明日からエビデンスの構築を始めましょう!
複数の論文の研究結果をまとめて結論を出すレビュー論文としては,スコーピングレビューのほかにシステマティックレビューがすぐに思いつくでしょう。スコーピングレビューは,システマティックレビューと比べると迅速に,スクリーニング的に結論を出しますが,システマティックレビュー同様系統だった科学的手法で行われるため,信頼性が担保されています。
臨床での疑問を解決したいときはもちろん,特定の分野で利用できるエビデンスを探したいときや,何かの研究を始める前に,その研究と似たような研究がすでに行われていないかを網羅的に確認(リサーチギャップの特定・分析)することもできます。
レビュー論文のため引用されやすく,さらに臨床データの収集を必要とせず執筆期間も相対的に短いため,多忙な医療従事者がぜひ知っておきたい手法です。
■編集 北川 孝(信州大学 理学療法学専攻)
本書の内容
1章
スコーピングレビューとは何か,スコーピングレビューが成り立った経緯,ほかのレビュー論文との違いを解説。
2章
スコーピングレビュー論文の読み方を,セクションごとに実際の論文を示しながら解説。
3章
本書のメインとなる章であり,スコーピングレビューの書き方を約130ページにわたって解説。はじめにスコーピングレビュー執筆の全体像を14のステップに分けて示し,各ステップを図表や実例を交えながら懇切丁寧に説明していく。「豆知識」「うまく進めるコツ」「用語解説」などの囲み記事も充実し,多角的にスコーピングレビューの書き方を学ぶことができる。
4章
学会発表・参加におけるノウハウや,英語論文の書き方を解説。スコーピングレビューにとどまらない汎用性の高い内容である。
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