私がMRだった頃のお仕事の話
MRって聞くとどんなイメージを抱きますか?
給料が良くて、ピシッとしたスーツを着て先生方をサポートする製薬会社のクールな仕事?それとも、女子にモテる?生産性が悪い?なんて声もありますね。
本日は、私がMRだった頃の実体験を通じて、MRのお仕事についてお話しします。
大きな目的と役割
MRの最大の目的は、当然ながら自社薬剤の販売拡大です。
でも、MRは医薬情報担当者なので、直接売って代金回収をするということはありません。
このため、売上成果がわかりにくいという問題がありました。
私がMRだった頃は、チーム(エリア)全体の売上や、セッション(エリア製品群)での売上成果を見ていました。
特にMRのKSF(キーサクセスファクター)は、チーム力だと言われています。
成果の評価
個人成果を評価するためには、KPI(キーパフォーマンスインジケーター)という指標が使われます。
これは目標達成に向けたプロセスの進捗状況を定量的に評価・分析するための指標です。特に、「説明会」や「研究会(学会、オンラインセミナー)」が重要な指標となります。
次に、「薬剤委員会での薬剤採用」が挙げられます。
新薬メーカーならわかるかもしれませんが、薬剤採用は意外とスムーズにいくケースが多いです。
しかし、説明会での情報提供から処方に繋げるまでは非常に努力が必要です。
コロナ禍での変化
コロナで得たオンラインのセミナーや説明会、学会なども増え、MRの絶対数は減少しました。
そのため、領域が細かく分かれて営業をかける戦略の会社もあります。
基本的に、自分から情報を取りに行くか、オンラインで情報を取得する環境に慣れることが重要です。
開業医は医師会からの情報提供を受けていることが多く、医師会とタイアップして良い関係を築こうとするメーカーも増えています。
MRの1日
私の1日は、朝大学での挨拶から始まります。
医局前で医師に挨拶をした後、卸に行ってMS(マーケットスペシャリスト)と情報交換をします。
昼間は外来待ち、夕方までは周辺の薬局や医師会、DI室で情報提供を行います。
夕方から夜にかけては外来待ちや医局待ち、夜には説明会や医局会、研究会があればそれに参加します。会食があれば、その後に医師と会食も行います。
現在は規制があり、会食は行わず、営業所に戻ってセールスフォースやキントーンで日報管理や営業進捗管理の入力に時間をかけることが多いです。
これを365日繰り返すのがMRの仕事です。
だいたい15時間労働で実際に営業している時間は1〜1.5時間なので、生産性が悪いと言われる理由もわかります。
待ち時間は果てしなく長く、狙っている医師がいる場合、ハンターのような目つきで待つこともあります。
それが私が経験したMRの仕事です。