刑務所に入った話⑨〜拘置所 作業始めたよ編〜
今回は独居から雑居へ行ったお話しをしようと思ったのですが、その前に「作業」についてお話しさせてください
受刑者になると、作業というものをします。
朝6時に起床、洗面等をし、朝食を食べたら作業開始です。
拘置所により作業内容は異なるのですが、
わたしがいた拘置所での作業は、
「板磨き」
でした。板磨きってなんぞやって感じですよね。
字の如く、板を磨く、ただそれだけです。
正方形の木の板と布巾を渡されます。
この正方形の板は木目があってでこぼこしてるのですが、木目のでこぼこがなくなり、すべすべになるまで布巾で磨くという内容です。
ちなみに出来上がったものは、コースターになるらしいです。
やすりでやったら一瞬なんじゃ、、
なんてことを思いつつ、その時のわたしは作業を頑張れば頑張るほど仮釈がもらえるかも!なんて考えていたので、1人部屋でひたすらしゃかしゃか磨いてました。1人部屋に響くしゃかしゃかしゃかしゃかという音、、。それはもう、手が痛くなるほどに磨きました。
初日の作業終了、、。
すべすべになったかなー!なんて、触ってみますが、
何も変わってない。
それはもう見事なほどに、もらったときの板のまま、何も変わっていない。
え、わたしのやり方が間違ってた、、?
あれ、?これ、サボってたと思われる、、?
なんて思って板と布を返す時、先生(職員さんのことを先生と呼びます)に
すみません、私のやり方が悪いのかなにも変わらなくて、、と言ったら
あー、これね、、だいたいみんな2ヶ月くらいかかるから大丈夫だよ。
と言われました。
・・・2ヶ月⁉︎⁉︎⁉︎
え、待って2ヶ月も同じ板磨くの?
またまたご冗談を、、と思いましたが冗談なぞ言うはずもなく、、。
2日目も3日目も、、その後も板磨きは続くのでした。
えぇ、もちろん全くなにも変わらないまま。
日を重ねるごとに、板よりもわたしのやる気がそがれていきました。
「磨いても、磨いても、なにも変わらないんだもの。みつを。」
って感じです。
しかも拘置所には時計がありませんでした。
だからどれくらいたったのかがわからなくて、
めちゃくちゃ時間が長く感じるんです。
ちなみに、一応報奨金というものが発生するのですが、時給7円です。
70円、700円の間違いではありません。
7円です。これから真面目に頑張っていれば何ヶ月か後に時給9円とかにあがるのですが、とりあえず7円スタート、一日働いて50円です。
わあお。
次回は本当に雑居へ移動した時のお話しを書いていきます。
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