刑務所に入った話⑩〜独居から雑居へ編〜
拘置所にきて2週間程経ったころ、
わたしの心身はズタボロでした。
汚い部屋、磨いても磨いても変わらない板、薄い布団、作業でずっと座ってるから肩や腰も痛い。
そしてそれを愚痴れる相手がいないのです。
同じ境遇の人と話をしたい、、‼︎そう思っていました。
そんな時、朝先生がきて、
今日雑居に部屋移動するから、荷物まとめといてね。
と言われました。
その瞬間、やったーーー!同じ境遇の人と話せる!と思ったのですが、その喜びは一瞬でした。
わたしは思い出してしまったのです。
自分が、超絶スーパーミラクル人見知りなことを。
わたしは基本的に人に自分から話しかけるということが苦手です。まずは相手がどんな人なのか、話しかけても大丈夫な人なのかどうか、遠くからさりげなく観察してからでないと話しかけられないのです。
それにここは犯罪を犯した人の集まり、、
もしかしたらみんな怖い人かもしれない、、
いじめられるかもしれない、、
なんて自分のことを棚に上げて考えてました。
ですが、拒否権はありません。
色々なことを想像しながら、荷物をまとめ待っていると先生がドアを開けました。
わたしの隣の部屋にいた子も一緒に雑居に移動するようです。
ドキドキしながら雑居に到着。
雑居にはすでに3人の方がいました。
その部屋に最初からいた方をご紹介します。(全て仮名です)
ほっけさん 20代のスタイルが良い方
かんぱちさん 40代の優しそうな方
なまずさん ご年配のちょっと気難しそうな方
そして、わたしと隣の部屋だった子が入り5人部屋になりました。
この隣の部屋にいた子をひらめちゃんとします。
ひらめちゃんは、わたしと同い年くらいの子だったのですが、部屋に入ったとたんめちゃくちゃ喋る。ひらめちゃん、コミュ力高過ぎた。
置いていかれ、焦るがどうにもできないわたし。
とりあえず作業の時間だったので、作業をしました。あ、板磨きです。
そして、しばらくしてトイレに行きたくなったのですが、勝手に行って良いのかわからなかったので、隣の席にいたかんぱちさんに勇気を出して話しかけてみました。
そしたらすごく優しく、トイレ行く時はね、札があるから、あれを立てかけてトイレ行けば大丈夫だよーと優しく教えてくださいました。
よかった、、優しい方で。とすごく安心したのを覚えています。
ここから長い雑居生活が待ち受けていようとはそのときのわたしには知る由もありませんでした。
雑居編しばらく続きます。
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