予防線をとっぱらえ
「クリエイター」
実にかっこいい響き
日本語にすると「創造者」
もはや神の後光が差しているかのようにも見えるこの言葉。
一昔前までは、音楽や芸術などに秀でた人たちで、それを生業にしている人のことを指す言葉だったように思います。
趣味や遊びで取り組んでいる人には付かない称号でした。
それだけ芸術作品を世に出して、認知されるまでのハードルが高かったし、
そのハードルを超えるために必要な力が人並外れたものでした。
最近は、YoutubeやTickTok、それにこのnoteも含め、
創ったものを世に出すことのハードルが下げられたツールというものが大幅に普及し、自分のことを「クリエイター」という言葉で表す人が増えたように思います。
僕もその1人です。
この言葉を使う人たちの中には、お金を貰って自分が持っているクリエイティブスキルを提供する人たちがいます。
以前までは、事務所や会社がサービスとして提供していた「ものづくり」を個人のレベルで運営することも可能になったんだと思うと、本当にいい時代になったなと感じます。
一方、僕自身は音楽を創ることを趣味として続けてきた中で、自分が曲を作ることに対して対価を求めることはしてきませんでした。
それは「趣味だから」とか「お金を取れるような代物じゃないから」という枕詞とともに出したスタンスでした。
人が求めるものに対して自分が創った楽曲が
その人の求めるレベルで出せるかどうか自信がなかったことと、責任を取りたくないという気持ちがあったからでした。
そんな僕が続けてきた言い訳に、ひとつの転機がありました。
以前の記事でも紹介した配信アプリSpoonのNEXT RADIO STARという次世代ラジオDJ発掘プロジェクトの中での出来事です。
このプロジェクトに取り組むまでの過程は↓の記事から。
このプロジェクトの中で、僕は曲作りについてのポイントをレクチャーする番組を続けています。
このNEXT RADIO STAR、番組を持っているのは僕だけではなく、さまざまなジャンル、嗜好のラジオ番組が展開されています。
僕と同じように音楽について語らうラジオもあれば、コールセンターという仕事にフォーカスしたラジオもあったり、未解決事件を取り扱うシリアスなものまで、素人が企画するラジオにしては非常にバラエティに富んだラインナップの中、
音声演劇、ラジオドラマを取り扱う番組とのコラボレーションが決まりました。
コラボレーション企画の概要はというと、いわゆる「当て書き」
コラボ先の方が用意したラジオドラマを題材に僕がそのテーマソングを書くというものでした。
今まで、人の作品に対する楽曲提供というものはしてこなかったのですが、
自分が取り組んでいるラジオ番組がきっと盛り上がると思って話を進めていきました。
最終的に、題材となるラジオドラマを受け取った時、正直困りました。
元声優でプロとしてものづくりを続けてきたコラボ相手の作品は、
僕がずっと続けてきた
「趣味だから」
「お金が取れる代物じゃないから」
というスタンスで向き合える題材じゃなかったからです。
そのスタンスで悠長に構えていた僕の足はその作品の言葉一つ一つに掬われました。
「クリエイター」
自分が使ってきた言葉の重みを初めて感じた瞬間と言えるかもしれません。
この転機から僕は一つクリエイターとしてのものづくりのスタンスが変わったと思います。
明日、2024年12月19日(月) 21:00~
配信アプリSpoon内にて私の番組「ワタクルミュージック!!」が放送されます。
今日紹介した、ラジオドラマとのコラボ企画の回です。
「趣味だから」
「お金が取れる代物じゃないから」と
予防線を張りながら自称し続けた「クリエイター」の僕が、
初めて誰かの作品の重みを感じて、責任を全うして取り組んだ楽曲が流れます。
よかったら「どんなもんじゃい?」とでもコメントしにきてください。
聞いてくれた人たちの反応を真摯に受け取りたいと思います。
アプリへの招待状も載せておきます。
それでは、また。