女 性 診 療 放 射 線 技 師 の リ ア ル ラ イ フ　～仕事は人生のスパイスだ～　市立函館病院 中央放射線部技術科 診療放射線技師│狩野麻名美

仕 事 編

Q.診療放射線技師を目指したきっかけ
A.小さいころ病院にかかり、診療放射線技師に憧れて…など、素敵なエピソードはなく、ただ金を稼ぐ手段として『手に職をつける』これが第一条件で、『食いっ外れない』ということを前提に就職を考えました。
　高校のとき、医療従事者になるという友人が周りに多かったため、いつの間にか一緒の方向に。あまり成績が良い方ではなかったので、あとは消去法でした。当時もっとも受験倍率が低い、『診療放射線技師』という職業を選びました。そんな私ですが、『診療放射線技師』という仕事は大好きです。

Q.やりがいを感じるとき
A.自分が行った仕事をきっかけに、周りがよい方向に変化するとき、この仕事のやりがいを感じます。
　過去に臨床研究をしていた頃は、自分の行った研究が臨床業務や患者さんへ還元されることにとてもやりがいを感じました。悪い方向に変化したり、自分だけが空回りしたりすることも多々ですが…。日々真剣に仕事と向き合いながら、全力で業務をこなしています。これは現在の仕事が好きであると
同時にやりがいを感じているからだと思います。家に帰ると毎日ぐったりです。

Q.キャリアアップについて
A.レベル20問題とは、どんなゲームでもスポーツもレベル20にいくまではあまり面白くなくて、レベル20にいくと急に面白くなる現象だそうです（ドラゴン桜より）。これは私にとってとても納得の行く現象です。向いてないな、面白くないな、と思っている業務でも、本腰を入れてやると面白くなっていくというのは複数経験しました。私はこのレベル20を、後述する資格取得や学術活動と重ねて考えています。
　我々の世界では、業務はモダリティで区分され、得意ではないモダリティに配属されることも多々あります。そのようなときに活躍するのはサブスペシャリティという考え方だと思います。例えば、私の得意分野はMRIですが、なかでも乳腺領域や頸動脈領域の臨床研究を多くしてきました。サブスペシャリティは乳腺領域や頸動脈領域ということになります。この領域では、MRIだけが検査ではなく、他の様々な検査を併用しながら、疾患の治療に当たります。サブスペシャリティを持つことにより、スペシャリティであるMRI以外のモダリティもレベル20まで持って行きやすくなるのではないでしょうか。
　こんな私ですが、現在は苦手と思っていた医療安全に関する業務に励んでいます。周りの方の影響もありますが、案外楽しく仕事できています。今後もレベル20を意識して業務をこなしていきたいと思います。

Q.資格取得について
A.仕事をし始めてから意識していることがあります。それは、勉強したことを形にするということです。資格をとったり、発表したり、というのは、その一環になります。 結果、臨床業務へ生かすことができればいいなと思っています。
　出産をしてから思うように勉強をすることができなくなりましたが、出来る範囲で少しずつ続けています。医療の世界は日進月歩なため、ついていけなくなるときもありますが、頑張っていたころの自分を思い出すと勇気が湧いてきたり自信を取り戻せたりします。
　資格取得や学会発表は、自分の足跡を残す、という作業に最適です（もちろん、過去に縋ってばかりではだめですが…）。『自信のないまま年だけ重ねるといじわるなおばさんになる』というのを何かで読みました。『意地悪なおばさん』にならないよう精進しようと思います。

プ ラ イ ベ ー ト 編

Q.仕事との両立について
A.仕事とプライベートの両立はできていないと思うので、いつも模索しています。時短料理や断捨離方法、時間の使い方など、誰か教えてくれませんか？ 笑。毎日仕事後のぐったりした体に鞭を打ち、残ったチカラで子育て
と家事に勤しんでいます。
　年々体力がなくなってきているのを実感しているので、仕事においても、プライベートにおいても『効率化』を図るよう心がけています。情報収集元は、バス通勤時の読書と効率的に仕事をしている人のSNS発信です。いろいろなアイデア源になります。

Q.美容事情
A.美容の第一歩は『睡眠』だと思っています。高齢出産を経てやっと子供が夜泣きしなくなり、連続で睡眠時間を取れるようになったと思えば…年齢のせいか、途中覚醒し眠れなくなるのもしばしばです。睡眠の大切さを感
じるお年頃となってしまいました。
　日頃から心と体のストレスは均等にかかるよう適度な運動をするように心がけています。子育てがひと段落したら、今更ですが、メイクを習いにいったり、ジムに行きまくって筋肉を育てたりしたいと思っています。

Q.趣味について
A.趣味にしたいことはたくさんあります。ゴルフ、登山、ヨガ、英会話、つまみ細工、旅行等々…、現在ドタバタ生活なため、継続できている趣味という趣味はありません。あえていうなら、出産でお休みをしていて、最近復活を果たしたジョギングでしょうか。ナイキのランニングアプリ上では4,789km走っています。運動音痴な私ですが、2009年からマラソンを始め、たくさんのマラソン仲間ができました。そして復活を果たした今年、函館マラソンにてハーフをメディカルランナーとして完走することができました。トレーニング不足で、散々なタイム＆後遺症がひどかったですが、ようやく朝のジョギングをゆるーく再開しています。朝のジョギングは、１日を始めるにあたりいろいろ頭の整理をすることができます。雪が降るまで朝のジョギング頑張ります。