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googlマップで世界の海峡を旅する。
あまり海外には行ったことがない。
これからも多分、行くことはあまりないと思う。
しかし、googlマップを見るのは好きだ。
googlマップで世界を見ていると、かなり重要なところに狭い海峡があることがわかる。
そう言ったところを、googlマップを使って旅をしてみた。
国際的に重要な5つの海峡
ジブラルタル海峡
ユーラシア大陸のイベリア半島のスペインと、アフリカ大陸のモロッコの間にある海峡。
北大西洋と地地中海の出入り口になる。
生命保険会社の社名の由来にもなっている地名。
最狭部は15キロメートル。
googleマップを拡大してよく見ると、海峡の最狭部の少し東側に八重歯のように尖った半島があり、「ジブラルタル」と書かれている。
ここは、イギリスの海外領土である。
そしてモロッコ側に目を移すと、やはり東に突き出た半島があり「セウタ」と書かれている。
ここはスペインの自治都市である。
そういうところを見ても、この海峡がいかに重要な場所かということがわかる。
この海峡を渡るにはフェリーの利用が可能である。
スペイン側のアルヘシラスからアフリカ側のセルタまで、丁度1時間。
片道4,523円となっている。
ダーダネルス海峡〜ボスポラス海峡
地中海を東に進み、エーゲ海に北上して黒海に入ろうとすると、バルカン半島とアナトリア半島の間にある2つの海峡を通過しなければならない。
西側にある、エーゲ海側の海峡がダーダネルス海峡。
もしくはチャナッカレ海峡とも呼ばれる。
長さは約60キロメートルあり、最狭部は1.2キロメートルしかない。
この間はチャナッカレ1915橋という橋が建設され、2022年3月18日に開通予定だ。
ダーダネルス海峡を抜けるとマルマラ海に出る。
マルマラ海を東に進みむと、かつてのオスマン帝国の首都であったイスタンブールがあり、そこがボスボラス海峡の出入り口である。
長さは約30キロメートルで、最強部はなんと698メートルしかない。
この間は3本の橋と、海底トンネルがある。
ボスボラス海峡を抜けると黒海である。
黒海にはヨーロッパの複数の内陸国およびロシアが面している。
特に大国ロシアにとっては譲れない場所だ。
しかし黒海から地中海に抜けるには、長くて狭い2箇所の海峡を通過しなければならない。
ドーバー海峡
ユーラシア大陸の大西洋側にgooglマップを移動する。
ヨーロッパとグレートブリテン島の一番狭いところが、ドーバー海峡である。
最狭部は34キロメートル。
フランスのカレーからイングランドのドーバーまではフェリーで1時間30分。
料金は片道4,782円となっている。
高速鉄道ユーロスターを使えば、英仏海峡トンネルを通って、パリからロンドンまでは最速2時間15分で行ける。
料金は、早割など使えばスタンダードタイプで50.5ユーロからとなっているが、通常だと240ユーロする。
かなり料金の幅が大きい。
1ユーロ=130円とすると6,560円から31,200円となる。
ベルト海峡
ドーバー海峡から北海を北東に進み、バルト海に入るには、かなり狭い海峡を通過しなければならない。
ヨーロッパから北に突き出たユトランド半島と、スカンジナビア半島の間にフェン島とシェラン島という2つの島がある。
シェラン島の東端がデンマークの首都、コペンハーゲンだ。
2つの島の間には3つの海峡があり、一番西側から順番に小ベルト海峡、大ベルト海峡、エーレ海峡である。
3つの海峡のうちで最も広いのが大ベルト海峡。
大ベルト海峡の最狭部が32キロメートル。
この2つの島と3つの海峡は、橋とトンネルで繋がっている。
バルト海を東に進むと、いちばん奥の方にかつてのロシアの首都、サンクトペテルブルグに到達する。
かつて、日露戦争の時のバルチック艦隊も、この海峡を通って日本海まで航行してきた。
マラッカ海峡
一気に東南アジアにgooglマップを動かす。
インド洋から日本に向かう最短距離は、マレー半島とスマトラ島の間のマラッカ海峡を通って、南シナ海を北上するコースになる。
マラッカ海峡の全長は約600キロメートル。
インド洋側(西側)から南東に向かってマラッカ海峡を侵入していくと、左側にマレーシアの首都、クアラルプールがある。
その辺りから海峡は急に狭くなっていく。
そしてマレー半島の南端、シンガポールに到達する。
その辺りは小さな島が散在している。
シンガポールとバタム島の間がシンガポール海峡である。
この辺りをgooglマップをアップにして近づいていき、航空写真に切り替えると無数の船が浮かんでいるのがわかる。
経済のチョークポイント
海峡は自然にできた船の通り道であるが、世界にはスエズ運河とパナマ運河という2つな重要な運河がある。
この二つの運河がなければ赤道を遥かに超えて、アフリカ大陸の最南端、南アメリカ大陸の最南端を迂回しなければならないというとんでもない話になる。
今、世界的に物流が滞っている。
国際物流の主役はなんと言っても船による海上輸送である。
エネルギー、鉱物、食糧、自動車などの製品のほとんどは、海峡や運河を通って運ばれる。
正に経済のチョークポイントである。