大阪球場と「あぶさん」の思い出
漫画家の水島新司さんが、2022年1月10日に亡くなられた。
私はあまり漫画やアニメには興味がないのだが、水島新司さんの「あぶさん」は数少ない好きな漫画だった。
その理由は、南海ホークスのファンだったからだ。
ドカベン香川
水島新司さんの代表作はなんと言っても「ドカベン」だろう。
「ドカベン」に登場するキャラクターはとても個性的である。
主人公のドカベンこと山田太郎に似ているということで、浪商高校の香川伸行さんは甲子園では大人気だった。
その香川伸行さんが南海ホークスに入団した時は、ちょっとした騒ぎになった。
当時、南海ホークスは人気のないパリーグの中で、ずっとBクラスのチームだった。
門田博光さんとか実力のある選手はいたのだが、残念ながらスター性はなかった。
どちらかというと職人という感じだった。
あぶさん
漫画「あぶさん」に登場するプロ野球選手は、基本的に実在する人物が描かれている。
主人公であるあぶさんこと景浦安武は架空の人物である。
そして香川伸行さんも「あぶさん」に登場し、景浦安武とチームメイトとなった。
南海ホークス
南海ホークスは昔は強かった・・・・らしい。
しかし、あの野村克也さんがいなくなってから、1988年にダイエーに身売りされるまで一度もAクラスになることはなかった。
それどころか、ダイエーホークスになってもなかなか勝てず、なんと20年間連続Bクラスという不名誉は記録を作った。
今のソフトバンクホークスからは考えられない。
大阪球場
南海ホークスの本拠地である大阪球場は、ミナミの玄関口である南海電鉄の難波駅のすぐ横に所在していた。
大阪球場のレフトスタンドの後ろには、あぶさんの広告看板があった。
あぶさんこと景浦安武の顔が描かれた横に「あぶさん」という文字が書かれているだけの看板。
あの看板は一体誰がなんのために広告を出していたのか、いまだに疑問である。
あぶさんを連載をしていたビックコミックの出版社の小学館だろうか。
平和台球場へ
関西にはパリーグのプロ野球球団が3球団あった。
阪急ブレーブスと近鉄バッファローズ、そして南海ホークス。
テレビ中継が滅多にない、関西のパリーグ3球団の人気はイマイチだった。
そんな中、セリーグの人気球団である阪神タイガースが、1985年にまさかの優勝をし、パリーグの3球団が束になってかかっても阪神タイガースの人気には勝てなかった。
特に南海ホークスは全然勝てないということでもあって、大阪球場の観客席は閑散としていた。
そして南海ホークスは、1988年に南海電鉄が当時のダイエーに身売りをし、1989年からはダイエーホークスとなる。
本拠地も大阪球場から、福岡の平和台球場へ行くことに。
そして私は、漫画「あぶさん」を読まなくなってしまった。