頸部痛・腰痛・股関節痛

緊急性の高い頸部痛には以下の5種類があります。1、くも膜下出血、2AMI&大動脈解離、3、椎骨動脈解離、4、脊椎急性硬膜外血腫、5、細菌性脊椎炎、細菌性椎間板炎、脊椎硬膜外膿瘍です。1〜4の頸部痛に関しては発熱はなく、5に関しては発熱がみられることがポイントです。

一側の後頸部痛や後頭部痛では椎骨動脈解離をマークしましょう。軽い外傷から椎骨動脈解離に至り、脳梗塞やSAHまで発展する可能性があります。

緊急性の高い腰痛としては、急性硬膜外膿瘍が挙げられます。症状としては、発熱、安静で軽減しない腰背部痛、立位・体重負荷悪化する疼痛、限局する脊椎棘突起の疼痛、等です。原因菌はブドウ球菌です。

股関節痛、嘔吐、食欲不振は閉鎖孔ヘルニア嵌頓から考えましょう。小児の股関節痛は、2歳以下では虐待を疑い、3〜6才では単純性股関節炎と細菌性股関節炎の鑑別を考え、9才以上では大腿骨頭滑り症を考えましょう。急性単発性関節炎は、そうでないとわかるまで細菌性関節炎として扱いましょう。


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