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専攻医として最初の半年が終わりました。

皆さんお久しぶりです。
先週末で半年間の亀田での研修を一旦終え、現在夏休み中で引っ越しの途中ですが、
趣味の飛行機での遠出も捨てきれず、今はシンガポールにいながら次の半年に向けた準備を進めています。

移動する人はうまくいく、という本を最近書店で見つけましたが、生産性が高まるという点はあながち間違いではないですね。家で作業をしている時より確実にサクサクと作業が進んでいる感じが。。。

、、、と文章を考えていたら東大での研修が始まってしまいました。笑

さて、振り返ってみるとこの半年間は日々の診療に加え、学会発表や院外のアウトリーチ活動など様々な活動をさせていただきました。

あげればきりがないですが、その中でも印象に残っている医ケア児のことを少しだけ。

医ケア児というと理念に強く共感するフローレンスという会社の事業がすぐに浮かびますが、自分にとっての最優先の興味ではありませんでした。
しかし、実際にこの半年で医学的ケアを必要とする一人のこどもが退院するまでにやるべき社会調整を、自分が主体となって実際に施設に出向いて関わらせていただいたり、医ケア児における災害対策会議にも参加させていただくなどし、感じ方に大きな変化がありました。

医ケア児に関わる法律も整備され始めてはいますが、まだまだ発展途上の領域です。
医ケア児を受け入れてくださる施設の方と話をして、いかに当たり前に院内で行っている吸引など医療的処置が、実際には当たり前ではない、と改めて気づきました。

医療的ケアが必要になったときの不安を取り除くことができなければ、実際に法は整備されても、実際の受け入れには至りません。
いかに病院などのサポートがすぐにできるか、その連携がスムーズに行われなければいけないと思います。

また、退院までに使える社会的サービスの準備、自宅内の整備、退院後に起こり得る問題の対応策の検討など、クリアしなければいけない壁は多く、その内容は多岐にわたります。
上級医の先生方や多職種の方々との会話から日々学びを得ながら、決してスムーズではなく遠回りもしましたが、ひとつひとつ乗り越えることができました。

これらの問題をクリアして、ようやくはじめて、医ケア児とその家族の生活が成り立つのだと思います。

前例がなければできない、というような声は当たり前ですが、
誰もやっていないようなことに協力して取り組んでいく、というプロセスを経験できたことは今後にとっても大きな財産となりました。

本当は退院の瞬間をこの目で見届けたいと思っていたのですが、なかなか思うようにはいかず、最後バトンタッチせざるを得なかったのが心残りです。

今回患者さん本人やご家族、関わった全ての関係者の方々からたくさんの学びをいただきました。本当にありがとうございました。

そんな自分にとって2年半の研修を行う亀田総合病院はBio, Psycho, Socialのバランスが取れ、やりたいと思ったことは何でもやらせていただける、本当に恵まれた環境だと、改めて振り返って感じています。
(心の底からそう思うので、亀田小児科に興味があれば誰でも声をかけてください!)

もともとPsycho, Socialに興味がいきがちでしたが、やはり、医師として基盤となるBioの重要性を叩き込んでくださった先生方には本当に感謝の気持ちで一杯です。
働きはじめて、あまりに自分のBPSモデルが歪んでいたことに気付かされ、落ち込むこともありましたが、同時に少しずつですが前に進んでいる実感も得られました。

亀田での診療にどう還元できるかを考えながら半年間東大で頑張っていきます!

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