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X1エミュレータ環境を整える

目的

 この記事は SHARPのパソコンテレビ、X1シリーズのエミュレータ環境を「合法的」に入手する事を目的とし、その手順を紹介します。
色々と「これは何です」という細かい説明は最小限にしますので、わからない項目が出てきた場合は適宜検索してください。

X1と同じ動きをするのに実体は存在しない

先に必要なソフト

 エミュレータはダウンロードすると圧縮ファイルの状態になってますが、zip 形式でないものもありますので、7zip をインストールしておきましょう。以後の説明は 7zip を使用する前提で進めていきます。
7zip は下記 URL からダウンロードできます。

エミュレータの保存場所を決める

  今回は C:\Tools\X1 のフォルダを作って、そこにエミュレータをインストールする事にしましょう。他のフォルダが良い人は適宜読み替えて作業を進めてください。

さぁ、C:\Tools\X1 にフォルダを作ろう

必要なファイルをダウンロードしてくる

X1エミュレータ

 X1 本体の役割を果たす X1 エミュレータは武田さんのウェブサイトからダウンロードします、下記 URL へアクセスしてください。素晴らしいエミュレータを本当にありがとうございます。みなさん、感謝してダウンロードしましょう。

Common Source Code Project をクリック
少し下にスクロールさせ、Binari Archive をクリックすると、binary.7z がダウンロード開始される
ダウンロード完了した様子、これは Firefox の場合

画面写真では binary(2).7z となってますが、説明文章を書くためにダウンロードした時はすでに2回ダウンロード済なのでナンバリングされちゃってます。通常は binary.7z というファイル名になってます。
この binary.7z を先ほど用意したフォルダ C:\Tools\X1 にコピーしてください。

binary.7z を C:Tools\X1 にコピーした様子

X1コンパチIPL-ROMとフォント

 X1 本体には通常内臓された ROM プログラムがあり、これが電源を ON にした時にディスクやテープからプログラムをロードして起動してくれます。また、画面に表示する文字も内臓 ROM のフォントが使われています。
これらのデータは X1 本体から吸い出す必要があるのですが、X1 本体の所有者でない人が所持すると違法となります。
そこで X1 本体から吸い出さずに 互換性のあるプログラムとフォントを使用します。
コンパチROMとコンパチフォントは meister68k さんのレポジトリからダウンロードできます。フルスクラッチで互換性のある ROM プログラムを作ってくれて本当にありがとうございます。感謝感謝。

まずは X1_compatible_rom をクリック
Releases の下の X1_compatible_rom v0.7.3 をクリック
※ 新しいバージョンが公開されるとちょこっと名前変わるよ、注意だね!
Assets の下の X1_compatible_rom_2022-02.23.zip をクリックしてダウンロード
※ 新しいバージョンが公開されると名前変わるよ、注意だね!(大事な事なので2回言いました)
ダウンロード完了したら、C:\Tools\X1 にコピー又は移動しておきます
※ (1) がついてるのはこの写真撮影時には同じファイルすでにDL済だったので
DLしたファイル2個目がコピーされた状態

次はコンパチフォントですね
前のページへ戻るボタンを2回ほど押すと元のページに戻ります
X1_compatible_font をクリック
Releases の下の Release をクリック
Assets の下の X1_compatible_font-2020-09-26.zip をクリックしてダウンロード
ダウンロード完了したら、C:\Tools\X1 にコピーしよう
これでコンパチROMとコンパチFONT完了

筑紫版X1用S-OS SWORD

 ここでは S-OS とはなんぞや?という説明は省略します。省略しますったら。Windows に例えると、Windows 10 みたいなものです。つまり、色々なソフトを動作させる為に必要な基本ソフトです。S-OS とはなんぞや的なお話はまた別の機会に説明するとして、この S-OS は速度面が強化されており、Hu モニタの部分は新たに全部作り直したそうです、すごいですね。カセットが未対応になってるなど一部制約があります。感謝して使わせていただきます、ありがとうございます。
筑紫版X1用S-OS SWORD は Oh!石 さんのサイトからダウンロードできます。下記サイトへアクセスしてください。

Oh!石さんのサイト、THE SENTINEL
画面をスクロールさせ X1/C/D/Cs/Ck/F/G/Twin(高速版) (未発表) の下の D88イメージ をクリック
ダウンロードが完了したら C:\Tools\X1 にコピーしよう
コピー完了した状態
※ 初回DL時 (数字) はファイル名についてないので注意(大事な事なので3回言いました)

L-os Angeles

 L-os Angels は S-OS SWORD とサブルーチンエントリが互換で、ファイルフォーマットが MS-DOS 互換という派生 OS です。X1シリーズユーザークラブである Lovers 主宰の中川学氏が会報である「Lovers Magazine(通称"らばま")」ブラウズ用に開発したものが元になっています。HuMonitorを使わずにBIOSからフルスクラッチで書かれています。
L-os Angeles も Oh!石 さんの THE SENTINEL からダウンロードできます。先ほど THE SENTINEL を開いた続きの状態から説明を再開します。

さらに下へスクロールさせます
Los-Angeles の下の X1用D88イメージ(含ドキュメント) をクリックします
ダウンロード完了後、C:\Tools\X1 にコピーします
コピー後はこんな感じになります

LSX-Dodgers

なんと、L-os Angeles の作者の Gaku さんから情報いただきました!!

このソフトは X1/turbo/Z で CP/M80 や MSX-DOS のソフトを実行するための OS です。MS-DOS 互換のファイルフォーマットを持ち CP/M80 や MSX-DOS との互換システム・コールをもっています。また、階層ディレクトリにも対応しています。

https://github.com/tablacus/LSX-Dodgers

なるほど、CP/M80 は未体験なのでこれはとても楽しみですね!早速アクセスしてみましょう!

LSX-Dodgers のレポジトリへアクセスし、Releases の 1.39 をクリックします
※ バージョンが上がると 1.39 の部分の名称が変わる可能性があります
下に少しダウンロードし、最新版のアーカイブである ldsys139.zip をクリック
※ バージョンが上がるとファイル名が変わる可能性があります
ダウンロードしたら ldsys139.zipC:\Tools\X1 へコピーしましょう
これで必要なファイルが全てそろいましたね!

ダウンロードしたファイルを解凍する

 まずは、ダウンロードしたファイルを全て解凍してしまいましょう。ファイル数がそこそこあるのでザクっと説明します。

C:\Tools\X1 フォルダを開きます(すでに開いてると思いますが)
binary(2).7z を右クリックします(括弧の中の数字が無い場合もあります)
7-Zip をクリックします(7zip がインストールしてないとこの項目は出ません)
"binary(2)\" に展開 をクリック
上記作業で今いるフォルダに新しくフォルダを作り、そこに圧縮ファイルを解凍します
先ほどと同じ手順で残りの圧縮ファイルも全て解凍してしまいましょう
※ 画面写真には LSX-Dodgers が含まれてませんが、実際には含まれてるとお考えください
全てのファイルを解凍し終えたら、解凍前の圧縮ファイルは削除するか、
どこか別のフォルダへ移動させてしまいましょう
(DLできなくなる可能性もあるので個人的にはどこかに退避を推奨します)
※ 画面写真には LSX-Dodgers が含まれてませんが、実際には含まれてるとお考えください

エミュレータ環境を構築する

binフォルダ作成

まずはプログラムを格納するための bin フォルダを作成します

エミュレータを bin フォルダへコピー

C:\Tools\X1\binary(2)\binary\binary_win10 フォルダへ移動
x1.exe, x1turbo.exe, x1turboz.exe, x1twin.exe の4つのファイルを選択し、右クリック
コピー(C) をクリック
C:\Tools\X1\bin フォルダへ移動
ファイルエクスプローラの何もない空間を 右クリック
貼り付け(P) をクリック
※ 何もないところをクリックというのを画像無しで説明するのは難しい
エミュレータ本体のコピー完了

X1コンパチIPL-ROMをコピー

先ほどと同じ手順を繰り返します
C:\Tools\X1\X1_compatible_rom-2022-02-23(1)X1_compatible_rom.binコピー
C:\Tools\X1\bin に移動して 貼り付け

X1コンパチIPL-ROMを複製

マウスで右クリックしてという説明が面倒になってきたので
次からはキーボードでの操作方法で説明します
C:\Tools\X1\bin フォルダの X1_compatible_rom.bin を選択します
キーボードの Ctrl キーを押しながら C キーを押します(以後 Ctrl+C と表記)
次に、Ctrl キーを押しながら V キーを押します(以後 Ctrl+V と表記)
同一フォルダで Ctrl+C(右クリックしてコピーと同じ効果)し、
Ctrl+V (右クリックして貼り付けと同じ効果)すると、
なんと同一フォルダに同一ファイルが2つ作れてしまいます
よく使えるワザなので覚えておこう
「通称コピペ」(以後 〇〇 をコピペ と表記)

X1コンパチROMのファイル名を変更(1つ目)

X1_compatible_rom - コピー.bin右クリックし、名前の変更(M) をクリック
するとファイル名編集状態になる
しかし、ファイル名は拡張子含めて変更する必要があるので
Ctrl キーを押しながら A キーを押す(以後 Ctrl+A)
※ Ctrl+A は全て選択するショートカットとしてよく使われる
この状態で何か文字を打つと選択された文字は全て消え、新しく入力した文字に置き換わる
ここで IPLROM.X1 と入力し、ENTER キーを押す
このファイル変更操作で拡張子が変更されたため、確認ダイアログが表示される
ここでは拡張子は X1 である必要があるので はい(Y) をクリックして続行する
ファイル名変更完了
これで X1 の IPL ROM の準備ができた
次は X1 turbo の IPL ROM を用意する

X1コンパチROMのファイル名を変更(2つ目)

残った X1_compatible_rom.bin をファイル名変更状態にする
今度は右クリックしない方法で説明する(別に右クリックのやり方でやってもいいけど)
X1_compatible_rom.bin を1回クリックして選択状態にする
そして、ダブルクリック判定にならないよう1秒ほど間を空けてもう一回クリックする
すると・・・
先ほどと同様にファイル名変更状態になるので、先ほどと同じ操作で
IPLROM.X1T にファイル名を変更し、拡張子変更確認で はい(Y) で通す
IPL ROM turbo 用ファイル名変更完了

X1コンパチフォントをコピー

操作方法については説明を簡略化します
C:\Tools\X1\X1_compatible_font-2020-09-26(1) フォルダの FNT0808.X1
C:\Tools\X1コピペする
上記のような状態になっていたらOK

X1エミュレータ起動を確認

X1エミュレータ

C:\Tools\X1\bin フォルダの x1.exe をダブルクリックして起動する
上図のように表示されれば X1 のエミュレータ環境構築成功

X1 turbo エミュレータ

C:\Tools\X1\binx1turbo.exe をダブルクリック
上図のようになれば成功

X1 turbo Z 及び X1 twin

同様に、C:\Tools\X1\binx1turboz.exe 及び x1twin.exe もそれぞれ起動確認する
それぞれのように表示されれば X1 エミュレータの環境構築は完了

OS環境を構築

前準備

C:\Tools\X1 フォルダに roms フォルダを作成する

筑紫版X1用S-OS SWORD

C:\Tools\X1\SWXCV110 フォルダの SWXCV110.d88Ctrl+C して
C:\Tools\X1\roms フォルダで Ctrl+V してコピペする

L-os Angeles

C:\Tools\X1\LosAngeles フォルダの LosAngeles.d88Ctrl+C
C:\Tools\X1\romsCtrl+V してコピペする

LSX-Dodgers

C:\Tools\X1\ldsys139 フォルダの ldsys.d88Ctrl+C
バージョンが上がるとフォルダ名が変わる可能性があります
C:\Tools\X1\romsCtrl+V してコピペする

OS起動確認

筑紫版X1用S-OS SWORD

C:\Tools\X1\binx1.exe を起動する


FD0Insert の順にクリックする
※ この操作は、X1 のフロッピーディスクドライブにフロッピを入れる操作に相当する
※ フロッピードライブは FD0 ~ FD3 の4つあり、通常システム起動するディスクは一番最初のドライブである FD0 を使用する
ディスクイメージ選択画面になる
C:\Tools\X1\roms フォルダの SWXCV110.d88 を選択し 開く(O) をクリック
この操作で、X1 の FD0 フロッピーディスクドライブに SWXCV110.d88 という名前のついた
フロッピーディスクを挿入した事になる
元の画面になるので、キーボードの 0 キーを押す(数字のゼロキー)
IPL プログラムが起動し、フロッピーの中のシステムが読み込まれる
上図のようになったら S-OS 起動成功
終了時はウインドウを閉じる

L-os Angeles

先ほどと同じように x1.exe を起動し、システムディスク選択画面を表示させる操作を行う
C:\Tools\X1\roms フォルダの LosAngeles.d88 を選択し、開く(O) をクリック
先ほどと同じようにメニュー画面で 0 キーを押し、上手のようになれば起動成功

LSX-Dodgers

先ほどと同じように x1.exe を起動し、システムディスク選択画面を表示させる操作を行う
C:\Tools\X1\roms フォルダの ldsys.d88 を選択し、開く(O) をクリック
先ほどと同じようにメニュー画面で 0 キーを押し、上手のようになれば起動成功

最後に

 この記事で Windows の基本操作も含めた説明もあるので、他の記事ではすでにこれらの操作は習得済として記載していきます。

そして、疲れた。

更新履歴

2022/09/17 … エミュレータ環境の構築及び、筑紫版X1用S-OS SWORD・L-os Angeles のダウンロードから起動までの説明を作成

2022/09/18 … LSX-Dodgers のダウンロードから起動までの説明を追記

参考資料

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