夢のある百貨店に行きたい。
セブン&アイホールディングスが、そごう・西武を売却するという記事を新聞で見た。
大阪で育った私は、西武百貨店にはあまり馴染みはないが、そごうには馴染みがある。
子供の頃、親に連れて行ってもらった百貨店といえば、大阪なんばの高島屋だった。
庶民にとって、頑張ったご褒美として買い物ができた百貨店。
百貨店には夢があった。
なんば高島屋の思い出
当時、大阪なんばの高島屋の屋上には、観覧車なんかもある小さな遊園地があった。
最上階にあったレストランでお子様ランチやプリンなんかを食べさせてもらったのを微かに覚えている。
エレベーターに乗ると、エレベーターガールと言われる綺麗なお姉さんがいたのも懐かしい。
時々は心斎橋通りを歩いて、大丸やそごうにも連れて行ってもらったが稀なことであった。
そごうの経営破綻
そごうが経営破綻したのが2000年。
流通業界では、スーパーのダイエーが大量閉店を始めていた頃だ。
バブル崩壊から10年経って、大きな再編の波が押し寄せていた。
心斎橋そごうも閉店となったので、そごうというデパート自体が全国からなくなってしまったのかと思っていた。
しかし初めて横浜駅にきた時、西口には高島屋が、そして東口にはそごうがあって少し感動をした。
横浜駅のそごうと高島屋
横浜駅の東口に直結するそごうと西口の高島屋、売り上げを比べてみると
2021年2月期の売り上げ
そごう横浜店:80,500百万円
横浜高島屋 :96,522百万円
となっており、西口の横浜高島屋に軍配が上がる。
因みにコロナ禍前の2019年2月期の売り上げは
そごう横浜店:110,568百万円
横浜高島屋 :132,528百万円
であり、双方とも27.2%のダウンとなっている。
百貨店の経営
日本は富裕層が増加傾向にあると言われるが、消費を支えるのは中間層である。
今後、中間層の消費を百貨店が取り込めるかというと疑問がある。
中間層がちょっと頑張って、高級なアパレルを購入するというような意識は下がっている。
お中元やお歳暮と言った贈り物の文化も、ほぼ無くなってしまった。
もちろんネット通販の拡大の影響を大きく受けている。
百貨店に期待すること
近年の消費は、郊外にある大型スーパーが中心になった。
そのような郊外のスーパーに行くと、どこに行っても同じようなテナントばかりになっている。
子供の頃、なぜ百貨店に行くとワクワクしたのかというと、百貨店に行かなないと買えないものがあったり、百貨店でしか体験できないようなことがあったからだ。
庶民が頑張ったご褒美として、百貨店に行って消費ができるような、夢のある百貨店を期待する。