見出し画像

定番のクリスマスソング

あと数日で、クリスマスと言うことで、今日は「クリスマスソング」について書きたいと思います。

実は、12月25日が、クリスマスとなったのは意外と新しく、325年5月の第1ニカイア公会議において、この日がキリストの降誕日(クリスマス)とされました。

この日は、古代共和政ローマ時代の「ローマ暦」において冬至の日であり、「不滅の太陽が生まれる日」とされていたために、キリストの降誕に相応しいとしてこの日が、降誕日(クリスマス)と定められたと言われています。

因みに、クリスマスとは、12月24日の日没から25日の日没までを言うそうです。また、クリスマスイブとは、24日の日没から25日の午前0時までだそうです。

最近、SNS等でも、アメリカでは、この日に「ハッピークリスマス」とは言わずに、「ハッピーホリディー」と言うと書かれています。これは、アメリカが多国籍国家であり、それぞれが信じる宗教が違っており、その為に「どんな宗教のお祝いにも対応可能で、無宗教の人にも使える挨拶」が必要となったからだと。

ハッキリ言って、これは一部のインテリ崩れの「逆張り」か、クリスマスが嫌いな輩の「やっかみ」であると断言できます。

何故なら、アメリカは、確かに多国籍国家ですが、キリスト教が8割、その他の宗教が1割、無宗教者が1割であると言われています。

10人に8人が、この日に「ハッピークリスマス」と言っているのに、わずか1割の人の為に、「ハッピーホリディー」と言い変えますか?可笑しいですよね!

仮に言い換えるとしても、この「ハッピーホリディー」は、英語で書くと「Happy holidays」と複数形で書かれています。しかし、クリスマスは1日だけであり、当然、「Happy holiday」と単数形ので表現されるはずです。

確かに、アメリカで働いていた時に、アメリカ人の同僚と「ハッピーホリディーズ」とクリスマスシーズンに言葉を交わしたことがありますが、日本語でいう「良いお年を」と言う意味でしか使ったことがありません。(アメリカでは、クリスマス前後から年末年始休暇が開始されるため)

この手の(意図的な)ミスリードは、本当に多いですね。

因みに、このクリスマスには、日本のキリスト教会でもミサが行われますが、ほとんどの教会では、この日は、キリスト教徒以外でも参加が可能となっています。興味のある人は、参加されたら如何ですか。

さて、本題のクリスマスソングですが、やはり、この歌から始めたいと思います。

「恋人たちのクリスマス(All I Want For Christmas Is You)」 
マライヤ・キャリー

この曲は、マライヤ・キャリーが、1994年に発表したホリディーソングです。当時、マライヤは、デビューしてから4年目であり、まだ、クリスマスアルバムは早いと言われていました。

何故なら、クリスマスアルバムは、商業的に考えてキャリアのピークに出す作品ではなく、どちらかと言えばキャリア終盤で出す作品だと捉えられていたからです。

しかもクリスマスの時期には、日々新しいクリスマスソングがリリースされ、その中から新たなビッグヒットとなるクリスマスソングを作り上げることは非常に難しいチャレンジだったからです。

しかし、マライヤは、このジンクスを見事に打ち砕いてしまいます。

「クリスマスソングのクラシック」として親しんでもらう様に、マライヤは、4分の4拍子で、キーはト長調(Gメジャー/G3〜G5)のコードを使って、原曲を僅か15分で作り上げます。

その後6月に録音を開始して、最終的にアファナシェフが、この曲を編曲し8月に完成します。

この曲は、マライヤの歌声やシンプルなメロディが受け入れられ、シングルの売り上げは世界歴代11位の1,600万枚以上にのぼり、マライヤ最大のヒット作となります。

その後30年間、クリスマスシーズンには、毎年トップ10入りをするほど息の長い歌となります。2020年12月15日(2020年12月19日付)のBillboard Hot 100でも1位。全英シングルチャートでも1位を獲得し、全米、全英で1位を獲得した唯一のクリスマスソングとなります。

恐らく、この「恋人たちのクリスマス」の様な、定番クリスマスソングは、生まれることはないと思います。

「クリスマスイブ」 山下達郎

日本で、この「恋人たちのクリスマス」に対抗できるような歌と言えば、山下達郎さんの「クリスマスイブ」であろうと思います。

この歌が、クリスマス定番となったのには、JR東海のクリスマスシーズン限定のスポットCMが大きく関係しています。

このスポットCMは、1988年にホームタウン・エクスプレス X'mas編として放映され、当時15歳の深津絵里(高原里絵)さんを起用。深津さんは高熱を出しながらも撮影に臨んだため、化粧を厚めにしていたそうです。ムーンウォークを踊る男性は、ジャニーズJr.出身である当時23歳の武口明さん。

このCMの背景に流れていたのが、山下達郎さんの「クリスマスイブ」でした。

翌年の1989年には、前年度のCMが好評のために、「クリスマス・エクスプレス」としてシリーズ化されます。

第1作目の彼女役には、当時17歳の牧瀬里穂さんを起用。彼氏役には長澤ユキオさんを起用。撮影場所は、名古屋駅構内(桜通口及び中央コンコース)。最後に息をはずませるシーンは、駅構内を何回も走り息をはずませてから撮影したそうです。キャッチフレーズは「ジングルベルを鳴らすのは帰ってくるあなたです」。60秒バージョンがACC CMフェスティバルのグランプリを獲得しています。

ここでも、「クリスマスイブ」の歌が背景に流れます。

第2作目は、1990年に放映されます。前2作の日常風景を題材にしたものから、ストーリーの軸を「もう会えないかもしれない」というシチュエーションに置くことになり、より「恋愛ドラマ的」なものに仕上がっています。

物語の設定も、彼女が、クリスマスイブの日、彼に公衆電話から固定電話へ掛けるも連絡がとれず、街中を一人歩いて自宅へ帰ると、玄関のドアに絆創膏で貼られた彼からの伝言があり、待ち合わせ場所に行くというストーリーとなっており、当時、携帯電話が普及していなかった恋愛状況が描かれています。

彼女役には、前作よりも少し大人の女性として高橋里奈さんを起用。キャッチフレーズは「どうしてもあなたに会いたい、夜があります」。

ここでも、「クリスマスイブ」。

第3作目の1991年放映では、彼女役には溝渕美保さんを起用。クリスマスイブの日、彼を新幹線の改札口で待つストーリーとなっています。今回は、ほとんどがセットで撮影されており、光量を下げ、ドライアイスを炊くことによりクリスマスを思わせる柔らかい絵を作りあげています。動画内のもみの木は、山形県で伐採したものを使用しているそうです。
キャッチフレーズは、「あなたが会いたい人も、きっとあなたに会いたい」。

またまた、バックには「クリスマスイブ」の歌。

第4作目は、1992年に放映されます。彼女役は、吉本多香美さんを起用。撮影場所は名古屋駅。山下達郎さんもカメオ出演しています。なお、吉本さんのセリフは富田靖子さんが吹き替えしているそうです。

山下達郎さんを見つけることができましたか?
ヒントは、最初の10秒間です。

この第4作目でも、「クリスマスイブ」がかかっています。しかしながら、このシリーズは、この回をもって一旦終了します。

4年連続で、クリスマスシーズン限定で、このCMが、放映されると共に、毎回「クリスマスイブ」が鳴り響いています。このCMの評判は良く、クリスマスシーズンの楽しみの一つともなっており、いつしか、このCMの主題歌である「クリスマスイブ」は、クリスマスソングの定番へとなっていきます。

このシリーズCMは、20世紀最後の2000年に再び復活します。

彼女役には星野真里を起用。彼女がクリスマスイブの日、携帯電話で彼から連絡があるが、仕事で会えないとの返事。それなら今すぐ行くからと、自分から彼に逢いに東海道新幹線に乗って行くストーリー。ホームタウン・エクスプレス X'mas編の深津絵里さんと、X'mas EXPRESS'89編の牧瀬里穂さんが、主人公を見守る妖精役として登場。ナレーションも2人が担当しています。キャッチフレーズは「何世紀になっても会おうね」。

ここでも、「クリスマスイブ」が再び登場します。

2000年版は、前と比べて30秒と短いのですが、実は、これには別バージョンの「予告編」(15秒バージョン×2)があり、働く男女が、それぞれ別の状況でパートナーに思いを馳せる場面が描かれています。この予告編は、本編とは配役も違い、直接関係の無いものとなっていますが、結果的に、本編の補足の様な形となっています。

この様に、1988年の深津絵里さんのバージョンで初めて「クリスマスイブ」が使用され注目を浴びます。その後は、同CMに牧瀬里穂が出演した1989年にオリコン週間シングルランキングで1位を獲得。

CMのシリーズ化と共に売り上げを伸ばし、1991年には累計100万枚を突破します。2016年には、30年連続して、クリスマスシーズンになるとトップチャート入りし、ギネス記録を打ち立てます。

今でも、松任谷由実の「恋人がサンタクロース」と並び、J-POP クリスマス・ソングの定番曲となっています。

さて、CMの様に、皆さんに、今年のクリスマスに優しい奇跡が生まれます様に、

メリークリスマス。


いいなと思ったら応援しよう!