街との出会い
私にとって、2021年の出会いの中で、最も印象に残ったことは、7年ぶりの引越しだ。
行ったこともないのに街の名前だけ知っている、という状態で気になる物件を不動産屋に問い合わせ、内見した後、契約して決まった引越しだった。
住み始めて、やっと1ヶ月が経過し、まだ土地勘の無い場所だらけだけれど、自宅周辺のことはだいぶわかってきた。この街に住んでみなければ、知らなかったままの何かとの出会いが結構あっておもしろい。
今住んでいる街は、東京に比べたら、とんでもなく静かだ。けれども、静かさの中に、時々、東京に住んだままだったら知らなかった騒音の種類があることを知った。けれども、その騒音には理由があるし、有事の際にはお世話になるかもしれないな、とどこか他人事でもあるけれど、私にとっては迷惑がるほどの音ではない、ということだ。
東京での暮らしに比べたら、不便なこともあるけれど、便利過ぎる暮らしを手放したからこそ得られる快適な生活があることも実感している。
思いがけず引越してきた街での暮らしは、自分にとっての快適とは何なのかを知るための出会いだった。