11月6日(水)メディア日記
米大統領選は事前の接戦の予想に反して、トランプがハリスを圧倒して勝利した。日本のテレビ各局は6日午前中から大統領選の開票速報番組を放送したが、ニューヨーク・タイムズは日本時間午後1時34分、「トランプ勝利の可能性高い」といち早く報じた。投票直前まで各メディアは「両者接戦、互角」、「写真判定の様相か」などと報じたが、世論調査の信ぴょう性は大きく崩れた。
日本メデイアの情報は米の世論調査をもとに報じているが、5日放送のBS-TBS「報道1930」に出演したタレントのデーブ・スペクターは「米の世論調査はあてにならない。世論調査をあらためて調査する会社もある。とくに共和党員は調査を信頼していない」と世論調査神話を打ち消した。開票速報中に現地特派員がさかんに「物価が高騰し有権者は経済問題にもっとも関心が強い」と出口調査の結果をリポートしても、日本メディアは最後までトランプ圧勝を読み切れなかった。
結局、親トランプ派のFOXニュースが同日午後4時半に「トランプ勝利」を報道、それを受けてトランプが勝利宣言した。リベラル系のABCテレビ、CBSテレビ、CNNなどがトランプ当確を打ったのは午後7時過ぎだった。
実は、トランプ当選が決まる前の10月14日に「米国人のメディアに対する信頼は依然低い」という世論調査会社の米ギャラップ社のメーガン・ブレナンの署名記事を新聞OBの友人から「選挙報道に参考にすべきだ」というメッセージを貰っていた。遅きに失したが、今回メディアが敗北した一因がここにあるので再録する。
「アメリカ人のマスメディアへの信頼は記録的な低水準が続いており、マスメディアが『十分に、正確に、公平に』ニュースを報道することに『大いに』または『かなり』信頼していると答えた人は31%で、昨年の32%を1%下回った。新聞、テレビ、ラジオなどのメディアに対するアメリカ人の大いなる信頼は2016年に初めて32%に低下していた。メディアを『まったく信頼していない』は米国成人の36%、『あまり信頼していない』は33%。メディアを非常に信頼している、またはある程度信頼している米国成人は3分の1だ。ギャラップ社は1972年に初めてこの質問をし、1997年以降はほぼ毎年この質問をしている。1970年代の3回の調査では、信頼度は68%から72%の範囲だったが、1990年代後半から2000年代前半の調査では、51%から55%となった。歴史的にそうであったように、メディアが正確・公平に報道すると信頼する度合い、支持政党によって異なっている。メディアをかなり信頼していると答えているのは、民主党員の54%、無党派層の27%、共和党員の12%だ。
米国の民主的なプロセスに関与する10の団体および政治機関の中で、ニュースメディアは最も信頼されていないグループに入っている。米国上院と下院の評価は、メディアとほぼ同じ34%に過ぎない。米国は、連邦政府、その三権、公職に就いている人々と機関に対する信頼の危機に陥り続け、さらに、第四の権力であるマスメディアに対する信頼は、過去最低を記録している」。
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このギャラップのリポートについての友人の感想も付記する。
「メディアを信頼する人は民主党支持者の54%に対し、共和党支持者は12%しかいない、という数字にちょっと衝撃を受けました。メディアが主催する世論調査に対し、共和党支持者の多くは身構え、正直な回答をしないでしょう。その結果、世論調査は不正確になり、世論調査の信頼度が下がる『悪循環』に陥るでしょう。ワシントンポストやLAタイムズが今回の大統領選で『支持候補を表明しない』と決めたのは、この悪循環を少しでも止めようとしたからだと思います」。
中日新聞社は5日、同社が発行するスポーツ「東京中日スポーツ紙」の印刷を2025年1月31日付で休止し、同年2月1日から電子版に全面移行すると発表した。印刷や配送などの費用高騰や、サイトの利用増加が要因としている。東京中日スポーツは1956年に「東京中日新聞」として創刊し、今年1月の発行部数は6万426部。
読売新聞は6日朝刊に「自民党は、衆院選の敗北を受けて辞任した小泉進次郎選挙対策委員長の後任に、木原誠二選対委員長代行を起用する方向で調整に入った」と報じた。複数の自民幹部が明らかにした。木原氏は岸田前首相の側近で、自民総裁選では小泉氏を支援した。石破内閣発足に合わせて小泉氏が選対委員長に就くと、木原氏は選対委員長代行として補佐していた。
木原誠二は、去年夏から妻の前の夫の不審死問題でたびたび週刊誌に登場していたがこの件での記者会見を忌避していた。
6日の共同通信によると、「米ニューヨーク・タイムズ紙は5日、ロシアに派遣された北朝鮮兵士とウクライナ軍が初めて交戦し、『かなりの数』の北朝鮮兵士が死亡した」と報じた。匿名のアメリカ当局者の話としている。場所はウクライナ軍が越境攻撃をしているロシア西部のクルスク州で、日時は不明。一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、5日のビデオ演説で、「北朝鮮兵士との戦闘は、世界の不安定化の新たなページを開く」と述べ、戦争の局面が変わるとの考えを示した。