雪組 フォルティッシッシモ-歓喜に歌え!-
「ベートーヴェンのような者」が観客の前に現前するということを再認識した作品。ナポレオンのような者、ゲーテのような者、そんなふうに見えた。これまでの歴史物のミュージカル作品では感じることのなかったファンタジー性。歴史上の人物そのものになることは決してできない、虚構が前提とされた舞台上において、あえてファンタジーに振り切った演出をした上田先生、さすがだなという気持ち。だがしかし、このコロナ禍において、オンライン演劇なるものが役者の二重性を担保できる媒介物がないと成立し得ないという