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創造性と枠組みの関係性

こんにちは。丸山芽生です。

今日のテーマは「創造性と枠組みの関係性」についてです。

「センス」を売る環境で働くということ

私が所属しているIT企業が昨年クリエイティブ企業とジョイントベンチャーを設立をしまして、私はその協業を促進すべくクリエイティブ企業の方に出向しております。クリエイティブ企業といっても、プロダクトや画像のデザインはもちろんですが、事業領域はそこにとどまらず、事業コンセプト/ブランディングそのものから設計することも昨今とても増えてきております。長年、自社の事業に携わられてきたクライアント企業様とは別の視点で、新たな「商品と顧客の接点の再定義」をすることがミッションとなります。

広い意味でコンサルティングワークではありますが、いわゆるデータを積み上げて結論を出すタイプの課題解決方法ではありません。もちろん、各クライアント企業様の状況や背景を咀嚼し、現代のマーケットの事情も加味しながら、その上に「納得感がありつつきらりと光るアイデア」が求められます。この塩梅が実に難しい。そう『センス』がいるのである。先日の全体会議でも社長自ら「当社は『センス』を売る会社です」と明言をしておりました。

異なるアプローチでの戸惑い

さて、出向でいきなりこのような環境に入り、かつ、いままではどちらかというとMBAやGAFAといった「データドリブン=正義」の環境にいたから戸惑うわけです。正確に、正直に言うならば、「自分の気質はセンス・感覚優位であったが、今までの環境がスキル・データドリブンだった」というのが正しいでしょう。だから『どうアプローチしたらいいのかわからない」というのが最初の本音でした。(ちなみに、これも二項対立ではないと思っておりますがそれはまた別の機会に)

アイデアとかセンスといわれると、一部の天才のひらめきのように思えて、手が止まってしまったのです。(この「ひらめき」についてもいつか書きたい)


枠組みはクリエイティビティを殺すのか?

自分は上手くアイデアだせないなぁ、なんて思っていたながらディスカッションを進めていく中で、ふと「雑多になってきたから、量(多/少)×タイミング(単発/長期)のマトリックスで考えよう」という話になったのです。まあ、今までのデータドリブンアプローチでは至極当たり前の進め方ではあるのですが。「クリエイティブ」「何かキラッと光る意見を言わないと」なんて力んで、とても初歩的な方法ですら忘れていたのでした。そして、実際、マトリックスごとに考えるとなんとも発想しやすいこと!スルスルとアイデアが思いつくのでした。(質は玉石混交な気もしますが、量は質につながるということで)


これはとても不思議なことだと思っておりまして。「クリエイティブ」というと、一見するとルールや枠組みから飛び出ているもの、未知の突飛なものだと捉えてしまい、その瞬間から固まってしまいます。でも、実はある種の制限の中で発想してみると(例えば、前述のマトリックスの場合だと多量×単発の場合は何ができる?と問い発想)るので、具体的なアイデアも湧きやすい。一気に解像度が上がる感じです。枠組みがあるからこそ、余計ビビットに情景を思い描くことができてクリエイティブが増進される。そんな発見をしたのでした。


思えば、デザインにしろ、色彩にしろ、音楽にしろ、芸術的でセンスのど真ん中の分野においても、一定の「良い・美しい」とされる法則=枠組みが学問としてきちんと確立されています。そのフレームに忠実であれば○、外れればという評価ではなくて、座標となっているわけです。だから正統派の美しさもあるし、外してはいるがそのあえての外し具合が絶妙で唯一無二といわれる天才もいる。その位置づけを知るためにもまずはフレームワークはセンスやクリエイティビティに不可欠だと思うのです。

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