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【映画】『ONODA一万夜を越えて』〜終戦の日の朝に考える〜

『ONODA 一万夜を越えて』という、映画を鑑賞しました。この映画は2021年に、フランス、ドイツ、ベルギー、イタリア、日本合作の作品です。第二次世界大戦中、フィリピンのルバング島に着任し、終戦から29年が経った1974年に日本に帰国した、小野田寛郎さんをモデルした映画です。

1974年といえば私は9歳で、物心がついてから5、6年というところでしょうか。テレビに映り出される小野田さんの姿は、とても印象に残っています。その頃はまだ日本には戦争経験者や、家族を戦争で亡くした人もたくさんいたので、今よりも戦争というものに現実味がありました。

敗戦国である日本が、奇跡的な経済成長を遂げている中で私が生まれて、戦争のことを知らずに生きている間、日本から遠く離れた所で戦い続けている人がいたのです。

最近、戦争映画を良く観るようになりましたが、日本が関係する映画は、何故か避けるようにしてきました。多分、自分の中の何処かに、日本人としての戦争責任の様なものを感じているのが理由のような気がします。だからといって、目を背ける様なことはしたくないとは考えています。

『ONODA 一万夜を越えて』は、いろんな意味で戦争の怖さを強烈に感じさせられる映画です。戦争は、人の命を奪い合うという怖さもありますが、人間の思考回路をおかしくしてしまうという怖さもあります。普通では考えられないような思考回路に陥ってしまい、考えられない様な行動を起こしてしまうのです。しかしも30年近くもその思考回路から醒めないこともあり、人の人生を完全に狂わせてしまいます。

歴史を学ぶということは、戦争の歴史を学ぶことでもあります。この先も人類の歴史が続くということは、戦争の歴史も続くということなのでしょうか。歴史の先、いわゆる未来は、次の世代に委ね続けるしかありません。

戦争のない歴史を作り出す事が如何に難しいことなのかは、歴史を学べば良く分かります。戦争映画が単なる娯楽に終わらず、世界から戦争を無くす力になれば素晴らしいだろうなと、終戦の日の朝に考えているところです。

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