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父トシハルの教え⑦「営業するな」

会社にとって営業はとても大事な要素の一つであるが
父トシハルは「営業するな」と言っていた。

自らお客様のところにいくこともあったが
雑談9割仕事の話は最後の最後にする程度。

「営業するな」
では何をするのか。

「人を好きになれ!」
非常にシンプル。父は好き嫌いのはっきりした人でもあったから。

「好きでもない人に自分の大切なものを売るな!」ということでもある。 気に食わない人にはどんなに条件がよかったとしても絶対に売らなかった。

「八方美人になるな」
「人を選べ」


人の人生は時間も限られているし、

75億人全員と付き合うことは無理である。
自分の人生の時間を共有したい人と付き合うべきだし、大切な人を大切にできる時間を取っておくことが大切。

「来るもの拒まず、去るもの追わず」
一時期は来るもの拒まずだった父も大切にしたい人を大切にできなかった失敗から、来るもの拒まずのほうはやめて、人を選ぶようになったようだ。

なにしろさみしがり屋で人が大好きな人だったから身がもたなかったのだろうと思う。

父にとって、お客様は神様ではなかった。人と人としてのフラットな関係。

気に入ったら買えばいいし、気に入らないなら買わなければいい。ただそれだけ。

自分は現場を大事にしたものづくりに全力を尽くし、それを買うかどうかはお客様の自由であるから。

それが本来の信頼のカタチかもしれない。
そしてそれは「このくらいの人数は俺が食わせていく」という自信でもあった。

「この仕事を完成させないと死ぬんだくらいの気持ちでやればできないことはない」

というのが父トシハルの全力を尽くす考え方である。
そこまでやってこそ、営業はするなと言えるのかもしれない。

つづく

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