
12月17日(火)メディア日記
トランプ次期米大統領と孫正義がにこやかに握手する姿が17日朝6時のNHKニュースに流れびっくりした。2人はフロリダ州のトランプの自宅で記者会見を開き、「今後、ソフトバンクグループがアメリカに1000億ドル、15兆円余りの投資を行い、少なくとも10万人の雇用を創出する」と発表した。孫は、会見の場でトランプから投資をさらに倍の2000億ドルに増やしてもらえないかと冗談交じりに求められると、一段の投資に取り組む意向を示し、トランプ氏と強く握手するなど、親密さをアピールした。この中で孫社長は「きのうはトランプ氏と7時間くらい朝から夕方まで、朝食をともにするなどフレンドリーな時間を過ごした」と述べ、トランプと長時間にわたって面会したことを明らかにした。
この記者会見の中で、NHKワシントン支局の女性記者が、石破首相との会談の可能性について聞いたところトランプは「石破首相とぜひ会いたい。会うだろう」と述べた。さらに同記者は「大統領就任式の前に会うこともあるのか」という質問に「彼らが望むなら、そうする」と述べて、日本側が望めば1月20日の大統領就任式の前に会談することもありうるという考えを示した。
インタビューした女性記者の名前は、朝6時と7時のニュースではスーパーされたが、その後のメインニュースは記者氏名も記者の顔もカットされて放送された。民放なら記者の顔出しでトップ扱いのニュースだが・・・・。
前号の当日記で、韓国の尹錫悦大統領に対する弾劾訴追案が廃案となったことについて、韓国の左派系の2紙は9日付朝刊1面トップで、採決に欠席した保守系の与党「国民の力」の議員105人の顔写真と氏名を掲載したことを紹介した。新聞OBの友人から以下の感想が送られてきた。
「で、この新聞を眺めて思ったのですが、日本では最高裁判決に当たって、新聞やメディアは、判断と裁判官15人の顔写真を載せればいいのにと思いました。総選挙ごとに最高裁判所裁判官の国民審査が行われますが、国民はさっぱりわからないまま、〇×をつけずに投票する人がほとんどでしょう。最高裁の判決はこの国の司法の最終判断ですし、判例として未来に残る重要なものですから、誰がどのような判断を下したのか、顔が見える形で示す価値はあると思います。そうすれば国民の、司法や政治、社会現象に対する関心も高まるのではないかと思います。例えばいまが旬の選択的夫婦別姓や同性婚に対して、15人の裁判官がどのように判断するのか、知りたいですよね。再審請求に対する審理も、興味のあるところです。最高裁判決では、少数意見も報道はきちんと名前と内容を載せるのですから、顔写真も載せてほしいなと思った次第です。衝撃の韓国新聞を見て、そんな妄想を抱きました」。
三菱UFJ銀行の貸金庫から顧客の現金や貴金属が盗まれた窃盗事件が明るみに出て3週間が経った。各紙報道によると、犯人の40代女性元行員は練馬支店と玉川支店で管理職だった2020年4月から2024年10月にかけて2支店の金庫を解錠し、少なくとも顧客約60人の資産時価十数億円相当を盗んだとされる。盗んだ金は、FX(外国為替証拠金取引)などの投資につぎこまれたという。16日、同銀行の半沢淳一頭取自ら会見を開いた。実はこの事件、十数億円相当の巨額窃盗にもかかわらず、40代女性元行員の実名・写真がまったく報道されていない。同銀行は天下の“三菱御三家”だけに、マスコミは大口広告スポンサーへの配慮から報道を自粛しているのではないかとの憶測が浮上している。