2月1日(木) メディア日記
1月1日午後4時10分起きた能登半島地震、早くも1カ月経った。連日被害状況を放送している新聞・テレビは1カ月を特集で大きく取り上げた。
1日現在の被害状況。死者240人、安否不明者14人、避難は1万4000人超。
地震直後の映像が防犯カメラや車のドライブレコーダーなどによって次々に明らかになってきた。極めつけは、2日のテレビ朝日の「Jチャンネル」とNHKの「ニュースウオッチ9」で放送されたデイサービスの送迎車のドライブレコーダーの映像は恐怖の瞬間を衝撃的にとらえていた。この車には珠洲市内の80~90代の男女6人と女性の運転手が同乗、突然の揺れが襲ったのは、家族を呼び出そうと運転手の女性職員が一度車を降りた瞬間だった。車には前方、後方、車内の3カ所にカメラがあった。前方カメラは前後左右に激しく揺れる家屋の壁や塀が曲がり、家屋が次々と倒壊、地面が不気味に波打つ。画面は土煙で真っ白になった。車内のカメラでは高齢者の絶叫が響き、つかまりながらも車は左右に画面が大きく揺れている。後方カメラは、自転車を持つ男性が揺れで立っていられない。この間1分以上。すぐに大津波警報が鳴り、高齢者らが同じ方向に向かって一斉に走り始めた。歩行が困難な女性利用者は、近くの男性が背負って歩く姿が写っていた。幸いマイクロバスの高齢者はいずれも無事だった。この映像が1カ月近くたって見つかったのは、マイクロバスがその後、大津波に遭遇、被害を受けた車からカメラが発見され、「何かの参考になれば」と福祉団体が映像を提供した。
自民党安倍派は31日、政治資金報告書の2020年~22年分不記載の訂正を総務省に届けた。3年分4億円超と1面に見出しを取ったのは、読売新聞、東京新聞、産経新聞。朝日新聞と毎日新聞は、2018年~2022年の5年間の不記載は「5年間で6.7億円」と同じく1面に見出しを報じた。朝日と毎日は「あらたに3年分の収支報告書によると、パーティー収入として新たに計4億3588万円を記載、訂正前は2憶9744万円だったと報じた。政府にとって頼りの読売新聞の同日朝刊の見出しを拾うと「安倍派不記載全容見えず」「政務官2人辞任 政府・自民さらなる打撃」など岸田政権運営に赤信号をともす情け容赦ない記事ばかり。
朝日新聞は1日朝刊2社会面右の上から下までを使い、この3年間の不記載を追加された安倍派から議員への「寄付」額、裏金一覧を金額の多い順の議員の一覧表を掲載した。総数は91人。朝日新聞ならではの手間暇かけて作成した労作だ。野党は裏金議員の詳細を発表せよと政府に迫っている。この裏金を個々の議員は何に使ったのか、野党はこれから始まる予算委でどこまで迫れるのか、要注目。
衆院は1日午後の本会議で、柿沢未途衆院議員(東京15区)の辞職を許可した。柿沢氏の辞職に伴う補欠選挙は、細田博之前衆院議長の死去に伴う島根1区補選、自民派閥の政治資金規正法違反事件を受けた谷川弥一前衆院議員の辞職に伴う長崎3区補選とともに4月28日投開票で行われる予定。東京15区の後継候補者についてはどの政党も特定候補を明らかにしていない。小池百合子が都知事を辞めて同区から国政選挙に出馬するかどうかが最大の焦点となる。
日刊スポーツによると1日、「『週刊誌の記者自身の名前も報道する覚悟が必要』とフリーアナウンサーの櫻井知里がYouTubeチャンネルで私見を述べた」と報じた。櫻井知里は1日までにX(旧ツイッター)を更新。週刊誌報道の在り方について「これからは、週刊誌の記者自身の『名前』も報道する覚悟が必要ではないかと感じる。疑惑だけで週刊誌に公表されて…これだけ影響が出てしまうなら、取材する記者もそれ相応の責任を持って自らの名前を出して報道してほしい」とつづった。
一方、週刊文春(2月8日号)は、松本人志の性加害報道について、「橋下徹、D・スペクター、箕輪厚介(幻冬舎)、江川紹子4人の見解を掲載した。4人とも見解はそれぞれだが、「週刊誌が著名人を社会から抹殺できる権力を持つのは恐ろしい」という指摘もあった。週刊文春がこうした批判を誌面に掲載するのは異例だが、同誌が自らのありようを客観視する姿勢をアピールした形だ。