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8月17日(土)メディア日記

 朝日新聞の夕刊は、「休刊が近いのか」と思ってしまうほどめっきりストレートニュースが減ってきた。そんな中、5面に毎日載る現場記者の「取材考記」を読むのは楽しみだ。16日夕刊の担当はネットワーク報道部の平川仁記者。
 5月のある日、午前8時頃にJR渋谷駅から乗ったとみられる中年の男性が約12時間後、山手線車内で亡くなっているのが見つかった。男性は心筋梗塞で死亡したとみられ、電車は男性を乗せたまま652キロも走行したことがわかった。その間、誰も気が付かなかった。これを取材した平川記者はその後、自分自身の行動に確かに変化があったと書いている。道路わきでしゃがみこんでいる男性を見つけると、すぐ引き返して声をかけたという。またパレスチナの友人と都内を歩いているとき、路上に座り込む中年男性を見かけたが、自分をしり目に友人はすぐ声をかけたことに自省している。平川記者は1997年生まれとあるので未だ駆け出し記者だろう。こんな思いやりのある心の広い記者に思わずエールを送りたくなった。

 毎日新聞は17日朝刊1面トップに自民党裏金のスクープを報じた。
 自民党の平井卓也広報本部長の親族3人が2020~21年、計4000万円を平井が代表を務める党支部に寄付し、所得税の一部を控除される税優遇を受けた疑いがあることが判明したと大きく報じた。平井卓也を巡っては、本人が1000万円を党支部に寄付し、税優遇を受けたことを既に認めているが、専門家は「国民の政治参加を推し進める制度の趣旨にそぐわない」として、政治家本人だけでなく親族の寄付も税優遇の対象外にすべきだと指摘している。租税特別措置法では、個人が政党などに寄付した場合、寄付額の約3割が税額控除されるか、課税対象の所得総額から寄付分が差し引かれる。香川県選挙管理委員会が毎日新聞に開示した「寄付金(税額)控除のための書類」によると、平井氏の妻は20~21年に計2500万円、母親は20年に1000万円、長女は21年に500万円を平井氏が代表を務める「自民党香川県第1選挙区支部」にそれぞれ寄付し、控除対象として記載した。
 平井卓也の祖父は四国新聞社長を務めた元参院議員の平井太郎、父は四国新聞社社長などを務めた元参院議員の平井卓志、母は現四国新聞社主の平井温子。弟は同社代表取締役CEOの平井龍司。
 
 9月1日に東京都墨田区の横網町公園で営まれる、関東大震災で虐殺された朝鮮人犠牲者を追悼する式典で、小池百合子都知事は今年も追悼文を送付しないことが、都への取材で分かった。東京新聞が17日朝刊1面左で報じた。
 公園を管理する都公園緑地部によると、送付しないことを14日、式典を主催する実行委員会にファクスで伝えた。送らない理由として、式典と同日に同じ会場で開かれる都慰霊協会の大法要で「大震災の極度の混乱の中で犠牲になられたすべての方々に哀悼の意を表す」とする小池知事の考えを挙げた。実行委の宮川泰彦委員長は「震災全体の犠牲者ではなく、人の手によって虐殺された朝鮮人らの存在に明確に言及した上で、追悼の意を示してほしい」と話した。

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