4月2日(日)メディア日記
TBS報道記者の金平茂紀は、1日の毎日新聞夕刊のコラムで「総務省ペーパー事件 頬かむりを決め込む同業テレビ」とテレビ報道を厳しく批判した。金平はこの中で「『総務省ペーパーズ』が表沙汰になって以降、早々に逃亡を図って幕引きを急ぐ人々を、僕は見ている。けれども僕自身が耐えられない思いで見守っているのは、この『総務省ペーパーズ』に一切頬かむりを決め込んで、『見ない・言わない・聞こえない』の三無主義に逃げ込んでいる同業テレビの人々だ」と直言した。金平は、この他、「森友学園の文書改ざん」「沖縄密約事件」でも、報道機関は、連帯して権力に立ち向かって、真実を暴き出すことをしない今のテレビ報道の現状を痛烈に批判したものだ。
フジテレビや日本テレビの報道はさておき、かつて、放送関係者から「最近のテレビ朝日はどうしたんだろう」と嘆く声を聞いたことがある。以下の懸念を類推してみると、とくに権力批判を軽んじる「報道ステーション」の惨憺たる変わりようを案じているのではないか。久米宏や古舘伊知郎の時代は、プロデューサーやディレクターに問題意識をもったスタッフが多くいた。「この問題を報ステはどう切り込むのか」、ジャーナリストの仲間は常に関心をもっていた。しかし、今、平和ボケの「報ステ」はそんな対象にはまったくなっていない。テレ朝は内部でさえも「報ステ」より夕方の「Jチャンネル」の方が骨太のニュースを取り上げている」という見方が一般的だ。金平が書いた「頬かむりする同業テレビ」というのは、ひょっとすると「報道ステーション」に向けられたメッセージじゃないか。