香りの女王ローズ
私が数多くの精油の中で大切に、大切につかっているもの…それがローズです。甘く優雅な香りは、心を癒し豊かな気持ちにさせてくれます。沢山の種類の中でdamascena(ダマスク)種のバラが最高の香りだとされています。
ローズの精油は大変高価です。ひとつひとつ手で摘まれたバラの花を水蒸気蒸留で抽出するのですが、1kgの精油を抽出するのに4~5tもの花が必要になるためコストが高くなるのです。手ごろな値段の、石油系溶剤で抽出された(アブソリュート)も出回っていますがアロマテラピーで使用する事を考えれば、やはり水蒸気蒸留法でとられたものをお勧めします。
心とからだのケアに
愛と美の女神ヴィーナスの象徴とされるローズの香りには様々な成分が含まれていて、心身に働きかけます。怒りや不安を鎮め、憂鬱を取り払い穏やかな気持ちにさせてくれますので、こころにストレスを感じたときにはこの精油が役立つでしょう。胸元に1滴、ローズを香らせてみてください。こころが開かれ、前向きな気持ちになれるはずです。
ローズの効能として忘れてならないのが催淫作用です。男性らしさや女性らしさに対し自信がもてなくなったときにはお試しください。女性にとって永遠のテーマの美に対しても大変力強い味方です。肌の殺菌効果はもちろん皮膚弾力回復作用や収斂作用を持ち、肌の老化を防ぐので化粧品の原料として最適です。また、ホルモンバランスを整える働きがあります。女性特有の月経や更年期の様々なトラブルにも効果があります。植物油(化粧用)などで希釈して下腹部のマッサージに使用すると良いでしょう。
バラから香りを抽出する「アンフルラージュ法」
アンフルラージュとは、植物から香りを抽出する油脂吸着法のひとつとして開発されたものです。
かつては香りの町と言われるフランスのグラースなどで盛んに行われていましたが、製造コストが高くつくため、現在ではほとんど行われていません。
その方法としては、ガラス板に動物性脂を塗りつけて、その上にバラの花びらだけを置きます。しおれたら新しい花びらに交換します。これを何度も繰り返しながら香りを脂に移します。香りが移った脂にエタノールを混ぜて香りを移してから、エタノールを蒸発させて精油を抽出します。
もしダマスクローズが入手できるのであれば、是非やってみてください。
ただし市場に出回っている切り花は、虫から守るため農薬が散布されている可能性があるので、注意が必要です。
ざっと紹介しただけでもローズのすばらしさを感じていただけたのではないでしょうか?是非、甘く豊かな香りをお楽しみください。
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