6月18日(火)メディア日記
新聞記事を二度も読み直すことは少ないが、17日朝日新聞夕刊社会面に大きく載った「ベニシアさんが愛した庭で」は何度も読んで心に刻んだ。京都の郊外に住んでいた英国女性、ベニシア・スタンリー・スミスさんは、清流が流れる山あいの集落、大原の里で、築100年以上の古民家を改造し、いつも花を愛して過ごした。NHK―BSやETVでたびたび放送されたベニシアさん出演の「猫のしっぽ カエルの手~京都・大原・山里の美しい四季の移ろい~」。ゆったり営まれる手づくりの暮らしと詩的映像でつづるライフスタイルの番組だった。毎回静かな感動をもらったものだ。先に逝ってしまった筆者の妻はベニシアさんの大フアンで、「こういう自然体の番組は何で民放は作れないの」が口癖だった。
初めて知ったことだが、この記事を書いた才本淳子記者によると、ベニシアさんは晩年、難病に苦しんだようだ。夫の山岳カメラマンの梶山正さんとは雪が積もる南アルプス仙丈ケ岳の山頂で結婚式をあげたという。夫と一緒に二人で大原の里で古民家を立て直し、ハーブの庭を共に作った。記事はベニシアさんの生き方にみならってか自然体だし、リズムもあって読ませる記事だった。(この項だけは敬称有)
週刊文春オンラインは18日午前、「都民ファーストの会」の事務総長を務めた弁護士の小島敏郎(75)が、小池都知事の経歴でカイロ大卒はウソがあるとして、公職選挙法違反(虚偽事項公表罪)の容疑で小池百合子東京都知事(71)を刑事告発した」と報じた。告発状は午前9時、東京地方検察庁に提出された。小島敏郎は午後2時から参院議員会館で記者会見した。午後の民放のワイドショーはどこも放送せず。
小池百合子は同日午前10時、オンラインで都知事選にむけて公約を発表した。記者会見ではなく、オンラインでのひとりしゃべり。出馬表明の公約発表を記者会見ではなく、オンライン形式にしたのはフリー記者から都合の悪い質問を避けるためだ。姑息な会見だった。25分説明したあと、あらかじめ指定された5人の記者からオンラインで質問を受けた。同日のTBSの「ひるおび」に出演した朝日新聞の林尚之ゼネラルエディター補佐は小池の公約発表について、「ゆっくりしゃべり、内容も聞きやすかった。小池はさすがだ」と絶賛していたのには驚いた。それを言う前にメディアの立場から小池が公約発表をオンライン形式で逃げたことを一言いうべきだった。
一方、蓮舫は午後2時、赤坂の貸会議室で記者会見し、「七つの約束」の公約を30分間説明、記者19人から質問を受けた。出馬を表明して以来の蓮舫に対するテレビメディアとネットメディアは概して冷ややかだ。小池の学歴詐称疑いは次々に新事実が出ているのに同日のテレビは一切報じなかった。
自民党が調査したマル秘の都知事選事前予想の数字が回ってきたが、小池百合子は蓮舫を10~15ポイント大きくリードしている。小池の自民隠しは功を奏しているようだ。
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