見出し画像

歯周病ケアの鍵は生活習慣にあり?

歯周病というと歯や歯茎のトラブルと捉えがちですが、実は全身の健康に大きく関わる病気です。進行すると歯が抜け落ちるだけでなく、糖尿病や心血管疾患などのリスクを高めることが知られています。日本の公衆衛生プログラム「健康日本21(第三次)」は、国民の健康寿命を延ばすために生活習慣改善に取り組んでおり、歯周病の予防もその一環です。この研究では、歯周病予防には食生活や運動といった生活習慣が大きな影響を持ち、単なる歯磨きだけではなく、全身的な健康管理が重要であると示されています。


生活習慣と歯周病の深い関係


歯周病は、歯と歯茎の間に細菌の塊であるバイオフィルムが付着し、炎症が進行することで発症します。口腔内の清掃が不十分だとバイオフィルムが蓄積しやすくなり、歯周病リスクが高まりますが、それだけでなく食生活や睡眠、ストレス管理なども歯周病の予防には関係しています。例えば、栄養バランスのとれた食事は口腔内の健康を保つ基盤となり、特にビタミンCやカルシウムが豊富な食品が歯茎の健康に効果的です。また、生活習慣病予防に推奨されるような適度な運動や、質の良い睡眠も免疫力の維持に寄与し、歯周病の発症を防ぎます。つまり、口の中だけのケアではなく、生活全体を見直すことが歯周病予防につながるのです。


健康日本21(第三次)における具体的な取り組み


「健康日本21(第三次)」は、生活習慣病予防のための食事指導や運動推奨のほか、禁煙推進も行っています。禁煙は歯周病予防に非常に有効です。たばこに含まれる有害物質は血管を収縮させ、歯茎への血流を阻害するため、歯周病が進行しやすくなります。さらに、歯科検診を定期的に受け、歯周病の早期発見と治療を促進することも大切です。日本では成人の約7割が歯周病を経験していると言われるため、国全体での啓発活動や予防策が欠かせません。歯科医療と生活指導を組み合わせることで、歯周病のリスクを減らし、健康寿命を延ばすことが目標とされています。


生活習慣の見直しが未来の健康を守る


歯周病予防のために、日常的な口腔ケアを徹底することはもちろんですが、それに加えて生活習慣全般を見直すことが重要です。食生活の改善や適度な運動、禁煙などの習慣づけが、口腔の健康だけでなく全身の健康維持につながります。また、歯科検診を定期的に受けることで、早期発見・早期治療が可能になり、歯周病が進行する前に対処できます。健康寿命を延ばすためには、口腔内のケアだけでなく、全身を意識した生活習慣の改善が求められているのです。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集