「俺、これしかつくれねぇけどな」
麦茶を注げば水溜りをつくり、納豆を混ぜれば足元に粘りのトラップを仕込み、ホットケーキミックスを混ぜれば粉がスターダスト…の次男(5歳)の話。
noteに出会って慣れない書物をし始めた。つい数日前3つ目のお話の中に『おむすびころりん』の物語を思い浮かべながら書いた部分がある。
そしたら、まさか今日私の口に“塩むすび”が届くなんて。
おむすびころりんすっこんこ
息子たちは塩むすびが好きだ。質素な食事がバレる(笑)
おむすびころりんのお話も好きだ。
「じぃさや、じぃさ。もっとくれろ、もっとくれろや塩むすび〜」
ネズミのマネをして「塩むすびしてくれろ?」と時々頼まれる。私は、その時じぃさまだ。どちらかというとばぁさまだけどな、、
ちょっとだけ休ませてくれろ
この日は、なんだか本調子ではなくて、末の娘が寝た隙に、ちょっとだけ横にならせて?と兄Sに頼んだ。「オッケー!」さらりと応えてくれたので、ちょっとほっとしながら、すまんちょっとだけ二人で遊んでてね〜と思っていたら、聞き慣れた音。
ガッポン(←炊飯器開く音)
えぇぇぇ!!!!何するつもり?いいって言ったからぁ!ソファに横になりかけたところだったのにぃ(泣)秒で跳ね起きたよ、ばぁさまは。。誰かと思ったら…
次男だ。
「俺、これしか作れねぇけどな!」
冒頭に書いた通り、プチハプニングを引き連れて“お手伝い”をしてくれる次男。
今かぁ…はぁ…なんで今?やっぱり横になんてなれん(泣)「もぉ…何してんの?!ママやろうか?」と口と手を出しそうになったその時だ。
「俺、これしかつくれねぇけどな、塩むすび作ってやるから待ってろよ!」
え?
普段そんな喋り方しないのに、なんだか男気たっぷりだ。仮面ライダーあたりの主人公が誰かを救うときに格好良く言いそうな言葉遣い。
きっと、さぞゾンビ顔だったのだろう、私を助けようとしてくれたのだ。
世界一うまい
美味すぎて、泣いた。
まだ三角は握れないので、ごつごつのじゃがいもみたいな塩むすび。塩加減もワイルド。なのに美味しい。
もし、手と口が出てしまっていたら、こんなにうまい“塩むすび”は食べられなかった。
よかった。
それに「ありがと〜美味しかった〜!!」と言われたときの、あの満足げな顔を見る事はできなかった。
…よかった。
予定通り、米たちは炊飯器周りにこぼれ、更に床のトラップとなった。でも、そんなの大人が片付ければ秒だ。大変だと思ってしまうのは“こぼされたという気持ちのせい”で、事態は大したことない事も多いのかもしれない。「拾いなさい!」なんて、この優しさの前に言えるわけがなく、片付けは勿論私がした。もちろん秒で。
踏まれたら困るから。
摘まなくて良かった優しい芽
好きな人に優しくしようと思ったとき、拒まれたらどんな気持ちがするだろうか?
優しくしたいのに、こんな気持ちになるなんてもうやってあげたくないな…と思わせてしまったかもしれない。思いやりや、気遣いの芽も摘んでしまったかもしれない。
逆に、優しくして喜ばれたら?
きっとまた誰かに優しくしてあげられるのだではないだろうか。相手が嬉しいと自分も嬉しいなんて素敵な事だ。それに“優しい子”なんて、最高の褒め言葉だと私は思う。
信じて任せてみよう
本調子でなくてのそっとしていたお陰、怪我の功名というやつ?
何だって私がやった方が早いに決まっているし、床が汚れるリスクも格段に低い。だけれど、それではできる事の少ない子になってしまうかもしれない。つい手も口も出してしまいがちだけれど、なかなか余裕もないけれど、ちょっとひと呼吸おいて、任せる事も増やしていきたいと思った。
つい忙しさの中で忘れがちになってしまう自分が読み返せるように書いたnote。
おむすびころりんの塩むすびが、美味しい理由が、わかった気がしている。