7月8日(土)メディア日記

 57年前、静岡県で一家4人が殺害された事件で、死刑が確定した袴田巌の再審=やり直しの裁判について、検察は10日までに有罪立証の方針を決め、再審が行われる静岡地裁に示すことになった。朝日新聞は8日朝刊1面トップ。NHKは8日の朝ニュースで大きく報じた。弁護側は年齢などを踏まえて早期の無罪判決を求めていたが、審理はさらに長引くことになった。

 刑事訴訟法は再審開始について「無罪を言い渡す明らかな証拠」があった時と規定し、再審無罪判決が言い渡される公算が大きい。こうしたとき、検察が有罪立証を求めて再審公判に臨むのは異例。検察のメンツなのか。引き延ばしたいのか、高齢の袴田巌を死刑にしたいのか、いずれ酷な有罪立証には変わりない。

 今年5月に銀座の時計店で起きた強盗事件で、東京地検は7日、18~19歳の少年3人を強盗と建造物侵入などの罪で起訴し、実名を公表した。昨年施行された改正少年法で18歳19歳の「特定少年」が事件を起こして起訴された場合は、実名報道が可能になった。但し、8日朝刊の扱いはバラバラ。

 実名報道したのは、共同通信、産経新聞。匿名扱いにしたのは、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、時事通信。東京新聞と日経新聞は記事自体を報じなかった。朝日だけは「おことわり」として、「今回の事件は、事件の内容と少年法の理念を総合的に考慮し、匿名で報じます」と報じた。
参考 共同通信によると、起訴された3人は、梓沢竜磨被告(19)、設楽ブライソン龍被告(19)、鳥居聖真被告(18)=いずれも横浜市。

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