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入退院支援とは

「入退院支援」
こんな言葉、聞いたことありますか?

もしあなたが病院に勤務されている医療者であれば、ホットな言葉という認識ではないかと思います。
ご自身またはご家族が最近入院された、という方も聞いたことがあるかもしれません。


■「入退院支援」のイメージ

「入退院支援」とは、
入院患者が、適切な期間に適切な医療を受け、退院後も安全な療養が継続できるよう入院時から取り組む患者・家族へ提供されるケア

ちょっとイメージしにくいですね。

例えば、高齢者である親御さんが大腿骨を骨折して入院することになった場面をイメージしてみてください。

骨折するまでは自立した生活をしていた親御さんが足を骨折してしまう。
手術がうまくいったとして、その後の生活はどうなるのか?どれぐらい身の回りのことができなくなるのか?自宅での療養環境を見直す必要があるのか?家族の介護が必要となるのか?そもそも自宅に帰ってきてもらうことは可能なのか?治療費は払えるか?退院した後のフォローはどうなるのか?

骨折した親御さんご本人だけでなく、ご家族も含めて色々な心配ごとが浮かび上がってくることが容易に想像できます。

このような患者さんやご家族の不安が解決されないと、病院での治療が終了しても自宅に帰ることができない「社会的入院」という状態に繋がります。
無理やり退院させても患者さんやご家族は「病院を追い出された!」と不満を持ちますし、かと言って急性期の治療が不要な患者さんをいつまでも入院させていると、本当に入院加療が必要な患者さんが入院できません。

そのような状況になるのを防ぐために行うケアが「入退院支援」です。

入院前から、患者さんのご自宅の状況やご家族の介護力、患者さんご本人だけでなくご家族が今回の入院や疾病に対してどのように感じているのか看護師さんや社会福祉士さんがヒヤリングし、どのようなサポートが必要となるかを患者さんと入院予定の病棟に共有します。
また治療の進捗を担当医や担当看護師と共有しながら、患者さんやご家族の希望を踏まえて退院先を探したり、ご自宅に帰るのであれば、ケアマネジャーさんと一緒に退院後に必要となる介護サービスを見直したりすることでスムーズに生活の拠点を移行できるようフォローします。

どうでしょう?
少しイメージがつきましたか?

もし自分やご家族が入院することになってしまったら……

私なら、上記のような入退院支援を積極的に行っている病院にお世話になりたいと思います。

でも、現実には「入退院支援」というのは最近できた考え方で、まだまだどの病院でもきちんと行われているとは言えません。


医療職向けの「入退院支援」に関するセミナーはどこでも満員御礼。
それらセミナーの講師の方も、入退院支援センターを完璧に運用しているところは殆どなくて、多くは「現在、試行錯誤しながら運用を構築中です」と壇上でおっしゃられていました。


私は数年前に「入退院支援」という考え方に感銘を受け、そこからシステムを構築し、多くの病院の入退院支援業務の構築に携わってきました。
その中で得た知識や、病院ごとの事例などをこのマガジンで共有していきたいと思っています。

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