「モブライティング」の可能性を探ってみた
僕の所属する編集グループはライティング能力を問われる場面が多いのですが、つねに書く仕事があるわけではないので、メンバーのスキルアップの方法について日々頭を悩ませています。また、在籍メンバー同士で技術共有をする場面が少ないというのも悩みのひとつです。
あるとき、エンジニアがやっている「モブプログラミング」のことを思い出し、似たようなことをライティングでもできないかと考えました。
自分が思いつく程度のことなら誰かがやっているはずとググってみたものの、うまくヒットしなかったので「じゃあやってみっか」と試してみました。
試行その1:出せずにいた原稿の復活
出すタイミングを逸してしまった原稿が手元にあったので、まずはそれを題材にすることに。「モブプログラミング」ではひとりがコードを書く「ドライバー」と、ほかのメンバーは指示を出す「ナビゲーター」に分かれます。
ですが、「モブライティング」ではそのスタイルは取らずに「全員がドライバー」となって、書けるところを書いていく作戦を採用。社内で使っているwikiツール『Confluence』上に原稿を置き、全員が編集状態にして同時に書いていくことにしました。
で、結論から言うとこれに関してはちょっといまいちだったかも。いや、悪くないんですが、一発で完成に持っていけないので少し時間のムダ感があったなと。もう少し完成度の高い原稿であればよかったかもしれません。
試行その2:校正を同時に複数人でやる
その1をやっているときに思ったのが、このスタイルは原稿校正にはハマりそうということ。
そこで、広報側のメンバーに書いてもらったコーポレートブログ用の原稿を使い、これまたConfluence上でよってたかって校正するということをやってみました。
・まずは全員で記事を眺める
・それぞれが好きなところに手を入れていく
・ときに相談しながら同じ箇所を進めることも
ワイワイ話しながらやること1時間ちょっと。たぶん、自分ひとりでやったときにはでき得ない形で完成しました。リードのところだけ元文を載せるので、実際の記事と見比べてもらえると幸いです。
タイトル元案
遠いけど近い!? VR内定式を開催しました(案1)
離れていても心は密に VR内定式を開催しました(案2)
リード元原稿
10月1日、2021年度mediba新入社員内定式を執り行いました。
門出を祝っているかのような雲一つない晴天に恵まれ……といっても、外は曇り。晴れているのは弊社8cafeを再現したVR空間に浮かんでいる空です。
今年は新型コロナウイルスの感染防止のため、オンラインで内定式を開催することになりました。しかし、ただビデオ会議システムを使って淡々と進めるだけでは会社に内定した実感がわかないのでは?ということで、遠隔でも一体感を感じられるよう、オフィスそっくりなVR空間に内定者と社員が集まって場を盛り上げます。
これ、ぶっちゃけ1記事に複数人稼働しているのでコスパはよくないです。ただ、楽しいんですよね。リアルタイムでほかの人の考えが聞けて反映できるので、「瞬間的に爆速になるタイミング」もあって、それがすこぶる気持ちいい。
たとえば表現に困っているところで「ここ詰まってる」と投げかけると「こうしたらどう?」と返ってきたり、はたまた直接書いてくれたりする。詰まるポイントは人によって違うので、補完しながら高速で進められるのはいいなと思いました。
以上。
可能性としてはナシではないなというのが所感です。とくに校正はモブでやるのありかもしれない。冒頭で述べたようなスキルアップと技術共有を同時にやれるという点で、トレーニングとして取り入れることを検討していきたいですね。