更年期の治療法には選択肢が増えていた~#思い込みが変わったこと
同じような症状で苦しんでいる女性の参考になれば・・・
私は現在、アラフィフの女性です。
20代後半と30代前半で、子どもを2人授かりました。
43歳ごろから、健康診断で「子宮腫大」という、子宮の壁が厚くなる状態を指摘されましたが、更年期に伴うものとの説明で、生理痛や腹痛などのつらい症状がまったくなかったので、しばらくは経過観察でした。
しかし、45歳を過ぎるころから過多月経という、出血量が徐々に増える症状に見舞われ、48歳頃には日常生活がまともに送れない状況になってきました。
そして、我慢を重ねて、もう耐えきれないという状況になってから治療法を選択し、最終的にはマイクロ波子宮内膜アブレーション(MEA)という、1泊2日で日常生活に戻れる、子宮を温存する治療法を選択しました。
その治療に入るまでの経過については、以下のマガジンにまとめてあります。
マイクロ波子宮内膜アブレーション(MEA)にたどり着くまで|snow|note
私が更年期世代の不調を治療するにあたって、2つの”思い込みが変わったこと“がありました。その体験談が、同世代の同じような症状で苦しんでいる女性の参考になればと思います。
子宮腺筋症は激しい痛みを伴うという思い込み
「子宮腺筋症」というのは、「子宮内膜によく似た組織が子宮の筋層内にできて子宮全体として大きくなる状態。年齢的に30代後半以降の女性に多くみられる。最も多い自覚症状は激しい月経痛と月経量が多くなる過多月経で、貧血の症状が起こる」と医学書には書いてあります。
通常は「子宮内膜症」よりも、もっと激しい腹痛を伴うもののようです。
20代の頃、会社の同期や先輩女性に「子宮内膜症」の人がいました。
仲良しだったので、間近で症状を見ていましたが、生理の間は動けなくなるほどお腹が痛くなるようで、本当につらそうでした。生理休暇を使って、月に1~2日はお休みもしていました。
そういう姿を見ていたので、「子宮内膜症」や「子宮腺筋症」は、大変な腹痛をともなうもの、という“思い込み”が私の中にありました。ですので、自分が腺筋症で早めに治療しようという意識がなかなか起こりませんでした。当初はただの更年期で、病気であるという認識もなかったのです。担当医によると、不思議なことに、腹痛がまったくない子宮腺筋症の患者さんもいるのだそうです。
最終的には病状が進行して、ヘモグロビン値が8.8g/dlという貧血状態になり、動悸や息切れ、出血がひどくて日常生活に支障をきたすようになってからいろいろと治療法を探し、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)、生活の質が著しく低下してから治療に入りました。
後から考えれば、こんなに苦痛なく、1泊2日で楽になれるのだったら、我慢しないでもう少し早めに治療したかったと思いました。
更年期女性の治療法は子宮全摘がベストという思い込み
そして、2つめの“思い込み”は、出産を終えた更年期世代の女性の子宮腺筋症や子宮筋腫の治療法は「子宮全摘」一択がベストなのかな、と思い込んでいたことです。
というのも、私の周りの友人や先輩やママ友で子宮全摘を経験している方はざっと10人ほどとかなり多く、「もう、これから子どもを産むこともないし、だったら子宮を取ってしまったほうがガンのリスクもなくなるし、スッキリすると思って全摘した」と話しているのを、聞いていたからです。
全摘以外の新しい治療法もいろいろある
筋腫だけを取り出す手術も行われていますが、これは腹腔鏡手術や子宮鏡下手術になり、技術も要求されるようです。
① 子宮筋腫は命にかかわらない病気なので、経過観察されがち
② 子宮筋腫は筋腫だけ切除しても再発が多いとされている
③ 症状が我慢できなくなった時には、筋腫が大きくなったりして全摘しか 選択肢がない状態になっている
④ 全摘すれば、その後は子宮体ガンのリスクがなくなるというメリットがある
このような理由で、全摘を選択する女性が多いですが、新しい治療法として
① 入院期間が1泊2日で、退院翌日から日常生活に戻れる
② メスを使わず、子宮を温存できる(妊娠はできなくなります)
③ 身体にメスを入れないので、痛みなどの苦痛が非常に少ない
④ 手術をすることによる腸や尿道への傷や癒着、合併症のリスクを回避できる
といったメリットがあるMEA(子宮内膜マイクロアブレーション)という選択肢もある、という情報を、女性の皆さんにシェアしたいです。
MEAにもメリットとリスクがある
病状は人それぞれで、どの治療法がその人にとって一番いいかは充分に検査をして、主治医のドクターに納得がいくまで相談したうえで、自分で比較検討して選ぶべきことだと思っています。
MEAのリスクとしては、
① 子宮内膜を焼灼するので子宮体ガンの検査が困難になる可能性がある
② 内膜を焼灼したあと、内部で子宮間感染や子宮留血症が起こる可能性があるので、オペ後に異変を感じたらすぐに受診する
などがあり、MEAもメリットばかりではありません。
たぶん、どんな治療法を選択してもメリットとデメリットは共存するのだと思います。もちろん、子宮全摘で子宮体ガンのリスクを完全に回避できることをメリットと考える方がいても、当然です。
ただ、更年期世代の女性は企業では管理職世代。家庭でも、子育てや介護で大きな役割を担う年代です。入院5日間、職場復帰まで2~3週間という長期離脱は、私はできることなら避けたいと考えました。
過多月経の女性は推計3割しか受診していないそう
現在、国内でMEAを実施している医療機関は、島根大学医学部産科婦人科や岐阜市民病院など全国で20以上になるそうです。それらの医療機関のHPによると過多月経の推定患者数は600万人、そのうち受診しているのは3割程度と推定されているようです。かなり多くの女性が、受診・治療せず我慢をしている状況が想像されます。その気持ちは、本当によくわかります。
私が治療を受けた病院ではありませんが、MEAについてとてもわかりやすく書いてあるので、島根大学医学部付属病院のHPを引用しておきます。
マイクロ波による過多月経の治療法 | 島根大学医学部附属病院 産科婦人科 (shimane-u-obgyn.jp)
命にかかわらない婦人科疾患は黙ってガマンしがち
私がnoteのマガジンで書いているように、命にかかわらない婦人科疾患は「なんとなく声をあげて相談しにくくて」「黙って我慢しがち」です。
そう、私たち女性は思春期の生理痛から始まって、「痛み」や「不快な症状」をガマンすることに慣れきっているのかもしれません。
でも、少子高齢化が進む日本で女性の労働力はますます重要となってきています。そして、医療は日々、進歩しています。
私は、子育て期間中は在宅ワークをメインに、単発で外勤の仕事を入れるという働き方をしていたのですが、症状がひどくなってからは、外勤の仕事はこわくてほとんど入れられませんでした。
正社員やパートで企業にお勤めの更年期世代で、同じような症状で苦しんでいる方は、上司にもなかなか相談しにくいでしょうし、会議や外回りのたびに冷や汗が出る思い、かといって全摘手術にはそれなりの日数がかかるので、踏み切れない方もいると思います。
私が受けたMEAだけでなく、ミレーナやUAEやFUSも選択できます。
MEAは全摘手術より医療費が安く、私の場合は生命保険会社の医療保険の入院手当、手術給付金も受け取ることができました。
従業員の入院日数や医療費が減るということは、女性を多く雇用する企業の健康保険組合にとってもメリットがあるかもしれません。
女性がもっと自由に生活や仕事を楽しめるように
日本の女性たちが、我慢から解放されてもっと自由に日常生活や、おしゃれや仕事を楽しめるように、私がしばられていた”思い込み“、そして新しい治療法をシェアしておきたいと思いました。
私がMEAを検討し始めた時、web上にはMEAに関する情報や体験談がとても少なかったのです。でも、ブログに綴られたその数少ない体験談が、自分が治療法を決めるうえでとても参考になりました。
私も体験談を綴ることで、誰かのお役に立てれば嬉しいです。
もちろん、私が経験したMEAがすべての女性に適応するわけではありませんし、私の体験談はあくまで参考にしかなりません。そこはよくご自身の主治医に相談してほしいと思っています。
そのうえで一人でも多くの女性が、最新の情報を知って、自分の症状に合った最適な治療を選択して、少しでも苦痛が少なく充実した質の高い生活を送れるようになることを願っています。