6月1日(木)メディア日記
5月31日のテレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」と「報道ステーション」の放送内容の落差が目立つので、記録しておきたい。
「モーニングショー」は、北朝鮮ミサイルのJアラート騒動を報道した後、日本政治の世襲問題を特集した。過去20年の首相で見ると、旧民主党の1人を含め9人中6人が世襲議員。自民党だけでいえば、菅義偉を除く全員が世襲。2021年に行われた前回の衆院選では、衆院議員465人のうち108人が世襲議員で全当選者の23.2%を占めた。元衆議院議員で弁護士の菅野志桜里は、「世襲議員は、社会人経験、専門性が乏しいため、辞められない議員になっていく。政治の悪弊の原点は世襲と指摘した。
一方、同日の「報道ステーション」のトップ項目は。熊本市の雑居ビルで派遣社員の女性遺体が見つかった事件。とくに目新しい事件の進展はなかったが、冒頭からCMを含む約15分間、構成はまるでワイドショー。「報ステ」は、ニュースステーション時代からの固定視聴者層を持っていたが、最近の同番組は、事故や事件が主流。社会性ネタの深みはまったく希薄。「平和ボケの報ステ」と揶揄され、多くの視聴者を失っている。担当者の奮起を望みたいが、これを阻害しているのは、「面倒くさいことはやらなくていい、視聴率さえ取っていればいい」という局側トップの意向ではないか。テレビ朝日の放送番組審議会の委員長は、早河洋会長とウマが合うといわれる幻冬舎の見城徹社長が2014年以来ずっと委員長を務めている。放送番組審議会は機能しているのかと言いたくなる。
原発の60年超運転を可能にするGX法が31日、参院本会議で自民、公明、日本維新の会、国民民主党の賛成で可決、成立した。1日朝刊では、東京新聞だけが1面トップ。
同紙は解説で、「原発依存は一時的にはエネルギー価格高騰の抑制策にはなるかもしれないが、核のゴミの最終処分は解決の見通しはなく、膨大なコストと事故リスクを国民がこれから背負うことになる」と警告した。
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