前腕〜肘関節をエコーで可視化! エコーで紐解く理論と介入講座
こんにちは。
運動器エコーカレッジで講師を務めている郷間(@FujilataGoma)です。
8月23日(日)に開催された
運動器エコーカレッジ初のオンラインセミナー
『前腕〜肘関節をエコーで可視化!エコーで紐解く理論と介入講座』
の講義動画と実際に使用した資料に解説を加えて執筆したnoteになります。
こちらのnoteにはエコーに関する45枚の資料(13動画、32スライド)に加え、実際に実技を含めた2時間30分のセミナー動画も含まれております。
◆note情報◆ 完成日 8月23日㈰
◆note概要◆
挿入されている実際のセミナー動画 2時間30分
文字数 : 7.021文字
挿入動画数 : 13動画
挿入スライド数:32枚
合計45資料
◆note販売価格◆ ¥980円
今回お話しするテーマ
・肘関節周囲組織の基礎解剖
・肘関節運動に伴うエコーの動態か印刷
・外側上顆炎の原因と病態
・外側上顆炎に対するエコーの臨床応用
この記事を読むことで肘関節に対する苦手意識やエコーを用いた臨床応用についてのヒントが見つかるかもしれません。
肘関節は施設によっては関わる機会が少なく、苦手意識をもっている方や、あまり必要性や重要性を感じていない方も多くいらっしゃるかと思います。
こちらの記事をきっかけに、私たちと肘関節に対する臨床応用について学んでいきましょう!
肘関節周囲組織の基礎解剖
まずは肘関節の基本からおさらいしていきましょう!
肘関節を構成する組織
肘関節は3つの関節により構成されます。
☑腕尺関節
らせん関節に分類される、屈伸のみを行う一軸性関節。
上腕骨滑車と尺骨滑車切痕から構成される。
☑腕橈関節
形態上球関節ではあるが、外側側副靭帯の影響により屈伸と回旋の運動のみに関わる関節。
上腕骨小頭と橈骨頭近位端から構成される。
☑近位橈尺関節
橈骨頭のSpin movementにより前腕の回旋が遂行される車軸関節。
橈骨頭と尺骨の橈骨切痕から構成される。
外側上顆と内側上顆
外側上顆
上腕骨遠位外側にある骨隆起であり、前腕伸筋群の”大半”が起始する部位です。
テニス肘で知られる外側上顆炎はこの外側上顆の疼痛により発見されることが多いです。
ちなみに長橈側手根伸展の付着部は外側上顆ではなく外側上顆稜です。
内側上顆
上腕骨遠位内側にある骨隆起であり、前腕屈筋群の大半が起始する部位です。
野球肘のうち、内側型は内側上顆およびその付着筋が大きく関与しています。
腕橈関節:上腕骨小頭と橈骨頭の適合性
腕橈関節は上腕骨小頭と橈骨頭窩により構成されます。
腕橈関節が最も安定する角度は肘屈曲90°です。
理由は上腕骨小頭と橈骨頭の向きが大きく関与しています。
上腕骨小頭の向き➡上腕骨長軸に対して90°前方を向いている
橈骨頭の関節窩の向き➡橈骨長軸に対して0°
すなわち、肘関節を90°屈曲することにより腕橈関節構成組織の向きが適合し安定します。
☑上腕骨小頭の特徴
▪形態は球を半割したドーム状
▪関節面の向きは上腕骨長軸に対して90°前方を向いている
▪腕頭関節の適合性が最もよいのは肘関節屈曲90°
腕尺関節:上腕骨滑車と尺骨滑車切痕の適合性
腕尺関節は上腕骨滑車と尺骨滑車切痕により構成されます。
腕尺関節が最も安定する角度は肘屈曲90°です。
理由は上腕骨滑車と尺骨滑車切痕の向きが大きく関与しています。
上腕骨滑車の向き➡約45°前方傾斜
尺骨滑車切痕の向き➡約45°前上方
すなわち、肘関節を90°屈曲することにより腕尺関節構成組織の向きが適合し安定します。
近位腕尺関節:橈骨頭と尺骨橈骨切痕の適合性
近位橈尺関節は橈骨頭と尺骨の橈骨切痕により構成されます。
▪橈骨輪状靭帯は近位橈尺関節の安定に関わる。
▪橈骨切痕と橈骨輪状靭帯で構成される“Fibro-osseous ring”は近位橈尺関節の安定性に寄与する。
▪橈骨輪状靭帯の瘢痕化や短縮は、前腕回内制限の原因となります。
肘関節 関節包の付着
関節腔内には
・腕尺関節、腕橈関節、近位橈尺関節の全てが同一腔内に含まれています。
肘頭窩や肘頭の縁には関節包が張り、その内側は内側側副靭帯、外側は外側側副靭帯まで付着し、一つの関節包を構成します。
局所の障害が全体(他関節)に影響する可能性もあるというのも頷けます。
外側側副靭帯複合体:LCLC
外側側副靭帯複合体(Lateral collateral lig-ament complex:LCLC)の構成体
・外側側副靭帯LCL
前方線維(radial collqteral ligament:RCL)
後方線維(lateral ulnar collqteral ligament :LUCL)
・橈骨輪状靭帯(annular ligament:AL)
・副靭帯(accessory lateral collateral ligament:ALCL)
肘関節後外側不安定性(PLRI)はprimary stabilizerでもある外側側副靭帯の前方線維と後方線維の両靭帯が損傷することで生じると考えられています。
特に、外側側副靭帯は外側上顆から起始するため、外側上顆炎とも関与する重要な靭帯でもあります。
これらLCLコンプレックスと腕橈関節は密接に関与しますが、その中でも子供に多い肘内障、いわゆる肘の脱臼は私たちセラピストも理解しておく必要があります。
肘内障で特徴的な所見としてはと橈骨に付着する回外筋や橈骨輪状靭帯が近位の腕橈関節に引き込まれる現象があります。
これら軟部組織の腕橈関節関節内への引き込みをJサインいいます。
肘関節運動に伴うエコーの動態観察
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