Steelrisingをプレイ: 美麗なグラフィックと気乗りしない政治劇
Steelrisingをプレイしました。ジャンルとしてはアクションRPG。PlayStation 5でプレイして、エンディングまでは14時間程度でした。サイドクエストをスキップすればもう少し早く終わると思います。
2024年2月のPS Plusフリープレイで配布されたタイトルです。
概要
舞台はフランス革命。暴君ルイ16世が自軍の兵士を機械人形に置き換えるという架空の設定です。
主人公となるのも機械人形のアイギス。ルイ16世の妃マリー・アントワネットの勅命を受け、王と配下の機械を止めるためパリへと向かいます。
所謂ソウルライクの面を持つこのゲームは、装備する武器によって戦い方を変えられる点が特徴です。パリィを狙うか、回避と防御を中心に立ち回るかは武器とステータスによって自由に選択可能です。
良かった点
フランス革命を舞台としているだけあって、庭園や街並みは非常に綺麗に描かれています。大半はロボットによって荒廃してはいますが、歴史的な建造物や豪華絢爛なインテリアは見物です。
敵として登場する機械人形もデザインに凝っているものが多く、無感情ながらも強烈な個性を放っています。楽器を弾いている個体たちが、奉仕するはずの貴族や民衆のいない中でも演奏を続けて闊歩している姿が特に印象的でした。
主人公アイギスの姿も一部カスタム可能で、塗装の色や髪形を自由に変えられます。個人的にタイトルやカバーアートの髪型は違うものにした方が売上が伸びたんじゃないかとも思います。
戦闘のバランスも難しすぎず、各個撃破を意識すれば攻略不可に感じる場面もありませんでした。特に後半は主人公の成長が早く、道中苦戦する頻度もボスを除いて少なくなりました。武器やコスチュームも豊富に用意されているため、自分に合った装備を組み合わせられるのも利点です。
日本語訳もほぼ完璧でした。途中のフランス語は原語にルビが振られ、歴史的な文書では堅い文体になったりと随所にこだわりを感じました。
気になった点
登場するNPCは似たり寄ったりで、フランス史に興味を持つ人以外はあまり愛着が湧かないかもしれません。特に男性NPCは髪型と髪色が殆ど一緒の上に、後半は同じ場所に集まるため声と口調ぐらいでしか判別できません。
メインストーリーは機械設計者でありアイギスの生みの親を探す目的に沿っていますが、それに付随するサイドクエストではフランスの内政や歴史にまつわるものが多く、あまり興味をそそられませんでした。
クエストの内容も一度訪れたマップを再訪してアイテムを探すものが中心で、新鮮な出会いも一体のボスを除いてありませんでした。
戦闘や探索においても、ジャンルの宿命として比較対象にされてしまうフロムソフトウェア作品に比べると一段劣ってしまう印象です。上手くまとまってはいるのですが、いくつかの武器は攻撃速度が遅くて使い物にならなかったりと問題点も見られました。
これは自分の環境のみかもしれませんが、ゲーム開始直後のチュートリアルステージはフレームレートの低下やカクつきが頻発し、プレイに支障が出ました。ステージが切り替わった途端に再発しなくなりましたが、フリープレイで大多数に配布する以上はパフォーマンスを見直して欲しかったというのが正直な感想です。
最後に
久々に遊んだソウルライクRPGという事もあり、エンディングまで楽しんでプレイすることが出来ました。いくつか気になる点はあるものの、アクション自体は手応えと達成感を感じられる満足な仕上がりだったと感じます。
ゲーム自体の完成度とは裏腹に、あまりメディア等からの注目を受けていないようにも感じました。
実際自分も発売時には気づきませんでしたし、ファーストパーティーのショーケースやイベントでトレーラーを観た記憶もありません。ユニークな舞台設計は一部の人に特に刺さるように思います。
フリープレイにも配信されたことですし、多くの人に体験して欲しいと感じた一作です。
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