレイル早期発見AI。
電力消費量を特徴量として特定の日常生活活動の変化を読み取る感じでしょうか?

AIで「全身スキャン」を迅速化、予防医療の革命に挑むスタートアップ ただし専門家は懸念も | Forbes JAPAN 公式サイト(2024.02.18)

高度な予防医療か、過剰診断か。現在では後者のような気がします。
医療がフリーアクセスで低廉な日本では、有用性が確立していない予防診断に37万円はなかなか。
サービスとは別に「AIを使ったMRIの高速化」の要素技術だけは別途注目の価値があるのかもしれません。

進行がん患者の緩和ケア、AIでスクリーニング=名古屋大ら (2024.2.17)

医師によるスクリーニングより高い感度を示している点に加え、説明可能なAIであることもポイントです。

その結果、専門家が緩和ケアの必要があると判定した患者を取りこぼさずに特定する感度が95.8%に達し、既存の苦痛スクリーニングによる判定(80.7%)よりも優れた性能を発揮した。特異度(実際に必要性が低い患者を、必要性が低いと正しく判定した割合)や、陽性的中率(必要性が高いと判定した患者のうち、実際に必要性が高い患者の割合)の値も良好だとしている。

また、今回開発したAIアルゴリズムでは、予測で重要な役割を果たす変数を確認することで、判定結果に至る過程の説明が可能だという。

MIT Technology Review


・SaMD

「減酒治療アプリ」治験で有効性を確認、CureAppは薬事承認申請準備中 厚生労働省による「飲酒ガイドライン」公開が待たれるいま ~減酒治療と健康増進をより身近に~ | 株式会社CureApp (2024.02.13)

断酒治療から減酒治療へ。医療資源コストの削減にも貢献することが期待できますし、是非薬事承認→保険診療化へ。

「主要評価項目である登録時点から登録後12週時点までの多量飲酒日数の変化量において、通常診療と本アプリを併用する介入群は、通常診療と飲酒記録機能のみのアプリを併用する対照群に対して、統計的に有意な改善を認めました。」

CureApp プレスリリース (PR TIMES)


・DTx

2023年の国内DTx市場の調査結果を発表、76製品が開発中と推計:医療機器ニュース - MONOist (2024.02.13)

研究、開発が進んでいる国産DTx製品数は、2023年11月時点で76と推定。糖尿病、うつ病や不安障害、がん、慢性疼痛、心疾患が上位5つの対象疾患となっており、他にも多数の疾患が開発対象となっている。

MONOist


・医療DX

【セミナーダイジェスト】『待ったなし!医療機関のサイバーセキュリティ対策』をアクト公式YouTubeチャンネルで公開 (2024.02.11)

香川大学横井英人教授のご講演です。

TXP Medical、昭和大学・IQVIAソリューションズ ジャパンと共に病理レポート及び放射線レポートのデータ構造化システムを開発する研究を実施 (2024.02.13)

非構造化医療データを利活用可能データに変換する取り組み。
現代の油田から精製油を。

武田、「ハッカソン」で新システム開発へ  医療者や従業員のニーズに迅速対応、近く第1弾成果 (2024.02.14)

製薬のDX・DTx開発環境整備。
試作・製造設備無しで組めるアプリ系はハッカソンに適してるのかも知れません。

新薬開発にデジタルツイン技術 仮想の患者で臨床試験 - 日本経済新聞 (2024.02.16)

デジタルツインもデジタル医療領域での期待の技術です。


・フェムテック

LINEで完結!唾液による乳がんリスク検査サービスのEC販売開始 (2024.02.16)

唾液中のポリアミンを検出して乳がんの早期発見をサポートとのこと。論文探し中。


・ウェアラブル

VRで引きこもり者の家族を支援 ジョリーグッド、大塚製薬と共同で開発 (2024.02.13)

https://medical-tribune.co.jp/news/2024/0213561386/

家族に対するVR認知行動療法という新しい発想です。

腕時計型睡眠計測「アクティグラフセンサ ACCEL ATRIA」の医療機器登録完了 (2024.02.14)

スリープテック医療機器(クラスⅠ)。4月販売開始予定とのこと。
東大発スタートアップです。。

「空気イス」の姿勢なのにとっても楽 長時間の立ち仕事や腕を上に伸ばす姿勢もラクに 進化する「アシストスーツ」 | 東海地方のニュース【CBC news】 | CBC web (2024.02.08)

2/8-9に開催されたアシストスーツEXPO in NAGOYA 2024の取材記事です。動画あり。archelis中心。

Apple Vision Pro向けイマーシブ医療サービスを開発!3月にアプリ公開、米SXSW 2024で初披露 | 株式会社ジョリーグッド (2024.02.15)

Vision Pro向けの本格的な医療XR(国内)はジョリーグッドが先鞭?(Holoeyesは人体解剖アプリを1/31にリリース)

動画もかっこいいです。


・シミュレータ

第6回日本オープンイノベーション大賞「厚生労働大臣賞」を受賞いたしました | ジャパンメディカルデバイス株式会社 (2024.02.16)

小児心臓シミュレータ ped UT-Heartにて。
久田先生の心臓シミュレータのご研究は自分が学生だった時代(新領域創成科学研究科が出来た頃)から拝見していたと記憶していますが、ここまでの地道で継続的な取り組みは敬服するばかりです。


・新技術・製品

コヴィディエンジャパン 子宮内膜ポリープや、子宮粘膜下筋腫に対する子宮鏡下手術に使用する「HysteroLux(TM)灌流マネジメントシステム」の販売を開始 (2024.02.14)

シェーバー用還流装置です。フェムテック関連として。

OpenAIが最長1分の動画生成AI「Sora」発表、「AGI達成へのマイルストーン」 (2024.02.16)

医療ではないですが今週最大のデジタル技術ニュース。あまりの質の高さに驚かされます。


・研究

遺伝子編集臓器の研究で脳死下の身体が求められる理由 (2024.02.12)

「脳死状態の人の身体全体を実験的な「死者モデル」として使用する」

MIT Technology Review

日本ではご献体の研究・医療訓練利用の拡大に取り組んでいるところですが、脳死患者をご献体と同様に研究教育利用するのは無理でしょうね…
たとえ本人と家族が同意しても外野の騒ぎでご家族と医師が潰されそうです。

異種臓器移植用ブタの国内生産に初めて成功 明治大学発ベンチャー ポル・メド・テックと米国イージェネシスのチーム (2024.02.13)

遂に。
技術と並行した異種移植環境整備にも期待したいところです。

AIは赤ちゃんから何を学べるのか? (2014.02.15)

先週の赤ちゃんの言語学習方法の研究の記事に関連して。

「赤ちゃんに学ぶことで、コンピュータに人間のように学習する方法を教え、最終的には私たち人間と同じくらい知的なAIシステムを構築できる未来に一歩近づける可能性がある。この研究はそれを示す一例にすぎない。」

MIT Technology Review


・行政・規制

診療報酬改定、開業医の改革道半ば 医療費抑制200億円 - 日本経済新聞 (2024.02.14)

難しい問題。厳しい道のり。

公的予算での研究に学術論文の即時無料公開を義務づけへ…政府、成果を国民に還元 : 読売新聞オンライン (2024.02.16)

現在、オープンアクセス(OA)で論文をジャーナルに掲載する場合、1本あたり大体30万円〜100万円かかります。義務付けはいいのですが、予算措置を伴った新たな施策が必要と考えます。

例えばJSPS科研基盤C・萌芽・若手研究あたりは1年100万円程度の研究費しかありません。その中で論文がOAに限定されると研究遂行に使える予算はかなり少なくなります。

またそもそも、論文は研究成果が出てから執筆し投稿し審査され掲載が決定されるので、OA論文掲載料が発生するのが研究期間(予算支給期間)終了後になることも多く、このお金を誰がどこから出すのか?という問題もあります。
論文掲載料のための競争的予算を作るとなるとまた事務作業も増え研究時間は削減され…


・ビジネス

「医療機器に力入れていく、買収や投資で非常に強力に」…キヤノン・御手洗冨士夫会長兼社長CEO : 読売新聞オンライン (2024.02.16)

「医療機器には力を入れたい。CT事業はさらに大きくしたい。買収や投資によって強化しており、非常に強力になっている。2024年以降、ますます頼りになる。世界一にしたいと思っている」

読売新聞オンライン

【相模原市】JR東海がイノベーション創出促進拠点「FUN+TECH LABO」を橋本に3月25日オープン! (2024.02.15)

オフィス棟7室の入居企業が気になります。さがみロボット産業特区関連からでしょうか。



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