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「推し活」の民主化と、クラウドファンディング。〜推すとは何なのか?〜

こんにちは。達川幸弘です。

今はCAMPFIREという会社でマーケティングをしたり、ほそぼそと個人でも企業のマーケティングのお手伝いをしていたりします。

マーケティングと進化心理学をつなげるブログという実験的な試みをしております。

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エンタメ ✕ クラファンが伸びている

エンターテイメント領域のクラファン流通総額・プロジェクト単価の伸び
エンターテイメント領域のクラファン流通総額・プロジェクト単価の伸び
参照:アニメ・漫画・ゲームの創作活動をクラウドファンディングで広げる。CAMPFIRE、「コミックマーケット104」に初出展

先日、弊社CAMPFIREが出したクラウドファンディングに関するリリースで、「エンターテイメント領域」が大きく伸びているという記載がありました。

実は入社当初からエンターテイメント領域のクラウドファンディングに関してはとても可能性を感じており、マーケティングにも力を入れている領域です(まだまだやりきれていないことだらけですが)。

今回はなぜこのクラウドファンディング  × エンターテイメント領域が伸びているのかと、如何にクラウドファンディングがエンターテイメント領域に関わる方にとって重要なツールであるかを、

  • 推し活という観点

  • そもそも推すとは何なのか?

という観点を交えて解説したいと思います。

※以降は会社としての公式見解ではなく、僕個人の見解です

「推し活」の民主化

Googleトレンド「推し活」の結果
参照:Googleトレンド

「推す」という言葉は2000年代のオタク文化と広がりとともに普及したワードとして知られていますが、そもそもの「推す」という行動様式・応援形態自体は江戸時代の茶屋娘・歌舞伎役者・女義太夫まで遡ります。ここで多くは説明しませんので詳しくは以下などを参考にしてみてください。

推しとは「ほかの人にすすめること。また俗に、人にすすめたいほど気に入っている人や物」 のことです。昨今では推しという言葉だけでな く、「推し活」という派生した言葉が使われるこ とも増えてきました。

今どき推し活事情:国民生活センター

このような「推し活」が2021年に「新語・流行語大賞」にノミネートされ、オタク的なニュアンスを持つ行動様式ではなく、誰もが「自分の推し」を見つける行動様式へと変化しました。

2022年の調査では「推しはいますか?」と問に対して、93.7%が「はい」と回答しています。

しかし、40代の僕が振り返ってみても「◯◯のファンである」という似た意味合いの言葉は存在していましたし、ファンとなったアーティストなどに対してお金を使うことも特別不思議なことではありませんでした。

前述の通り、誰かを応援する行動様式は、遥か昔の江戸などから日本文化に根付いています。

では、近年の「推し活」では、一体何が変わったのでしょうか?

接続可能なコミュニティの拡大

かつてのコミュニケーションツールとしてのアーティスト

「推す」という言葉にはオタク文化から派生したニュアンスが含まれていると説明しましたが、「オタク文化」とはどのような特性をもつのでしょうか?

この問いに対して私は、

「近接するコミュニティの中でコミュニケーションツールとして機能しにくい分野に対し、知識を深めたり時間やお金を投資したりすることを容認する文化」

であると定義しています。

インターネットやスマホなどが普及する前の時代では、学校や会社・サークルなど、接触時間が長く他者との関係性が構築しやすい場を見つけようとすると、リアルに接触をするという成約があるため接続可能なコミュニティに限界がありました。

そうなると必然的に、そのコミュニティの中でコミュニケーションを円滑に進めようとすると「趣味が近しく、共通項が探しやすい人」のファンであるという表明をすることで共通言語を持ちやすくなります。結果として所属意識が生まれ、孤独を防ぐ機能を果たします。

その際に共通項を見つけるには、知名度が高いアーティストやコンテンツの方が、コミュニケーションツールとして機能しやすくなります。

現在のコミュニケーションツールとしてのアーティスト

しかし、インターネット・スマホSNSなどの普及により接続可能なコミュニティの制限がなくなりました。それまでは、認知度の低いコンテンツではたとえ自分が好きでも、同じ趣向をもつ人を探しにくいというハードルがありましたが、現在はあらゆる趣向の人物とつながり、コミュニティを見つけられるようになったことで、コミュニケーション難易度が劇的に低くなりました。

コトラーは、このような時代の変化を著書『マーケティング4.0』の中で「接続性の時代」と呼んでいます

知名度が低いことを意に介さず、コミュニティに属さなくても続けられるほどの熱量を持った人間のみがファン活動をしていた領域が、SNSなどの登場により融解したことを、「オタク文化から派生した」と表現しました。

「自分が推したい」と思いさえすれば、「メインストリームを推さない少し変わった人」扱いされなくなったということが、民主化の意味するとこであると考えます。

このような動きが徐々に浸透し、「流行語大賞にノミネートされる」など、「言語が一般化する」ということも、民主化に大きな役割を果たしていると考えられます。

メインストリームにいない個人や団体を、個人の趣向で推すということが、リアルなコミュニティや村社会からの隔絶を意味しないというお墨付きを得たことになるので、言葉が普及すればするほど多くの人が「推し活」をしやすくなるのです。

「推し活」の言語的普及が「推し活」をしやすくしたと言えます。

しかし、上記で紹介した記事にもあったとおり「推し」が誰かを聞くのはNGという性質から、必ずしも知名度の低い人を推すこと自体がどんな所属コミュニティであってもオープンになったとは言えないことは注意しなくてはいけません。

「推しがいることは不思議ではないけれど、そこを深く掘り下げるようなコミュニケーションは野暮である」といったところでしょうか。

つまり、リアルで所属するコミュニティ内での振る舞いと、SNSなどで所属するコミュニティなどで、人格を使い分けながら「推し活」をしている様子が伺えます。

まさに「分人」という言葉に代表されるような振る舞いが、今も地続きになっていると考えられます。

「いやいや、『推しメン』といった言葉は、AKBなどのグループにおいてどのメンバーを推すかなどを示す言葉として普及し、AKB自体はメインストリームで知名度も高く超メジャーだったのでは?」

と感じられる方もいるかもしれません。この認識は正しくこの構造理解こそが今回の重要なポイントのため、後ほど詳しく解説いたします。

ここではさらに、コンテンツを享受する環境面についても掘り下げてみたいと思います。

個別最適化されたコンテンツの享受とメインストリームの希薄化

コミュニティが発見しやすくなったという環境要因について考えてみましたが、享受するコンテンツそのものと環境についてはどうでしょうか?

2024年の総務省の調査によると、全年代において平日のインターネット利用時間の平均は146.0分、休日は193.6分となっており、さらに同調査ではスマートフォンの利用率が全年代で97.1%と、ほぼ100%に達しているという結果がでています。

出典:総務省「令和5年通信利用動向調査」
出典:総務省「令和5年版 情報通信白書」

ひと昔前、人々が多くの時間を費やしたメディアはテレビでした。限られたチャンネルで同時間にコンテンツを配信する性質上、テレビは知名度の高いコンテンツを生み出しやすい構造を持っていました。

しかし現在、Instagram・TikTok・X(Twitter)などの主要SNSプラットフォームに加え、YouTubeなどの動画配信サービス・Spotifyなどの音楽配信プラットフォームでは、提供されるコンテンツが「パーソナライズ」されることが前提になっています。

つまり、Aさんのスマホと、Bさんのスマホでは、同じメディアを利用していても、全く違うコンテンツが提供され、共通のコンテンツを消費するのが難しくなってきているのです。

もちろん、メインストリームが完全になくなった訳ではなく、共通言語として機能するアーティストやコンテンツは存在していますが、それ以外のコンテンツに割く時間が過去に比べ圧倒的に増えています。

パーソナライズを前提としたメディアで提供されるコンテンツ・アーティストなどを推す活動は、SNSやネット上で形成された別のコミュニティーが存在しているため、リアルとは別の自分として「推し活」をすることは全く不思議ではありません。

このように、消費するコンテンツのパーソナライズ化という環境的変化と、あらゆる趣向のコミュニティへの接続可能性が、「推し活」という行動様式の民主化を後押ししたと考えられます。

推すとは何か?

では、クラウドファンディングの話に行く前に、もう少し「推す」ということの構造的な理解を深めてみたいと思います。

貢献と承認

先ほど「メインストリームでない」という対象を応援する行動様式のほうが「推す」というニュアンスの理解に近しいという話をしましたがこれはなぜでしょうか?

前回のブログで考えを述べさせていただいた、コミュニティを形成する上で重要だと主張した「貢献」と「承認」の関係性がここでも登場します。

貢献と承認

ここでもその構造を利用して考えてみます。

自分の応援していた「有名ではない」アーティストやグループが、有名になっていくことに「嬉しい反面、物悲しい」と感じたことはないでしょうか?

僕自身もインディーズバンドをしていた経験があるため、よく分かるのですが、熱心なファンであればあるほど、こういった感覚を覚えたことがあるはずです。

一体この感覚は何なのでしょうか?

自身の行動による影響度の高さが及ぼす貢献実感

アーティストの知名度とファンの貢献実感の図

自分の「推し」行動の影響力は、知名度と反比例します。

無名で「推す」人がいなければいないほど、1人の「推し」による影響力は大きくなり、知名度の向上とともに「推す」人が増えれば増えるほど、1人の「推し」による影響力は小さくなります。

つまり、自分が「推す」ことでアーティストやグループの活動が成り立って、感謝されているという実感は、知名度が低く自分の影響力が目に見えやすいほど、貢献実感に転化されやすいのです。

ところが知名度が高まり、影響力が大きくなると、この力関係が反転します。

アーティストやグループは、それまでは「推される」ことでファンから力をもらっていたのですが、影響力が大きくなると、逆に「力を与える」側に回ります。

「ファンの応援なしでは成り立たない」

という立場から

「ファンの人達に与える」

という立場に回るため、今までは「推す」ことによって貢献できているという実感を得ていた状態から、自分たちはもう必要なく、むしろ今まで推していた人が与える立場になってしまったという実感が、この物悲しさの正体だと考えます。

知名度が高くなったアーティストの2つの生存戦略

では知名度が高くなったアーティストやグループはどのようにしてその後もファンの支援を受け続けるのでしょうか?

「貢献」と「承認」の構造でいえば、承認を得るのが難しく、コミュニティが健全に機能しないように感じます。

生存戦略は2つ考えられます。

まず一つは「神格化」戦略です。これは、「承認」が与えられることのレアリティを極限まで高め、「承認」が得られにくいことが普通である構造を作りだします。

宗教が神格化の極端な例といえます。宗教においては、神は常に絶対的な存在であり、信者は神から直接的な承認を得ることはできません(というふうに見えます)。にも関わらず、信者は神への貢献を続け、コミュニティを維持しています。

これは、神が存在として絶対であるという観点以外に、「承認」のレアリティが極限まで高まっており、貢献に対して即効性を持って「承認」が現れることが前提となっていない構造にまで昇華できていることが大きな要因です。

例えば、宗教によって私生活で遵守すべき様式が数多く定義されていたとしても、その効果得られる(承認)のは「死後」であったり、「奇跡」と呼ばれるほど超常的な現象として語られたりと、そもそも「承認」は得られると期待していても、実際にはレアリティが高すぎて目撃することが困難であるという構造ができているのです。

余談ですが、「神格化」されていない状態で、ファンの人達に過剰な「貢献」を求めることを、「搾取」と呼ばれることがあり、こうなった時に炎上は起こるので注意が必要です。

「貢献」が過剰に見える場合、コミュニティに所属している人たち以外から「宗教的」と揶揄されるのはまさに「貢献と承認」のバランスが貢献に大きく偏っているにも関わらず、当人たちがそれを意に介さないほどにのめり込んでいる状態に見えるからです。

しかし、現代において、アーティストが神格化するのは容易ではありません。

なぜなら、接続の時代においてSNSなどでアーティストとの距離感が近くなっています。さらにクリエイターの絶対量も増え、楽曲の消化スピードも早まり、ひとつの楽曲やコンテンツを神格化に到達するほど、大勢の人に継続的に消化してもらうことの難易度も上がっています。

「姿が見えない」というような性質のアーティストや、死後のアーティストの方がその構造を機能させやすくもあり、多くの場合汎用性がない状態だと考えられます。

推し活とクラウドファンディングの相性の良さ

では、もう一つの戦略は何でしょうか?それは、シンプルで「承認を与える構造」を保持し続けることです。

神格化戦略は「承認をアーティスト側から個々に与えるのが難しい」という構造的な問題から選択された手法だとも言えます。しかし、「承認を与える構造」を保持しつづけられれば、アーティストの持続可能性は高まると考えられます。

僕が最も「貢献と承認」の構造をうまく取り入れたアーティストだと感じるのが、まさに「推し」という言葉の一般化に大きく影響を与えたAKB48やそのグループの戦略です。

AKB48自体はビッグアーティストの地位にまで上り詰めたことは明確ですが、その構造を紐解くと「貢献と承認」の機能をうまく利用していたことが分かります。

AKBによる推し活を構造的に理解する

AKB48最大の特徴といえば「握手券」「投票券」です。

通常、自分がファンである著名なアーティストのCDを1枚買ったとしても、それがアーティストの活動自体に影響を与えている実感を持つことは難しいでしょう。自身が与えている影響に対して、アーティスト側が提供するコンテンツや世界観とのGAPが大きすぎるからです。

しかし、AKB48ではCDを複数枚買い、特定の「推しメン」に投票することで、明確に数値に跳ね返る「総選挙」というシステムを構築しました。

これにより自身の貢献による「影響」が可視化されたため貢献実感が生まれやすくなります。

また、貢献実感の場を数値だけではなく「握手会」という直接コミュニケーションができる場を設けることで「承認」の機会を作り出しました。

この構造を、あの規模で実現するために必要なものは「アイドル側の所属人数」です。恐らくこの構造は数名のアイドルグループでは限界があり、知名度が上がっていった場合成立しなくなります。

握手会の⼈数が裁けなくなったり、投票をしても規模が票が分散せず、1票の重みが軽くなり貢献実感が生まれません。

AKBは2014年5月には139名が所属しており、多数のメンバーにファンが分散することで、特定のメンバーを熱心に応援するコアなファン層が生まれ、そのファン層にとっての1票の重みが増し、貢献実感につながっていたと考えられます。

この構造により、知名度が高くなればなるほどアーティストが応援される側から、応援する側になっていく構造から脱却し、知名度が高いにも関わらず「応援される立場」でい続けることができたのです。

これにより、ファンは貢献と承認のバランスが崩れることなく、常に貢献実感を得ることができ、熱量が下がらなかったと考えられます。

クラウドファンディングが生み出す「推す」ことによる貢献実感

エンタメ×クラファンが生み出す貢献実感の構造

アーティストの知名度に関わらず、このAKB48のような「貢献と承認」の構造を生み出すことができるのが、「クラウドファンディング」です。

近年であれば、YouTubeのスーパーチャットなどにみられる「投げ銭をしてくれた人に対してコメントをする」という、「承認」を作り出す構造は一般化してきました。

しかし、その金額がどれくらいその人・そのアーティスの活動に貢献できているかという「貢献実感」を生み出す装置はなかなかありません。

その中で「貢献と承認」の両立ができる装置として「クラウドファンディング」が活況になっています。

アーティストがクラウドファンディングを立ち上げ、そのプロジェクトに支援し感謝を受けることで「アーティストに貢献できている」という貢献実感を生み出すことができ、ファンの熱量は高まります。

しかし、ただ著名な方がクラウドファンディングをするというだけでは「貢献と承認」の構造は上手く機能しません。

クラウドファンディングを立ち上げる方(起案者)に求められるのが、「ファンと一緒でなければ実現できないこと」を提示できるかどうかです。

LIVEのチケットやTシャツをリターンにするだけでは、普通の物販と何ら変わりません。リターン自体はチケットやTシャツでももちろん良いのですが、重要なのは「何を実現したくてクラウドファンディングをするのか?」という企画そのものです。

その企画が「ファンと一緒でなければ実現できないこと」であれば、ファンは支援をすることによって、アーティストが実現したいことの一助になれたという貢献実感を持つことができます。

さらに支援してくれた人に対して、感謝の言葉をつたえることで「承認」を生み出すことができます。

CAMPFIREでは、ライブ配信中に「スパチャ」のような感覚で支援ができる「CAMPFIRE Fireball」というシステムもあります。

このツールを活用して、「ファンと一緒でなければ実現できないこと」を企画としたクラウドファンディングを実施すれば、どんな規模のアーティストであったとしても、「貢献」と「承認」を同時に生み出し、ファンの熱量を高めることができます。

もちろん、そのファン同士の拡散によって、SNS上で一種のお祭りのような盛り上がりを見せることが、ファンのコミュニティへの所属意識も高まります。

繰り返しになりますが、この構造の素晴らしいところは、知名度の高い低いに依存しないことです。

クラウドファンディングを企画することで、「知名度に関係なく」貢献と承認の構造を生み出し、ファンの方々の熱量とコミュニティへの所属意識を高めることができるのです。

「ファンと一緒でなければ実現できないこと」って何?

では、「ファンと一緒でなければ実現できないこと」って、具体的に何なのでしょうか。

幾つかCAMPFIREで実施されたクラウドファンディングの事例を共有いたします。

■アーティストについて
BiSHは「楽器を持たないパンクバンド」というキャッチコピーで活動していた日本の女性アイドルグループです。惜しくも 2023年6月29日をもって解散しましたが、解散ライブは東京ドームで行われるほどの知名度でした。

■クラウドファンディングの概要
BiSHのモモコグミカンパニーさんが、エッセイ集を出版するプロジェクトです。クラウドファンディングという形でファンから資金を募り、その過程をファンと共有します。具体的には、執筆中のエッセイを毎週メルマガで配信し、ファンからのコメントや感想を募り、モモコさん本人からの返信も行うという、共創性の強いプロジェクトです。

■なぜファンと一緒でなければできなかったのか
コロナ禍で出版業界が厳しい状況にあり、予定していた書籍の販売が難しくなっていることが理由の一つでした。

このプロジェクトは、従来の書籍出版とは異なり、ファンと密接に関わりながら進められる点が特徴です。従来型の出版では、出版社が資金を負担して書籍を制作し、書店に流通させて販売します。しかし、このプロジェクトでは、ファンからの支援金によって資金を調達することで、出版社側のリスクを軽減することができます。

また、それだけでなく、ファンと一体になって作品を作り上げるというBiSHの活動スタイルを反映していることも特徴的です。資金面でのリスクを抑制しつつ、ファンとの交流の機会を創出し、ファンと一緒にファンの求めているものを作り上げることで、ファンとアーティスト双方にとってメリットが生まれてまいます。


■アーティストについて
「MELOGAPPA」はYouTubeチャンネル登録者数80万人を突破(2024年8月時点)し、2022年には全国Zeppツアー、2023年には中野サンプラザホールと大阪オリックス劇場でのホール公演を開催するなど、人気を博している音楽ユニットです。

■クラウドファンディングの概要
初のオリジナルアルバムCD制作とMV制作をするために、メンバーのオリジナリティとこだわりを詰め込んだ楽曲制作を行い、"アーティストMELOGAPPA"としての一面を世に放つことを目指したプロジェクトでした。

■なぜファンと一緒でなければできなかったのか
オリジナルアルバム制作とMV制作には、楽曲制作費、CDプレス代、MV制作費など、多額の費用が必要です。すべてを自己投資してから回収するにはリスクが伴いますし、そのリスクを回避するためにCDやMVを作成しない、もしくは低コストで作成するとなると、ファンの方に喜んでもらえるクオリティのものができない可能性があります。

またMELOGAPPAさんは「音楽を“皆さんと一緒に楽しむ”」ことを大切にしています。ファンの方々にとっても クラウドファンディングを通して、オリジナルアルバム制作という夢を共有することで、共に作品を作り上げる一体感を醸成することができました。

ファンの方々は単にお金を出すのではなく、その対価として特別な体験やファンが求める形に残るものを得ることができ、ファンとアーティスト双方にとって有益な関係性を築くことができた事例だと言えます。


■ミオヤマザキについて
「ミオヤマザキ」は4人組ロックバンドで、圧倒的なライブパフォーマンスで人気を博しています。代表曲「メンヘラ」をテーマとしたプロモーションアプリ「マヂヤミ彼女」は、App Storeのランキングで1位を獲得し、累計500万ダウンロードを突破するなど、大きな話題となりました。2014年にはソニーミュージックからメジャーデビューを果たし、日比谷野外大音楽堂やZeppTokyoでのワンマンライブを成功させています。国内のみならず、フランス、ドイツ、香港など海外での活動も積極的に行なっており、海外にも熱狂的なファンを獲得しています。

■このプロジェクトの概要
2020年1月11日に横浜アリーナで開催された、ロックバンド「ミオヤマザキ」のワンマンライブをDVD化するプロジェクトです。目標金額700万円に対して、最終的に3900万円を超える支援を集め、目標を大きく上回る成功を収めました。ファンは、DVDやライブ音源CD、限定グッズなどのリターンを受け取ることができました。

■なぜファンと一緒でなければできなかったこととは?
DVDは配信などと違い、プレスをして、在庫を持ち、流通するという先行投資が必要になり、そのプレス枚数なども販売数を予測してする必要があり簡単にできるものではありません。またクオリティの高い映像作品を制作するためには、従来の資金調達方法では限界がありました。

しかしこのプロジェクトは、単に資金調達だけが目的ではなく、ファンと一緒に「横浜アリーナワンマンライブ」という成功体験を共有し、その「証」を形に残すことを目的としています。

記憶やデータだけでなく、「手元に形」が残ることで、ファンの方々の所属意識が高まります。

高額なリターンには、ファンだからこそ実現可能な、メンバーとの交流が含まれています。 例えば、釣り旅行、BBQ、遊園地デートなどです。これらのリターンは、ファンにとってかけがえのない思い出となり、ミオヤマザキとファンの絆をより一層強固なものにしたと考えられます。

クラウドファンディングを通じて、ファンに直接想いを伝え、貢献実感を提供することで、必要な資金と同時に、ファンの熱意や期待を可視化することができました。


■ゲームについて
「ダンまち〜メモリア・フレーゼ〜」は2017年6月19日にリリースされ、2024年6月24日にサービスが終了したスマートフォンゲームです。 7年間の運営の中で、多くのユーザーに支持され、アニメ1クール分を超える大ボリュームのシナリオや原作でも描かれなかったストーリーが人気を博しました。

■このプロジェクトの概要
サービス終了後もユーザーの思い出を形に残すため、メモリアルアプリの開発、メモリアルブックの制作、ラジオ番組「オラジオZ」の復刻生放送などの実施を目指して行われたクラウドファンディングです。目標金額は3,500万円でしたが、最終的には9,228万2,458円の支援を集め、目標を大きく上回る形で終了しました。

■なぜファンと一緒でなければできなかったこととは?
サ終(サービス終了)は一般的に、長くゲームをしたり、課金をしてきたユーザーにとってとても残念な事象です。

しかもサービス提供者側は、サービス終了に伴い、ゲーム内課金などによる収益が見込めなくなるため、ファンに恩返しをしたくても、自己資金で実施することが難しく、メモリアルプロジェクトの実施には資金調達が必要不可欠でした。

メモリアルアプリに収録するイベントストーリーは、ファンによる人気投票で決定しています。これは、ファン参加型のプロジェクトをうたっていることからも、ファンと共に作り上げるという理念に基づいて実施され、ファンにとって思い出に残る結末を一緒に作り上げることができています。

■漫画について
「進撃の巨人」は、講談社の別冊少年マガジンで2009年から連載開始されたダーク・ファンタジー漫画です。単行本は国内累計8000万部を突破、全世界18言語・180ヵ国以上で出版され、世界累計発行部数は1億4000万部を超える大ヒット作品です。小説、アニメ、映画化もされています。

■このプロジェクトの概要
大分県日田市大山町が主催の「進撃の巨人」連載10周年を記念したプロジェクトです。大山ダムをウォール・マリアに見立て、幼少期のエレン、ミカサ、アルミンの銅像を制作し、ファンが集える場所を作ることを目的として実施されました。

■なぜファンと一緒でなければできなかったこととは?
銅像の設置には、制作費や設置費用など多額の資金が必要となります。そこで、プロジェクトに賛同してくれるファンから資金を募るクラウドファンディングという手段を用いることで、資金調達とプロジェクトの認知度向上を同時に図っています。

「進撃の巨人」は多くの熱狂的なファンに支えられた作品です。ファンと一緒に作った銅像と場作りを行うことで、ファンにとって大事な場所、ファン同士が交流できる場所を作ることができます。

また、作者の故郷である大分県日田市は、今回のプロジェクトを通して「進撃の巨人」の聖地として、多くのファンを呼び込むことを目指しています。これは、地域経済の活性化に大きく貢献することが期待されます。ファンにとっても、作品の世界観をより深く味わえる場所が増えることは大きな魅力となります。

コミュニティにとっての意義

ファンと一緒でないとできないことを考える時に、「アーティストのためになること」という視点ではなく、「そこで形成されているコミュニティがよりよくなる為には何が必要なのか?」という観点を持つことが大切です。

上記の動画では、成功するクラウドファンディングの性質として「商業性(リターンが売れそうかどうかや欲しくなるかどうか)」だけでなく「そこに問題があり、救われるべきである」という社会性が大事であると説明されています。

ここではコミュニティが「社会」という規模で括られているので、主語が大きく感じますが、小さなコミュニティであったとしても同じ性質があると考えられます。

つまり、アーティストに一方的な便益があるようなプロジェクトという性質ではいくらリターンが魅力的でも片手落ちで、それが「ファンやコミュニティの人たちのためになる解決すべきイシューだ」という共感を生み出すことが重要であるということです。

そうすることで、そこへ支援という形で貢献することが、アーティストやコミュニティから承認され、所属意識へと転化しファンの高い熱量になっていく、と思っています。

※オタクや推し論に関しては、そんな考え方もあるかもね、くらいで読んでいただけると幸いです。

エンタメ✕クラファンはCAMPFIREへ

もし、自分たちもファンの人たちと何かを実現し、一緒に盛り上がり、熱の高いコミュニティを形成したいと思われた方は、ぜひ以下から気軽に相談してみてください。

本日のブログのような構造を理解し、企画から一緒に走ってくれるエンタメ領域に強いスタッフが多数在籍しています。

また、エンターテイメント領域では手数料0%(支援金をアーティスト側がすべて受け取れる)プランも用意しています!(詳細は以下のリンクから)

こんなことぼんやり考えてるんだけど…レベルからでOKです!

CAMPFIREが全力で応援して、ファンと一緒に魅力的な推し活を実現し、魅力的なコミュニティを形成するクラウドファンディングのお手伝いをいたします!

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