DTPerが動画作ってみる 第6話(全6話)
【憧れの合成音声】
「最後に『病気がみえる』の紙面も入れて、大体完成したよ!」
「では最後に、合成音声ソフトでナレーションを作っていきましょう」
「あっ! あのイケボのやつ……! 昔ボカロをいじってみたことがあるけど、1曲歌わせるので精一杯だった苦い思い出……」
(ボカロ:YAMAHA製の合成音声ソフト『VOCALOID(ボーカロイド)』。初音ミク以外にもいっぱい種類がある)
「なんか難しい調教をしないといけないんですよね?」
(調教:VOCALOIDのイントネーションなどの調整のことを界隈ではこう呼ぶらしい)
「一本調子でどうにも自然な感じにできなかったよ」
「SNSチームで使っているのはvoicepeakというソフトで、ただ入力するだけで結構自然になりますよ」
(voicepeak:AHS社の合成音声ソフト。マジで自然な読み上げ)
「音声が色々選べるんだね」
「男性と女性でそれぞれ3種類ずつ+女の子1種がありますから、お二人の好みのやつでいいですよ」
「うーん(聞き比べ中)……女の子にしよう」
「私は女性1にしようかな」
「おっ、会長秘書のイメージ? いいね〜!」
「いえ、女性ナレーションが聞きやすかっただけです……」
「スピードやアクセントの強弱なんかもいじれますので、後はお好きな感じに調整して書き出せば、Aeで素材として読み込めますよ! ai、音声など、素材が増えてくるので、materialフォルダは整理しておくと楽です」
「あ〜!! 長文を1ファイルで書き出したら動画としゃべるスピードが合わない……!!」
「しゃべらせる文章が長い場合は、短めに区切ってあげた方がタイミングを合わせやすいかもしれません」
「そうします……よし、これでどうにか……!」
【ついに完成!!】
「音声も入れて、データも綺麗にしました!!」
「未使用のフッテージを削除してから、ファイル>依存関係>ファイルを収集、で最終データにしましょう!」
「依存関係っていうんだ…なんだか重い感じだね(笑)」
「言われてみれば言葉のイメージが……DTPでいうところのパッケージのようなものです」
(パッケージ:IllustratorやInDesignでリンクデータやフォントなどを収集して完璧にデータが揃った状態のまとめフォルダを作ってくれる機能。入稿時のデータのコピー忘れが無くなるので最高)
「なるほど、言葉はわかりづらいけどありがたい機能だね。できました!」
「バッチリです! それでは、TikTok上でBGMを付けて投稿しますね。お疲れさまでした!」
【完成した動画はこちら!!】
【作ってみた感想】
「学生時代に挫折したflashから数えて20年以上動画作成にトラウマを抱え続けてきたけど、その間にDTPでAdobeソフトの使い方に慣れてきたから少し苦手意識が減ったかも!」
「UIが同じ箇所や、考え方が同じ箇所もありますものね」
「でもUIが似てても、使われている言葉が違うと始めるハードルが高いですよね……どうやって検索すれば答えにたどり着けるのかもわからないし。結局ミジンコさんに検索ワードまで教えてもらっちゃいました」
「しかも後から見たら実は最初にミジンコさんが作ってくれた資料に答えが書いてあったりしたよね……躓きがちなことを先回りしてくれてたのに、何が書いてあるのか理解できてなかったわ」
「やっぱり実際に触ってみることが大事ですよね。慣れてくれば資料を見るのも楽しくなりますよ!」
「合成音声は少しアクセントとかをいじると、より人間っぽさが増すからすごく楽しかった! 余裕があればもっとやりたかったな」
「他の仕事の合間にやりつつ、大体3週間弱か……なかなかヘビーな仕事だったな……」
「おにくさん」
「はい」
「実はSNSチームの手が回りきってないんですよ」
「はい」
「てことで、忘れないうちに来月も動画作っちゃいますか!!!」
「ですよねーーーーー!!!! 脳と体にたたき込みます!!!!!」
(おわり)