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医師国家試験向け:なぜ多発性骨髄腫ではβ₂MG,血清Albが予後因子なの?

多発性骨髄腫では,予後因子としてR-ISS分類が使用され,β₂MG,血清Albの値が予後と相関するとされています。なぜ腎機能しか反映しなさそうなこの2項目だけが予後因子なのでしょう。

実は、この2項目がなぜ予後と強力に相関するかは正確には不明なのです。たまたま統計的にこの2項目が強力に相関したので採用された¹のです。

一応、R-ISSを提唱した論文では、以下のような機序¹を想定しています。

  1. β₂MG腫瘍量や腎機能だけではなく,未知のパラメータを反映している。

  2. 血清Albは骨髄腫細胞の微小環境から産生されるIL-6による肝臓への障害を反映しているのではないか。

このように,なんとなくの理由は想定されていますが実証はされていません。ですが、予後因子をなんとか作成しようとした先人の苦悩を考えると、覚えたくなる気はしませんか?(しないか…?

引用文献
1)Greipp PR, San Miguel J, Durie BG, et al. International staging system for multiple myeloma [published correction appears in J Clin Oncol. 2005 Sep 1;23(25):6281. Harousseau, Jean-Luc [corrected to Avet-Loiseau, Herve]]. J Clin Oncol. 2005;23(15):3412-3420. doi:10.1200/JCO.2005.04.242


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